〔第一問〕―25点―
問1
次の資料に基づき各設問に答えなさい。
1 決算整理前勘定残高
有価証券(各自推定) 仮払金 246,000 先物取引差入証拠金 54,000 債券先物(各自推定) 仮受金 864,000 繰延税金負債 (各自推定) 繰延ヘッジ損益(設問1)
2 未処理事項
(1)
イ
A社国債(その他有価証券)は前期に額面100円のものを6,000口購入しており、かつ、金利変動による国債の価格変動リスクを回避するため国債先物額面100円のものを6,000口売り建て、証拠金54,000円を支払っている。ヘッジ会計の要件は満たしているものとし、損益が認識されるまで純資産の部へ記載する方法による。当期においては国債の売却代金及び国債先物の決済による証拠金と先物損益の代金を仮受金したのみである。
なお、国債先物の会計処理は切放法による。
ロ
各取引日における1口あたりの時価は次の通りである。なお、国債の売却及び国債先物の決済は当期中に行われた。
A社国債 国債先物
購入日(売建日) 96 98
前期決算日 92 96
売却日(買戻日) 97 92
(2)
B社株式は前期まで売買目的として保有していたが、期中に300株を追加取得したため、関係会社株式に該当することとなったが、追加取得部分を仮払金計上する処理しか行っていない。
(3)
C社株式(その他有価証券)は期首にC社から剰余金の配当を受けているが、配当額を仮受金へ計上する処理しか行っていない。なお、その他資本剰余金から1株につき80円の配当を受けており、繰越利益剰余金から1株につき240円の配当を受けている。
3 有価証券の内枠
帳簿価額 当期末時価 当期末保有株式数
A社国債 ? ― ―
B社株式 375,000 910,000 800株
C社株式 480,000 411,000 600株
その他有価証券の評価差額の取り扱いは全部純資産直入法によるものとし、その他有価証券の評価差額部分及び繰延ヘッジ損益について税効果会計(実効税率38%)を適用する。
設問1
決算整理前残高勘定の繰延ヘッジ損益はいくらになるか。
設問2
当期末のB社株式はいくらになるか。
設問3
当期末のその他有価証券評価差額金はいくらになるか。なお、借方残高となるか貸方残高になるか記入すること。
設問4
A社社債の売却日における仕訳を示しなさい。なお、国債の売却による損益と国債先物の決済による損益は相殺し、投資有価証券売却損益勘定としてまとめて計上すること。
設問5
仮にA社社債について時価ヘッジ会計を適用する場合において、A社社債の取引による当期損益へ影響額は繰延ヘッジ会計を適用する場合と比較していくら変化するか。
― A1 ―
問2
W社は本社及び支店並びに工場を有しており、支店及び工場はそれぞれ独立して会計処理を行っている。次の資料に基づきⅠからⅧ の金額を求めなさい。
1 未達取引考慮前の一部金額
(本社) (工場) (支店)
工場 2,567,100 ― 2,683,400
本社 ― 3,248,700 ―
支店 ― ? ―
工場売上 ? ― ―
本社仕入 ― 5,910,000 ―
工場仕入 4,166,400 ― ?
本社売上 ― 4,368,000 ―
支店売上 ― 1,895,000 ―
製品売上 5,124,000 ― 2,166,600
2 本社に関する事項
(1)
本社では外部より材料Pを仕入れ、これを全て20%の利益を付加して工場へ送付している。
(2)
当期に外部により仕入た材料Pの重量は10,650kgである。
(3)
本社は工場から発送された製品を外部へ販売しており、発送価格の25%増の価格で販売している。
(4)
製品の数量及び金額(未達事項考慮外)
数量 材料P 材料S 加工費
期首製品 540 339,300 77,900 82,000
期末製品 540 ? ? ?
3 支店に関する事項
(1)
支店では、工場から送付されてきた製品を販売しており、独自に外部より仕入た商品の販売も行っている。
(2)
支店は工場から送付されてきた製品を外部に販売する際は発送価格の20%増の価格で販売することとしている。
(3)
製品の数量及び金額
数量 材料P 材料S 加工費
期首製品 280 198,000 36,400 68,000
期末製品 360 ? ? ?
4 工場に関する事項
(1)
工場では、本社から送付されてきた材料P及び独自に外部より仕入た材料Sにより製品を作成し、当該製品を本社及び支店へ送付している。
なお、製品1個の制作には材料Pが3kg、材料Sが2kg必要となる。
(2)
棚卸資産の数量及び金額 ( )の個数は加工進捗度を表す
(仕掛品及び製品)
個数 材料P 材料S 加工費
期首仕掛品 600(140)234,000 53,500 196,500
期末仕掛品 800(440) ? ? ?
期首製品 750 451,800 133,200 135,000
期末製品 550 ? ? ?
(材料S) (材料P)
重量 金額 重量 金額
期首 600kg 240,000 1,200kg 720,000
仕入 5,000kg 2,000,000 9,850kg 5,910,000
消費 4,800kg 1,920,000 10,800kg 6,480,000
期末 800kg 320,000 250kg 150,000
なお、材料Pについて未達事項を考慮していない。
(3)
仕掛品及び製品の評価方法は先入先出法を適用する。
(4)
当期の加工費は2,280,000円である。
― A2 ―
5 発送価格等の金額
前期 当期
外部材料仕入単価
材料P (1kg) 500 500
材料S (1kg) 400 400
完成品単位原価 960 ?
本社発送価格 1,040 1,120
支店発送価格 1,080 1,200
6未達取引
(1)
工場は本社へ製品?個を発送したが未達である。
(2)
工場は支店の得意先に製品50個を直接納品したが未達である。
(3)
本社は工場に材料800kgを発送したが未達である。
7 解答要求地獄
Ⅰ 本社期首製品
Ⅱ 本社期末製品
Ⅲ 支店製品売上
Ⅳ 期末仕掛品
Ⅴ 期末材料
Ⅵ 本社仕入
Ⅶ 繰延内部利益控除
Ⅷ 繰延内部利益戻入
― A3 ―
〔第二問〕―25点―
問1
次の資料に基づき空欄( ア )から( セ )に入る金額を答えなさい。
1 資本連結
(1)
P社(会計期間平成27年4月1日から平成28年3月31日)はS社の発行済株式総数を次のように取得した。
取得日 取得価額 取得割合
平成25年3月31日 168,000,000円 15%
平成26年3月31日 920,000,000円 60%
(2)
S社の純資産の推移は次の通りである。
(単位:千円)
H24年 H25年 H26年
資本金 900,000 900,000 900,000
資本剰余金 143,000 143,000 143,000
利益剰余金 345,000 358,000 377,000
(3)
当期における剰余金の配当はP社で160,000千円、S社が33,000千円である。
(4)
土地の帳簿価額及び時価の推移は次の通りである。他の資産負債の時価は帳簿価額と同じである。
(単位:千円)
H24年 H25年 H26年
帳簿価額 800,000 800,000 800,000
時価 850,000 840,000 820,000
(5)
のれんは発生年度の翌年度から20年にわたり毎期同額を費用処理する。
(6)
税効果会計を適用し、実効税率は35%とする。
2 P社とS社との取引
(1)
S社はP社に対して商品を900,000千円で販売した。なお、P社はS社から商品を876,000千円で購入した。
(2)
S社はP社に対する買掛金40,000千円を小切手を振り出して支払ったP社に未達であった。
(3)
P社が保有する期末棚卸資産うち48,000千円(未達考慮外)はS社から仕入たものである。なお、P社の期首棚卸資産のうち28,000千円(未実現利益5,600千円)はS社から仕入たものである。なお、S社はP社に対して、一般販売価格の8掛で販売している。
(4)
P社の買掛金のうち246,000千円(未達考慮外)はS社に対するものである。
(5)
S社はP社に対する買掛金250,000千円を支払うために手形を振り出し、うち60,000千円についてP社はこの手形を銀行で割り引き、うち50,000千円についてP社はこの手形を裏書譲渡した。なお、割引料14,400千円(うち2,800千円は次期分)を控除した手取額を当座預金とした。また、P社は割引時及び裏書譲渡時に受取手形を直接減額している。
― A4 ―
(6)
P社、S社とも期末売上債権の3%を毎期貸倒引当金として設定している。なお、前期末におけるS社のP社に対する期末売上債権は360,000円であった。
(7)
当期首にP社はS社に対して備品(帳簿価額150,000千円、定額法により減価償却、耐用年数5年)を165,000千円で売却し、S社はこの備品を期末現在保有している。
(8)
各社が保有するその他有価証券は次の通りである。
(単位:千円)
取得原価 前期末時価 当期末時価
P社保有株式 63,000 58,000 61,000
S社保有株式 49,500 50,200 50,900
3 P社及びS社の財務諸表
(P社)
損益計算書 (単位:千円)
自平成27年4月1日至平成28年3月31日
Ⅰ売上高 2,003,600
Ⅱ売上原価
期首商品棚卸高 59,460
当期商品仕入高 1,236,400
合計 1,295,860
期末商品棚卸高 93,700 1,202,160
売上総利益 801,440
Ⅲ販売費及び一般管理費
販売費 81,170
一般管理費 53,490
貸倒引当金繰入 19,272
減価償却費 126,730 280,622
営業利益 520,778
Ⅳ営業外収益
受取配当金 32,100
受取利息 8,560 40,660
Ⅴ営業外費用
支払利息 12,790
手形売却損 9,200 21,990
経常利益 539,448
Ⅵ特別利益
固定資産売却益 32,200
税引前当期純利益 571,648
法人税・住民税
及び事業税 348,668
法人税等調整額 35,680 384,348
当期純利益 187,300
貸借対照表 (単位:千円)
平成28年3月31日
《資産の部》 《負債の部》
Ⅰ流動資産 Ⅰ 流動負債
現金預金 490,000 支払手形 398,700
受取手形 327,600 買掛金 521,400
売掛金 449,600 未払法人税等 273,244
貸倒引当金△26,316 短期借入金 351,500
商品 93,700 流動負債合計 1,544,844
前払費用 9,740 《純資産の部》
流動資産合計 1,344,324 Ⅰ株主資本
Ⅱ固定資産 1 資本金 2,600,000
有形固定資産 2 資本剰余金
建物 1,200,000 (1)資本準備金 319,200
備品 300,000 (2)その他資本剰余金153,600
減価償却 3 利益剰余金
累計額△324,000 (1)利益準備金 344,500
土地 1,820,000 (2)繰越利益
関係会社株式1,080,000 剰余金 524,300
繰延税金資産 64,120 (3)その他有価証券
評価差額金 △2,000
固定資産合計4,140,120純資産合計3,947,600
資産合計 5,484,444 負債合計 5,484,444
― A5 ―
(S社)
損益計算書 (単位:千円)
自平成27年4月1日至平成28年3月31日
Ⅰ売上高 1,400,000
Ⅱ売上原価
期首商品棚卸高 55,000
当期商品仕入高 900,000
合計 955,000
期末商品棚卸高 45,000 910,000
売上総利益 490,000
Ⅲ販売費及び一般管理費
販売費 72,000
一般管理費 46,000
貸倒引当金繰入 13,000
減価償却費 45,000 176,000
営業利益 314,000
Ⅳ営業外収益
受取配当金 22,400
受取利息 10,300 32,700
Ⅴ営業外費用
支払利息 32,600
手形売却損 16,500 49,100
経常利益
Ⅵ特別利益
固定資産売却益 9,500
税引前当期純利益 307,100
法人税・住民税
及び事業税 235,540
法人税等調整額 18,560 245,100
当期純利益 53,000
貸借対照表 (単位:千円)
平成28年3月31日
《資産の部》 《負債の部》
Ⅰ流動資産 Ⅰ 流動負債
現金預金 320,000 支払手形 140,000
受取手形 120,000 買掛金 190,000
売掛金 180,000 未払法人税等 95,590
貸倒引当金△9,000 流動負債合計 425,590
商品 45,000 《純資産の部》
流動資産合計 656,000 Ⅰ株主資本
Ⅱ固定資産 1 資本金 900,000
有形固定資産 2 資本剰余金
建物 440,000 (1)資本準備金 127,500
備品 120,000 (2)その他資本剰余金15,500
減価償却 3 利益剰余金
累計額△165,000 (1)利益準備金 158,000
土地 800,000 (2)繰越利益
繰延税金資産 15,990 剰余金 239,000
(3)その他有価証券
評価差額金 1,400
固定資産合計 1,210,990 純資産合計1,441,400
資産合計 1,866,990 負債合計 1,866,990
― A6―
4 連結財務諸表
連結損益計算書 (単位:千円)
自平成27年4月1日至平成28年3月31日
Ⅰ売上高
Ⅱ売上原価
期首商品棚卸高
当期商品仕入高
期末商品棚卸高
売上総利益
Ⅲ販売費及び一般管理費
販売費
一般管理費
貸倒引当金繰入 ( ウ )
減価償却費 ( エ )
営業利益
Ⅳ営業外収益
受取配当金
受取利息 ( オ )
Ⅴ営業外費用
支払利息
手形売却損 ( カ )
経常利益
Ⅵ特別利益
固定資産売却益
当期純利益
法人税・住民税及び事業税
非支配株主に帰属する当期純利益 ( キ )
親会社株主に帰属する当期純利益
包括利益計算書 (単位:千円)
当期純利益
包括利益
その他有価証券
評価差額金 ( ク )
その他包括利益合計
包括利益
(内枠)
親会計株主に係る包括利益
非支配株主に係る包括利益 ( ケ )
連結貸借対照表 (単位:千円)
平成28年3月31日
《資産の部》 《負債の部》
Ⅰ流動資産 Ⅰ 流動負債
現金預金 支払手形
受取手形 買掛金
売掛金 ( コ ) 未払法人税等
貸倒引当金△ 短期借入金 ( ス )
商品
前払費用 《純資産の部》
流動資産合計 Ⅰ株主資本
Ⅱ固定資産 1 資本金
1 有形固定資産 2 資本剰余金
建物 3 利益剰余金
備品 4 非支配株主持分( セ )
減価償却 5 その他有価証券
累計額 評価差額金 土地
2 無形固定資産
のれん ( サ )
3 投資その他資産
繰延税金資産 ( シ )
固定資産合計 純資産合計
資産合計 負債合計
(注)
短期繰延税金資産、長期繰延税金資産、短期繰延税金負債、長期繰延税金負債は全て相殺し、長期繰延税金資産としてまとめて計上する。
― A7 ―
問2
次の資料に基づき(1)から(5)の金額はいくらになるか答えなさい。当会計期間は平成27年4月1日から平成28年3月31日までとする。
【留意事項】
・当会計期間は平成27年4月1日から平成28年3月31日までの間とする。
・端数が生じた場合はその都度切り捨てること。
・ファイナンスリース取引に該当するか否かの判定は、経済的耐用年数基準(リース期間が経済的耐用年数の75%以上)又は現在価値基準(リース料総額の割引現在価値が見積現金購入価額等の90%以上)のいずれかに該当するかによる。
1 年金現価係数表
2% 3% 4% 5% 6%
1年 0.9804 0.9709 0.9615 0.9524 0.9434
2年 1.9416 1.9134 1.8860 1.8594 1.8339
3年 2.8838 2.8286 2.7750 2.7232 2.6730
4年 3.8073 3.7171 3.6299 3.5459 3.4651
5年 4.7134 4.5797 4.4518 4.3294 4.2136
6年 5.6014 5.4171 5.2421 5.0756 4.9173
7年 6.4718 6.3208 6.0020 5.7863 5.5823
8年 7.3254 7.0196 6.7324 6.4632 6.2097
9年 8.1622 7.7861 7.4353 7.1078 6.9522
2 リース契約の内容
(1)甲備品
甲備品(経済的耐用年数4年、償却方法は定額法)は平成27年11月1日にリース会社により購入しており、同時に平成30年10月30日にリース会社へ返却する契約を提携した。なお、リース料の支払額は毎月4,200円であり、毎年7月1日、11月1日、3月1日に4カ月分ずつ支払っている。なお、貸手の購入価額は不明であり、見積購入価額は144,000円である。
(2)乙機器
乙機器(経済的耐用年数8年、償却方法は定額方法)は平成27年1月1日にリース会社により購入しており、同時に平成31年12月31日をリース期間終了日とし、その後乙機器を当社が所有する契約を提携した。なお、リース料の支払額は毎月4,500円であり、毎年4月1日に1年分を支払っている。なお、貸手の購入価額は不明であり、見積購入価額は264,000円である。
(3)丙車両
平成26年4月1日購入した、丙車両を当期首にリース会社へ売却し、同日にその全部をファイナンスリース取引によりリースバックすることにした。売却資産及びリース契約に関する内容は次の通りである。
(売却資産)
取得価額 320,000
償却方法 定額法
経済的耐用年数 5年
(リースバック)
売却価額
解約不能リース期間 4年
リースバック以後の
経済的耐用年数 4年
支払リース料(年額) 57,600
リース料支払日 毎年4月1日
所有権移転事項 なし
(4)利率
追加借入利子率 6%
見積現金購入価額
と一致する利子率 9%
3 解答要求事項
(1)当期の支払リース料
(2)当期の支払利息
(3)当期の減価償却費
(4)当期末のリース債務
(5)当期末の長期前払費用又は長期前受収益
― A8 ―