『学習』とは、
脳に記憶させる活動のことを指しますよね。
ですので、
学習を効率よく行うためには、
脳の仕組みをある程度知っておいた方が、
日々の学習が身に入りやすいです。
そもそも『記憶』は、
記憶を保持できる時間に伴って、
3つの種類に分けられます。
まず一つ目は、
数秒~数十秒の間だけ保持される
【ワーキングメモリ】です。
例えば、居酒屋に予約の電話を入れるとき、
電話番号を覚えて電話を掛けますが、
1分後にはもう忘れていますよね。
このように
一時的に、簡単な情報を
保持する役割があります。
ワーキングメモリは、
日頃から意識して鍛えることで、
ある程度増やすことができます。
ワーキングメモリが増えることで、
集中力が上がり、
計算や判断が速くなるなど、
日常の作業効率が良くなります。
ワーキングメモリを鍛える方法としては、
● 文を一つ読んで目を離し、
それを頭の中で復唱する
● 神経衰弱をやる
● RPG(ロールプレイングゲーム)をやる
(味方や敵の攻撃・防御を、
自分でも多少、大まかに計算しながら
攻略する必要があるため)
などがあります。
一時的に情報を保持する必要のある作業をこなしていき、
なおかつ楽しんで取り組むことで継続にもつながり、
効果的に鍛えることができます。
『鬼トレ』などのツールを用いて
『二重Nバック課題』に取り組むと
効率よく鍛えられ、
より大きな効果が期待できます。
二つ目は、
数十秒~数分の間だけ保持される
【短期記憶】です。
連絡網では、伝えられたことを
聞き取り、【短期記憶】で覚えて
メモをとっています。
情報量のことを、認知心理学においては
『マジカルナンバー7』と呼ばれており、
7±2チャンク…つまり、人間の脳は、
5~9個の情報を数分間記憶できます。
例えば、
FNVKBJHLGK
HELLOAMEBA
あなたにとって、
どちらの文字列が、覚えやすいですか?
どちらも同じく10文字の文字列ですが、
下の文字列の方が簡単に覚えられますよね。
上の意味の無い文字列を
そのまま覚える際には
F・N・V・K・B・J・H・L・G・K
の10チャンクを必要としますが、
下の文字列は
HELLOとAMEBAの
2チャンクだけで覚えられるためです。
「1192作ろう鎌倉幕府」と
語呂合わせで暗記すると良い、
ということも、
これで納得できますね。
つまり、先ほどの無意味な文字列も、
自分で何か良い語呂合わせを考えて覚えれば、
より少ないチャンク数で済みますね。
多くのことを覚える際には
この『チャンク』という考え方を
知っておくと、効果的ですね!
また、この【短期記憶】を
ひたすら紙に書いたり声に出したりして
反復させることで、
半永久的に保持される
【長期記憶】
に結び付きます。
自分の名前や年齢、住所はもちろんのこと、
友達や小学校の担任の先生の名前、
衝撃的な出来事などは
なかなか忘れられませんよね。
また、
初めて会って顔と名前が一致しない人でも、
会う回数を何度か重ねることで
覚えられるようになりますよね。
学校や塾で教わった内容も、
この【長期記憶】に覚えさせる
必要があります。
宿題をやらないと習ったことが
身に付かないのは、記憶が
【短期記憶】までに留まってしまっているため、
ということも、これで納得できますね。
繰り返し行わない限り、
【短期記憶】を【長期記憶】に移すことは
不可能なのです。
そのため、毎日少しでも
学習を行う必要があるのです。
僕は中3の頃、
円周率を友達と張り合いながら
覚えていた時期がありました。
知ってる桁までの暗唱を毎日繰り返しつつ
覚える桁数を増やしていき、
50桁まで暗唱できるようになりました。
日常では全く役に立たない知識ですが、
長期記憶に入っているので、
今でもスラスラと暗唱できます。
脳の仕組みを理解することで、
効果的な指導ができるようになります。
今後も、脳科学を踏まえた学習法を
紹介していきたいと思いますので、
楽しみにしていてくださいね!
今日も、ここまでお読み頂き、
ありがとうございます。
最後に、コメントも
よろしくお願いします。