UBSの評判は風前のともしび-投資銀行の縮小で原点に回帰を | 道広企画・箕面市のブログ

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9月23日(ブルームバーグ):


スイス最大の銀行UBS のオズワルド・グルーベル 最高経営責任者(CEO)は昨年、利益拡大のためにリスクテークを増やす計画を投資家に説明し、「リスクはわれわれのビジネスだ」と言明した。

  

その約10カ月後、UBSは同行が未承認だったとするトレーディングによる23億ドル(約1750億円)の損失を明らかにした。


31歳のトレーダー、クウェク・アドボリ 被告は詐欺と不正会計の罪に問われている。


UBSも英金融サービス機構(FSA)とスイス当局の調査の対象となり、投資家や政治家から投資銀行事業の縮小を迫られている。

  

ジュピター・アセット・マネジメント(ロンドン)のファンドマネジャー、ギ・ドブロネイ 氏は、UBSの「評判はもう限界だ」として、「あと一つ間違いを犯せば評判は二度と回復できない」と話す。

  

スイスのウェルスマネジメント事業の象徴的存在であるUBSは2009年、住宅ローン担保証券で被った巨額損失からの立ち直りに向け、既に引退していたグルーベル氏(67歳)を起用した。


ライバル行のクレディ・スイス・グループに37年在籍し、業績を好転させた手腕や、米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン危機を早期に予見した先見の明が買われた。

          急ブレーキを後悔

  同氏はUBSでまず、7500人を削減したりリスクを減らしたりと急ブレーキを踏んだが、これが2009年の債券トレーディングのブームに乗り遅れることにつながった。


そこで今度はカーステン・ケンジェター 氏の下で債券事業の再構築を目指し、1700人を採用しリスクも増やした。ケンジェター氏は10年11月以降、投資銀行部門全体の単独トップにある。

  

2008年から今年6月までUBSの最高財務責任者(CFO)を務めた

ジョン・クライアン 氏はインタビューで、今回の損失事件について

「UBSにとって恐ろしく悪いタイミングだ」として、

「また振り出しに戻った」と述べた。

  

ランデスバンク・ベルリン・インベストメントで運用に携わるルッツ・ローマイヤー 氏は、トレーディング損失をきっかけに、UBSの原点である資産運用に立ち戻るようグルーベルCEOへの圧力が増すだろうと言う。

  

UBSの収入の41%を生み出すウェルスマネジメント部門にはこの1年で新規の資金が流入。信用危機後の資金流出から流れが変わっていた。


富裕層からの預かり資産は6月末時点に2兆4700億スイス・フランで、プライベートバンクとして世界3位の規模。

  

コリンズ・スチュアート・ホークポイントのアナリスト、マシュー・ツェプリヴィクツ 氏は「目先の心配はウェルスマネジメント顧客の信頼感に対する事件の影響だ。


信頼感は最近の数四半期に徐々に回復していたのだが」と19日の顧客向けリポートで書いている。


更新日時: 2011/09/23 23:20 JST