歳とるとさ~
あちこちガタはくるし
何食べても太るし
嫌になっちゃうよね~

本当に歳はとりたくないよね~
(合唱)



食事処やカフェなどに行くと
時々遭遇する女性たちの会話。


話している内容が見事に
同じなんで毎回同じ人かなと思って
チラッと見てしまうほど。


それともワタクシメの世界で
オバサン役がバグっているのかな?


歳とりたくないってさ
なるべく早くに病気か事故かなんかで
死にたいってこと?

とワタクシメは黙って毒づく。


だって文字通りにいくと
早く死にたいってことじゃんか。


人は思ってもいないことを
平気で言ったりする。


自分を卑下することで
人前で自らをけなすことで
生きやすくなった体験をしている人は
多いのではないかなと思う。



そのまま気がつかずに生きて
その延長線上にあるのが冒頭の
ヘンテコな言葉に繋がるのかしら
とも思う。



もうババアだよ~と大声の
彼女たちの自虐は自分たちがある程度
外見をちゃんと整えてると自覚あっての
ことだと思うので卑下とはまた違う
ジャンルだと思われますが。



卑下したことがない人は
必要性がないラッキーな人生か
生まれ変わりがハンパナイ
達観した強い人なのかな。



ワタクシメは自分を
卑下し続けていたら本当にそうに
思い込んでしまってその現実を
長い間生きてきた。



思春期なんてまだ産まれたて
みたいなものなのにワタクシメは
自分が年寄りに感じられることがあった。



心はずっと20代よ~と
ハシャイでキャピキャピしている
叔母を見てるといつもイライラした。


昔から大袈裟でヒステリックな彼女と
一緒にいると不安でしかなかった。



中学1年の時に国語の授業で
二十歳の自分に手紙を書くという
のがありまして。



みんなが書いた手紙を先生が
ずっと保管して成人式の日に届くように
ポストに投函してくれるのだという。



先生という生き物は
頭は良いハズなのになんでみんな
慮ることが出来ないのか心底疑問だった。



なんで二十歳までちゃんとみんなが
生きてると思い込んでるワケ?



二十歳の私が生きていなかったら
手紙だけ親の元に届くことになる
じゃんか。



未来に希望が全く持てないのに
何を書けますかって話よ。



卒業間近まで先生は手紙を
書く様に何度も何度も言って来たけど。



書かない理由をまくし立てるほどの
気力はなかったので今書いていますと
ウソを突き通した。



思春期から二十歳前後が生きてきた中で
最もミジメな時期だったように思う。


何とか生きていたけど
手紙なんぞ書かなくて大正解だった。



ドン底にいた思春期の自分から
同じくドン底の二十歳の自分に
手紙が届く皮肉を自ら阻止したのだ。



成人式の日は振り袖を着る予定もなく
昼夜逆転生活真っ只中のワタクシメは
1日のほとんどをベッドの上で過ごした。



あの日みんなで埋めた
タイムカプセルの中身が少しだけ
気になっていたがそれを教えてくれる
友もいない。



若者をとっくに過ぎて中年期に
差し掛かっても生きずらさは増し
30代でビジネススピリチュアルに
見事にハマり倒した。


あの頃のワタシを癒すことに
せっせとせっせと大切なお金を使った。


必要だと思うことは間違いなく
目の前に現れるようになってる。


癒したい自分はすぐに目の前に現れ
見つけるのはとても簡単だった。


この人みたいになりたいと
特定の誰かに憧れながらすっかり
自分を忘れた。


そのプロセスは楽しかったは
楽しかったんで大きな後悔は今のところ
していないつもりだけど。



貯金を使い果たすまで癒すほどの
傷やトラウマなどはワタクシメに至っては
それ程なかったかなと今頃になって思う。



大事な貯金を使い果たしたことを
夜中突然に思い出して心臓をバクバク
いわせながら眠れないことが度々あった。



でも今は何もしていなくても至福を
感じるようになって。

前髪が白くなってきた自分を
鏡で見る度に少し滑稽で切なくも
愛おしく感じるようになった。



ヒーリングや癒しの効果は
きっとあったに違いない。


なかったなんて言わせない。
絶対にあったに違いないんだ。



しかしながら通帳の中身を空っぽに
するまではやりすぎだったとは思う。
(しつこいね)



ワタクシメは自分がそんなに
強くないと思っていたし。


そして優しくて親切な方だと
こっそり思ってたんですよね。



しかしながら本性は
辛辣でかなり図太い神経をしているし
気も全く使えない。
(受け入れるまでに時間が必要でした)



今が人生で1番若くて
自分史上1番最強だと思う。



ワタクシメはそっとあの頃の私に
愛をもって話しかけます。



「意地悪言われても真に受けるなよ。
  アイツらテメェに不満があるだけだから。
  ブスにブスって言われて傷つくなよ。
  ガタガタ言ってくる奴には頭突きでも
  して黙らせてやれ。」



あの頃の私は少し笑って静かに呟いた。


「紘ちゃんの大切なお金沢山使って
  私を癒してくれてありがとうね。」



私はやっとやっと貯金をカラにした
自分のことも受け入れることが出来そう
です。











フィンガーチョコが好き。