今回の作品はこちら。






「おみおくりの作法」

  (TSUTAYAで旧作100円です)



芸術と食欲の秋が今年も
やってまいりました。



ずっとずっと昔は自分が楽しければ
みんなも楽しいと思い込んでいました。



かなりジャイアン気質な私も
大人になりまして。



  なので私は偶々映画が好きなだけで
「これオススメだから絶対に観て!」
  なんて簡単に言えなくなりました。



過去に大好きで何回も何回も
狂ったように観ていた映画でも
改めて観て、何が良かったのだろう?
なんて思うことだってありますし。



超超超個人的な話。
年々震えるような良い映画に
出会えなくなっている気がするんです。



感動する純粋な心がスレたのか
もう映画の時代ではなくなって
しまったのか。。。



あんまりな映画に出会うと
ちょっとしたトラウマになり、しばらく
映画を観ることが出来なくなります。



デリケートになってまいりました。



映画なんか観てる場合じゃなくて
他にやるべきことがあるのではないかと
落ち込む始末。



しかしながら私は良い映画を
味わうために生まれてきたのであります。



あのバシャールが言いました。


「やらなければならない事を
  やるのではなくて、やらずには
  いられない事をやるのです」と。



そう数多くないやらずには
いられないことの1つは思春期から
ずっと続いているこの映画鑑賞です。




   この映画に出会えなかったら
「私は確実に人生で損をしていた!」と
  興奮してしまう様な映画を今日も
  ひっそりと探しています。



前置きが長くなり大変に
そしてならびにそして誠に
申し訳ございました。



今回の「おみおくりの作法」も
出会えなかったら確実に人生損を
していたと1人静かに興奮した映画で
ございます。




主人公の公務員ジョン・メイは
ひっそりと孤独死をした人の葬儀を
執り行う仕事をしています。



遺品から、その人を想像しながら
悼辞を書き、その人が好きだった
であろう音楽をBGMで流す。



ジョンはその作業をやりがいを
持って!とか、使命感で!とかの雰囲気
ではなく淡々と黙々と作業を行う。



それは几帳面な彼の日常生活にも
表れていて。



あまり感情を出さない彼は
超ミニマリストな生活をしていて
食べる物や時間までもキッチリと
決まっていたりする。



無機質な人間かと思いきや
所々で彼の優しさやユニークさが
伝わってきて、映画が終わる頃には
彼の事が好きになってしまう。



毎日同じルーティーンの生活を
送っていた彼の人生が、自分の住居の
真向かいの部屋に住むビリーという
男性が孤独死をした所から大きく
動き出します。



それと同時に上司から解雇通達を受ける。



「その仕事はそんなに時間をかけて
  やるものでもないし、君がやっている
   ことは無駄でしかないよ」と



聞いてもいないのにイラナイ
捨て台詞まではなつイヤミな上司。



そんな時も彼は感情を出すことなく
最後の仕事としてビリーの事を詳しく
調べたいと上司に伝える。



呆れ顔の上司は経費なんか
出せないから、テマエの金でやれよと
どこまでもイヤミな上司。



後に彼が上司にコッソリとする
仕返しがまたとっても面白い。



ビリーの人生を探す旅に
ジョンと一緒に旅をしているかの様な
ワクワクがありました。



出会う人それぞれの中に
沢山のビリーがいた。



ビリーが孤独死をした男性1から
自分の人生を生き抜いた1人の男性に
変わるにつれて。



彼の人生を探す旅が
ジョンの新たな人生を探す旅でも
あったりなんかして。



人間の孤独と生と死や愛情
人生の刹那がギュッと詰まった
映画の様な気がしました。



「人生ってさ、こうあるべきだよね!」

  
的な押し付けがましさがないので
観た人のそれぞれの感覚で余韻に
浸れるのではと思いました。




お時間ございましたら
美味しいお菓子と一緒に是非とも。









映画を観ている最中に小腹が減り
途中でピザトーストを作ってそれを
食べながら続きを観る時の至福さと
いったら。。。。






最高まで読んで下さり
ありがとうございましたm(__)m