拳と楯 11 揺れ苦しむ男 | 言葉を極めたい 文矢達林のブログ

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不良連合 本庄前線拠点

「それ、確かか」
「ああ、間違いない隠密隊によると、真壁が岩槻から撤退、行方未明らしい噂だ」
「それ自体、カモフラージュかもな」と確証もない会話に
「お前達」
いきなりの声に心臓が痛む三人
「ひっ」
「さ、百日紅様。いつからそこに」
「岩槻撤退がどうのからだ、お前達、詳しく言え、場合によっては岩槻に向かう」
「八重葎閣下自らですか」
「おい、それは」
「よい、閣下は理解していたのだ、真壁が非公開発表をしたことは内部スパイによってな」
「内部スパイ ですか」
「真壁の脱退と同時に仕込んだ第一の罠だよ」
と八重葎の策謀に微笑する百日紅に狂気を感じた三人は体が固まっていた。

北海道、室蘭

「楯山閣下、埼玉侵攻がかなり進んで」
「やはりか、八重葎め、焦りか、それとも先回りか」
「閣下」
「気にするな、報告は解った。鵜界、下がってくれ」
「はい」
「鵜界、お前には期待している」
と間を空けると
「優矢、お前はどう挑む、八重葎 荘と不良連合に」
優矢以外の人間の勝利以外、全く興味を示さないかのような言動だった楯山
「ふっ、優矢、お前は俺が倒すよ、裏切った代償、お前の罪、纏めてな。ふふっ」

学校

「出席とるよん」
苗字があ行の生徒から出席とっていると、何かを感じた担任
優矢君、休み?解せない、何で
「あ、あの先生」と彬衣が声を掛ける
「ふわっ、ごめん。ちょっと電話してくる」
先生、まさか

だめっ、優矢君、先生はそんな人じゃ、優しい人だよ。優矢君、行かないで、昔の冷たい優矢君になっちゃう

「うっ」
急に立ち上がり、走りながら教室を出る彬衣
「彬衣」と友達の声も気にせず、ただ優矢を止めたい一心が意識を支配していた。

「彬衣」と手を掴む親友
「彬衣、戻ろう、ダメだよ学校にいなきゃ」
複雑だった、優矢の元に行くか、真面目に学校に留まるか、彬衣は今、追い込まれた敗者と同じ気持ちになっていたが

「彬衣さん」
「真壁さん」

「あとは、任せてくれ」
「お願いします」と真壁に託した彬衣は、親友と2人、教室に戻った。

学校、自転車置き場

「久しぶりやな、バイクいや原ちゃん」
「優矢」
「真壁、それに先生」
「お前ら、嵌めたんか、わいを」
「違う、俺はお前を止めない、俺はお前と、お前の先生にある話をしに来た」

動揺で冷静さがない優矢に、決定打を発した真壁

「俺達の中に、内部スパイ、シンプルに言えば
、裏切った奴がいる」

「真壁っ」
「優矢君」
と怒り、悲しみ、失望が隠せない優矢に言い放った担任は、語り始めた。
「優矢君、真壁君の話を聞いて、聞くだけでも」
「わかんないんや、誰が本当の、誰が本当の」

「優矢さん」
「菜恩寺」
「ぐっ、菜恩寺、よくも優矢を、優矢を裏切ったなあああ、この野郎!」

「よ、読めた。う、裏切り者は、あ、ああ」

優矢君、あなたは、この試練を越えなきゃ、真壁君とは歩め いや、彬衣ちゃんや私を嫌いになる。だから、真壁君に頼んだ。優矢君の本当の親友として、救ってと
それに私は、優矢君をほっとけない女だったから、彬衣ちゃん以上に
ったく、私、それくらい彼を救う気持ちがあった。
彬衣ちゃん、ごめん。でも、今、あなたが優矢君の悲劇を知れば、あなたは若さゆえに、嫌いになる。
これは、かつて傷ついた私の唯一の行いだから

「やっと、やっと、希望が持てたんや、真壁、菜恩寺、先生、彬衣ちゃんと出会って、やっと進めると思っていた。まさかな、慕われた後輩に刃向けられる例えしなきゃいけなくなったとはな、わいも弱い、わいはバカになってしまった」

菜恩寺、お前

「優矢さん、いや、拳等優矢、お前の存在は、八重葎様の壁になる」

「お前と真壁、ここで潰すよ、俺が生き延びる為に」

続く