ドライブ・マイ・カー (2021年) | Asian Film Foundation 聖なる館で逢いましょう

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アジア映画に詳しくなかった私がアジア映画を観てます♪
ネタバレはできるだけ避けております…(ㆆᴗㆆ)*✲゚*。⋆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Drive my car
ドライブ・マイ・カー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつも、ありがとうございます☆⌒(*^-゜)v

ブログを書こうとすると寝てしまってて、困ってますあせる

 

9月18日でしたが、村上春樹の短編小説集「女のいない男たち」に収録された短編「ドライブ・マイ・カー」を、「偶然と想像」でベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞した濱口竜介監督・脚本により映画化。の『ドライブ・マイ・カー』を観ました…カチンコ
 

最初にこの作品のことを知った時のことは忘れてしまいましたが、私はまずとにかく三浦透子さん演じる渡利みさきの顔に強く惹かれていました。

 

 

なんというか眠そう、そして周囲を拒絶する壁というかバリヤーを感じさせつつ、しかも何か複雑なものを内面に抱えてそうだと1秒で思わせる表情で、この人が出る映画なら絶対に観たいと思ったんですわ。

 

結果として渡利みさきは一日くらい寝なくっても大丈夫な人だったんですが、はたせるかな、非常に魅力的なキャラクターで、私は映画を観ている間中、渡利みさきが登場してくるたびにテンションが上がるのでした。

そして映画の中で最も感動的な場面は、渡利みさきが語るある過去だったのですよ。

 

私はそこで感情をかき乱され、強い印象を得ました。

 

 

もっと難解で、もっと乾いた、感情的でない映画を想像していたんですが、違いました。

とても人間味のある映画だと思いました。

 

妻との記憶が刻まれた車。

聴けなかった秘密。

孤独な二人が辿りつく場所──


舞台俳優であり演出家の家福は、愛する妻の音と満ち足りた日々を送っていた。しかし、音は秘密を残して突然この世からいなくなってしまう――。2年後、広島での演劇祭に愛車で向かった家福は、ある過去をもつ寡黙な専属ドライバーのみさきと出会う。さらに、かつて音から紹介された俳優・高槻の姿をオーディションで見つけるが…。

 

主人公・家福悠介は優れた演出家、俳優ですが、しかし突然、妻の音を失ったショックが大きく、喪失感をぬぐい去ることができない。

 

彼はアントン・チェーホフの戯曲『ワーニャ伯父さん』(1897年)を演出する仕事で広島で行われる演劇祭に参加する。

そのことで渡利みさきと出会うんですね。

 

前にも ―― おそらくイ・チャンドン監督の『バーニング 버닝』(2018年)について書いた時  ―― 書きましたが私はお恥ずかしながら村上春樹先生の作品を読んでおらず…どんな小説を書かれるのかも知らないんですが、いや、もう、ホント読んだ方がいいですよねあせる

たとえ私には難しい本だとしても…。

 

でも、ホント、映画の最後の方で渡利みさきが語るあの「たった一人の友達」についての話が原作にもあるのなら、もう絶対、読んでみたいものです。

短編だということなので、読めると思うんですよね。

本も読まへんとあきませんなあ…。

 

 

ともかく、ですので、映画と原作、村上先生の作品とを比較してどうこうというのはぜんぜんないので映画そのものの感想ってことになりますけど、私ごとですがもうずっと苦しい日々が続いていて…あまり現実的なことは書きたくないんですが、まあ、私、気が晴れない日が多いんですね。

ずっと心配事に心とらわれていて…でも、それは誰しもに訪れる時間だと思うんですけど。

 

そんな中、映画を観ていても必ずしも集中できないことだってあるんだけど、『ドライブ・マイ・カー』は3時間の長い映画ですけど、ホントに面白かった。

最初、ちょっとイヤだったんですけどね、それは物語上、そういうふうになるものなので。

 

あと、家福悠介は演出家として舞台俳優の人々を統轄していくんですが、キレて感情的に怒鳴りつけたりしたらイヤだなあ、とか…いらない心配でしたけど。

ま、写真に撮られると激怒する人は出てくるんですがね。

 

映画で家福悠介は人々と出会い、(舞台という世界を知り尽くした人なんでしょう)淡々と仕事をこなしていく。

が、車の運転についてだけは自分でしたいというこだわりがあり、渡利みさきが運転することになった時には小さな衝突があった。

家福は妻と一緒に乗った車に強い思いがあり、だから『ドライブ・マイ・カー』なのかな。

 

とにかく家福は稽古場と宿を往復し、渡利みさきがその時、運転することになる。

渡利みさきは自分の仕事を軽んじる人ではないが、簡単に人と打ち解けたりしない…。

 

 

詳しいストーリーには触れませんが、映画のリズムなど様々なことが私に「合う」ようで、正直に書きますが、類まれなる3時間でした。

 

正直に「面白い」と書きましたが、もちろんそれ以上でした。

そして最終的に…ずっと重く感じていた私の心がこの映画を観たあと軽くなっていた。

気が重い日常が少し変わっていた。

心底から書きますが、私がこの映画から得たものってすごく大きいと思うんですね。

 

家福悠介と渡利みさきが「かっこいい」んですね。

だから『ドライブ・マイ・カー』は「かっこいい」映画ですよ。

そうなると私も観て、自分も少しでもかっこよくありたいと思うじゃないですか。

映画を観てそういう気分になる時、すごくありがたいですね。

嬉しいというか…映画からプラス側の昂ぶりを得てるんでしょう。

映画を観て、私は家福悠介と渡利みさきを見習いたいものだと思いました。

 

 

西島秀俊さん…そんなにご出演作を観れてないんですが、しかし、『ドライブ・マイ・カー』を観てもっとファンになりましたわ~。

ホンマに素晴らしい…。

 

 

三浦透子さん…調べてみると、いや~、私は一作もご出演作を観てませんでしたあせる

でもね、だからこそ『ドライブ・マイ・カー』の三浦透子さんにホンマ魅了されました。

総じて『ドライブ・マイ・カー』の印象としてはだいたい三浦透子さんですよね。

私は渡利みさきが大好きなんですよ。

こうなるというともはや三浦透子さんの他のご出演作も観たいものです。

もちろん、絶対に渡利みさきとは違うんでしょう。

そこはもう私もわきまえてます。

が、今はまた別の三浦透子さんを見たいです。

 

それにしてもこの映画、このご時世にすごくタバコを小道具にした映画だなあ~。

それがまたかっこいいんですよ。

ま、どうでしょうか、女性が仕事の合間にタバコを吸うとイヤがる人って多いだろうし、禁じられてしまいそうですが…映画の方がちょっと自由ですよね。


三浦透子 Toko Miura (渡利みさき)
1996年10月20日、北海道出身。02年、サントリーのCM「なっちゃん」で2代目なっちゃんとしてデビュー。主な出演映画は、『私たちのハァハァ』(15/松居大悟監督)、『月子』(17/越川道夫監督)、『素敵なダイナマイトスキャンダル』(18/冨永昌敬監督)、『ロマンスドール』(20/タナダユキ監督)、『おらおらでひとりいぐも』(20/沖田修一監督)など。また、『天気の子』(19/新海誠監督)では、主題歌のボーカリストとして参加。昨年には、初のオリジナル作品となる1st mini album「ASTERISK」を発売するなど歌手としても注目を集める。今後は、映画『スパゲティコード・ラブ』(丸山健志監督)の出演などを控えている。

 

 
 
 

 

高槻耕史を演じた岡田将生さん…。

 

高槻耕史はなかなかハラハラさせるキャラクターで、ま、実のところ、家福悠介の妻・音と浮気してはったらしいので…家福と衝突があってもおかしくないのに…そうきたか、って感じでした。

高槻は(モテる人だろうし)どうも色事のハードルが低く、すぐに深い仲になっちゃうような人で、家福からも「社会人失格」とか言われてしまいますが、しかし、お芝居や演技には真剣な人なんやなあ。

前半、イヤだなあと思ったんですが、結果的に嫌いじゃないですね、ええ。

でも、どうなんだろう…あそこからの復帰は難しいでしょうね…。

そのあたり悲しく思いました。

だから教訓としてはカッときたとしても人をどついたらアカンってこと。

 

岡田将生さんは『聖地X』(2021年)も良かったんですが、ぜんぜん違いましたな~。

またきっと私もご出演作を観ることになるだろうよ。

 

 

助演の方々も皆さん、ホンマに素晴らしい…。

 

ユンスさんを演じたジン・デヨンさん…調べてみましたが、『折れた矢』(2012年)や『聖なる復讐者』(2022年)にも出てられたんですね。

日本語が上手いので、また日本映画でも活躍していただきたいものです。

 

ユンスさんは穏やかな方でちょっと気難しい感じの家福とも仲良く接する。

この映画の優しさの象徴のような人物ですが、おられますよね、こういう方…。

いろいろ経験されてきた上でなんでしょうけど、こういう方が場におられるとなんか安心…。

 

 

ユナを演じたパク・ユリムさんも知らなかったんですが、最後を決めるというか、非常に大きな役ですよね。

 

Netflixオリジナル映画、『バレリーナ』(2023年)にも出演されてるそうです。

 

バレリーナ Netflix (ネットフリックス)

 

 

濱口竜介監督…申し訳ないです、監督作を私はぜんぜん観てませんでしたm(_ _)m

 

でも、いきなり『ドライブ・マイ・カー』に出会ったことも幸せな話じゃないですか。

いきなり観てるんですもん、この映画を。

『ドライブ・マイ・カー』を観て、濱口監督の映画術というか映画の作りがホント私は好きだと思うんですね。

9月も私、いろいろ映画を観てますけど、『ドライブ・マイ・カー』は今年観た映画の中でも抜きん出て感銘を受けた映画です。

ただの映画じゃないというか…日常的に映画を観てるけど、まだこれがあったか、って感じでした。

濱口監督の他の作品も是非、観たいものです。

 

数々のベストセラーを生み出してきた作家・村上春樹による、珠玉の短編小説「ドライブ・マイ・カー」。妻を失った男の喪失と希望を綴ったこの作品に惚れ込み映画化を熱望、自ら脚本も手掛けるのは、いま世界が最も熱い注目を寄せる濱口竜介監督。

 

本作では原作の精神を受け継ぎながらも、「ワーニャ伯父さん」、「ゴドーを待ちながら」という時代を超えて愛されてきた演劇要素を大胆に取り入れ、ストーリーと映画内演劇が重層的に呼応しあう驚異的な物語を紡ぎだした。さらに広島・東京・北海道・韓国などのスケール感あるロケーションと、名手・四宮秀俊撮影による美しさと厳しさが溶け合う映像美は観る者を魅了し、物語へと引き込んでいく。




たくさん賞を受賞されて、とうとうアカデミー賞・国際長編映画賞を受賞ですものね、そりゃ受賞しますよ、ホンマ。

受賞して当然というか、ホンマにええ映画だと思います。

もう、分析的なことは書けないんですけど、私が今年観た映画の中でもとにかくジワ~ッときた映画で観る前と観たあととで気持ちが変わりました。

そんな宗教的な変な意味合いではないけどね…映画を観てそこまで行けるってホンマに嬉しいことですよ。

 

この作品はもう映画ファンなら必ず観る映画なんだろうけど、もしもまだ観ておられなかったら ―― 3時間近くの長い映画ですが ―― 是非、観てください。

私はまた他の皆様のご感想が読みたいものです。

 

今日もおおきに、ありがとうさんでした☆⌒(*^-゜)v



村上春樹 Haruki Murakami 原作 Original Author
本作の原作である「ドライブ・マイ・カー」は、「女のいない男たち」と題して文藝春秋で連作された(2013年12月号-14年3月号)短編小説の一作目。のちに、同作含む全6篇を収録した短編小説集「女のいない男たち」(文春文庫刊)として発売。バラク・オバマ元米大統領が「2019年のお気に入りの本」に挙げたことでも話題となった。現在、累計発行部数は70万部を突破、19カ国語に翻訳され多くの国で愛されている。
映画化に際しては「ドライブ・マイ・カー」のほか、同短編小説集に収録されている「シェエラザード」「木野」のエピソードも投影されている。

 



ドライブ・マイ・カー


Drive My Car
드라이브 마이 카
驾驶我的车
在车上


2021年製作/179分/PG12/日本
劇場公開日:2021年8月20日
配給:ビターズ・エンド

監督・脚本 濱口竜介
原作 村上春樹
脚本 大江崇允
製作代表 中西一雄 定井勇二
共同製作 川村岬 松下幸生 奥村景二 中部嘉人 鈴木仁行 久保田修 五老剛
プロデューサー 山本晃久
アソシエイトプロデューサー 近藤多聞
撮影 四宮秀俊
照明 高井大樹
録音 伊豆田廉明
美術 徐賢先
装飾 加々本麻未
スタイリスト 纐纈春樹
ヘアメイク 市川温子
編集 山崎梓
音楽 石橋英子
監督補 渡辺直樹 大江崇允
助監督 川井隼人 久保田博紀
リレコーディングミキサー 野村みき
VFXスーパーバイザー 小坂一順
制作担当 中川聡子

西島秀俊 - 家福悠介
三浦透子 - 渡利みさき
霧島れいか - 家福音
パク・ユリム - イ・ユナ
ジン・デヨン - コン・ユンス
ソニア・ユアン - ジャニス・チャン
ペリー・ディゾン
アン・フィテ
安部聡子 - 柚原
岡田将生 - 高槻耕史

Cast
Hidetoshi Nishijima as Yūsuke Kafuku
Tōko Miura as Misaki Watari
Reika Kirishima as Oto Kafuku, Yusuke's wife
Park Yu-rim as Lee Yoo-na
Jin Dae-yeon as Gong Yoon-soo
Sonia Yuan as Janice Chang
Ahn Hwitae as Ryu Jeong-eui
Perry Dizon as Roy Lucelo
Satoko Abe as Yuhara
Masaki Okada as Kōji Takatsuki

 

 

 

 

 

 

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