12月3日からこの作品の公開がスタートです
NETFLIX配信の『鋼鉄の雨』(2018年)の「2」なんですけど、厳密な続編ではなく、「主演チョン・ウソンとクァク・ドウォンを再びキャストに迎え、世界観を広げた新たな内容で描く」作品だそうなので、この1作だけで楽しめる作品じゃないかと思います。
全世界が注目する平和協定の締結に向け、韓国大統領ハン、北朝鮮委員長チョ、アメリカ大統領スムートによる首脳会談が北朝鮮で開かれた。米朝間の意見が対立する中、核兵器放棄と国交正常化に反対する北朝鮮の護衛司令部パク総局長が軍事クーデターを起こし、三首脳は弾道ミサイルを搭載した原子力潜水艦に拉致監禁されてしまう。緊迫状態に陥った潜水艦内で、国家の威信と野心をかけた者たちの思惑が交錯し、戦場さながらの激闘へと突入していく。・・・そんなストーリーらしく、面白くないわけがないと思うんですね。
是非、劇場で観てください
それから前にもお知らせしたんですけど、同じ12月3日、このドラマのDVDも発売になります
有名映画監督と人気俳優が贈る本格SFシネマティックドラマです。
全8話からなるオムニバス・ドラマですね。
これは映画とはまた違うけど映画並みに面白いんじゃないかと思います。
SF好きさんが喜びそうな感じ。
DVDを買うのはともかく、チェックしておいてください・・・よろしく
え~、11月22日ですがこの作品を観ました・・・
新仁義なき戦い 組長の首
解説 “新・仁義なき戦い”シリーズ二作目。ヤクザ組織に生きる男たちの、憎悪、猜疑、野望を赤裸々に描く。脚本は「実録飛車角 狼どもの仁義」の佐治乾と「好色元禄(秘)物語」の田中陽造と「資金源強奪」の高田宏治、監督は「資金源強奪」の深作欣二、撮影は「札幌・横浜・名古屋・雄琴・博多 トルコ渡り鳥」の中島徹がそれぞれ担当。 (映画のことなら映画.com)
『仁義なき戦い』5部作(1973~1974年)のあとに続いた『新仁義なき戦い』3部作(1974~1976年)の2作目ですが、この『組長の首』は現実に着想を得た作品ではなく、フィクション・映画オリジナルだとのことです。
ついに山守のおやっさん(金子信雄さん)が出てこなくなったこともありますが、確かにガクンと違う映画になった印象です。
特に最後の方でカー・アクションになるのが新しいです。
この映画はシリーズと関係なくこの1作だけでも楽しめる作品ですね。
舞台も広島ちゃいますし、セリフも九州の方言ですね。
複雑な組織の相関図を頭の中で思い描けなければ置いていかれたこれまでの作品とは違い、かなりわかりやすい映画になってるのではないかと思います。
昭和43年。覚醒剤を主とする密輸品は、古くから関門海峡の周辺を密輸基地に陸揚げされ、日本全国の暴力組織に捌かれていた。その莫大な利権をめぐって対立する大和田組と共栄会の二大組織があった。大和田組幹部・楠鉄弥は、親分・大和田徳次の命で、流れ者・黒田修次、組員・須川とともに、共栄会々長・正木を襲撃、黒田は自から単独殺人を認め殺人罪で刑務所へ収監、10年の刑を受けた。共栄会は組長の死以後、崩壊し、大和田組は勢力を拡大した。大和田の娘・美沙子を妻にした楠の面会がとだえてから七年、黒田は仮出獄した。(映画.comさんのストーリーから抜粋)
って導入部なんです(`・∀・´)
わかりやすく書きますと、菅原文太さんが山崎努さんと約束して、山崎努さんがいる組の敵対組織のボスをブチ殺して、自ら刑務所に服役することで、出てきたらしっかりお返ししてもらうことになってたんですけど、出てきたら山崎努さんが重度の薬物中毒で、任された店とかを潰してたりで、幹部でありながら肩身が狭い境遇になってはって、大和田組の親分さんもそんなもん金は出せん、知らんと言い放ってたんですわ。
山崎努さん演じる楠鉄弥は親分さんの娘さんである美沙子(梶芽衣子さん)と結婚してはって、しっかりしてたら跡取りで親分になれてたのかもしれないんですけどね・・・なんせ重度の薬物中毒でことあるごとに薬を摂取しなどないもならん。
また顔が怖い。
なんかもう村人32人くらいを一晩で殺してギネスに載りそうな感じで。
それででしょうかね、基本、敬われてますけど組的には仲間はずれにされてるし、親分さんは大事な娘をこんな婿に取られてるってことで余計に嫌ってるんでしょうね。
でも嫌ってるけど、じかに二人で会うのも怖がってるんですけどね。
それもまあ、わかります。
ホントに何するかわからへんから怖いんですよね。
で、菅原文太さんが大和田組のために刑務所に入ってたことはうやむやにされそうになったんですけど、文太さん演じる流れ者・黒田修次はそれで済ますような人物ではなかった。
そしたら山崎努さんが超・短絡的な行動に出て、なんか、夜の夜中に雨の中、穴掘ってムチャクチャしてますな。
結果、親分さんもお金を払うことを約束するしかなく、成田三樹夫さん演じる相原重彦に払うよう指示。
が、相原は自分勝手な判断をする。
大和田組は大きな組織のようですが、昔気質な雰囲気に私は思えました。
いつも同じ部屋で会議してて。
そんな中でも成田三樹夫さん演じる相原重彦は親分さんへの身の程はわきまえつつも虎視眈々とその座を狙って根回ししてきたんでしょう、大阪・野崎組の親分さん( 内田朝雄さん)を後ろ盾に。
狡猾な人物なようで、実はこの人が文太さん演じる黒田修次を「使える」とふんで利用したフシがあるわけですね。
しかし黒田もそんな甘もうないので黒田なりの考えもあった。
これが相原の誤算でした。
いや、もう、私にもわかるストーリーだったので語る語る(^_^;)
で、さかのぼって刑務所内で黒田は他の囚人たちから(性的な意味で)襲われていた志村勝男(小林稔侍さん)とその弟分の笹木茂(三上寛さん)を拾う形で腹心の子分にしてたんですよね。
笹木茂は自分では小林旭と名乗るような人で、お宿で一曲、披露しますね。
演じてるのはフォーク・シンガーの三上寛さんで映画にもいっぱい出てられますね。
で、身代わり服役の当座のご褒美に、成田三樹夫さん演じる相原重彦から薬物を渡された黒田は志村と笹木にそれを売りに行かせたんですけど、それで大和田組傘下の赤松組ともめてしまい、大切な薬物と売上げを取られてしまいそうなことに焦ってしまった笹木が赤松猛夫を殺してしまい、自分も死んでしまい・・・話しはどんどん悪い方にエスカレート。
それも相原の計略だったんでしょ。
相原はいろいろ悪巧んでますので。
で、相原は死んだ赤松の情婦、ナチュラル・ボーン・ブラック・ウィドーな綾(ひし美ゆり子さん)を自分の女にする。
この綾がなかなかの女性で胸をはだけるのもモノともしませんので男性ファンは歓喜でしょうな。
なんか「昭和な裸」でした。
でも、この人と深い仲になると男性は死にます
それで・・・笹木は家出してたので、お母さんがご遺体を引取りに来られて、若い笹木の死は哀しいものです。
そういったへんにこれまでのシリーズのテーマがまぶされてる。
いろいろありまして、相原的には目的が達せられつつあるんでしょう。
500万を上げて、それで黒田にはもう出て行ってもらいたい相原でしたけど、黒田は出て行かない。
流れ者と陰口を叩かれつつも極道として秀でていた黒田。
不満な人がいても大和田の親分さんも黒田を重んじる。
そういったあたり、黒田は敵に回すと怖いので味方にした方がいいんです。
で、黒田は井関政治(織本順吉さん)と盃を交わし兄弟分となる。
この井関さんが小心者で押しが弱く、自力でのし上がれるタイプではないんですが、その生来の歯向かえなさが親分さんには都合良かったんでしょうね、自分の後継者には井関を選んだんですよね。
が、相原と、その黒幕である野崎組の親分さんは大和田の親分を引退に追い込みたかった。
相原は山崎努さん演じる楠鉄弥を騙し、親分と黒田を殺させようとするが・・・って感じです。
書いていると余計に物語を自分のものにできますね。
そして、かなり残酷なことになって、どうなるのかなあ~って思うんですけど、黒田が井関に電話して言うことがもう、かっこよすぎて痺れましたわ~。
私にはわからないのですが、やはり極道の方々にとって盃とは最も重いものなのでしょうか。
黒田は井関に、もう一回、親分に返り咲きさせたるわと言いますね。
私にとっては『仁義なき~』シリーズ屈指の名場面、名セリフでしたけど、いかがでしたでしょうか。
今回は前半、特に山崎努さんに目が行きました。
何といっても私もよく知ってる俳優さんですしね。
容貌は今とあまり変わってられないんですけど、薬物中毒の役作りかホラー並みに長身痩躯、そして顔が怖い。
人物としては楠鉄弥は判断力の弱い、危険な人物ですね。
結果として不幸のどん底の大惨事になってしまいます。
とにかく山崎努さんのこういった極道役を見れたことが値打ちでしたよね。
最後のあのカクカクって体を折ってへたり込む演技もゾクッときましたわ~、怖さで。
その奥さんであり大和田の親分さんの娘さんを演じたのが梶芽衣子さんで、『仁義なき戦い 広島死闘篇』(1973年)でも組長さんの姪を演じてましたね。
『組長の首』の美沙子は本当に気の毒な女性でしたが、薬物中毒の怖さを描かれてました。
何としてでも楠に薬と縁を切らさせるべきでしたけど、できなかったんでしょうね・・・。
なんか「昭和の不幸」って感じでした・・・。
大和田の親分さんを演じられた西村晃さん・・・黒澤明監督作品や『座頭市』シリーズで見てたはずなんですが印象になく・・・すんません
俳優さんとしてやっぱり演技に感動しました。
親分さんも娘さんにはお父さんなのが泣けますね。
成田三樹夫さん演じる相原重彦は悪役らしい悪役ですね。
『仁義なき戦い』の世界だからこそ、仁義を捨てて自己本位にのし上がろうとするのが悪ですよね。
しかし菅原文太さん演じる黒田もとても善人とは思えないんですよ~。
凶暴な人物やと思いました。
ここが勝負と一気に暴れだしますね~。
性格ももう、本当に極悪で。
だって部下に殺させるんだもの。
だから『組長の首』はかなりきついですよね。
私は小林稔侍さん演じる黒田の舎弟、志村勝男の最後、怖かったです。
『仁義なき~』特有の荒々しいハンドカメラ撮影で描かれる襲撃のシーン、ほとんどよくわからなかったけど、志村がターゲットにしがみついているように見えて・・・それが野生動物の攻撃のようで怖く見えました。
それでこそ暴力映画と思いましたけどね。
怖がらせてくれて。
かっこよさもいいけど、怖さがある方が好きかなあ。
志村で思い出したのは『BROTHER』(2001年)の寺島進さんです。
『BROTHER』のその場面もすごく怖くて記憶に残ってるんですけど、志村も同じ心境だったのかなあ・・・。
あの状況では逃走は難しかったと思うけど。
渡瀬恒彦さんはその点、最後、生命力が強そうで安心でした。
『仁義なき戦い 代理戦争』(1973年)では最後、悲惨だったから・・・。
ひし美ゆり子さん演じる綾と黒田の場面も良かったですね。
なんか悪いハードボイルド~って感じで・・・綾は悪いですよね。
よくああなれるなって感じでしたけど、そういった死の近くにいることが好きだったんでしょうけどね、怖い人ですね。
俳優さんについてはそういったところですが、コメント欄でのお返事でも書いてます通り、『仁義なき~』シリーズを観ることでこの時代の俳優さんたちをかなり覚えました。
そこまで一気には観れませんが、少しずつでもキャストの方々の出演作、また同じ1970年代の邦画も観ていこうと思いました。
『組長の首』は最後の方ではもうカー・アクションの映画になってて、危ないことしてるんだろうなあ~って思いました。
結果、観終えてこれはもう『仁義なき戦い』ではないなあ、と思いました。
違う題名でも良かったでしょう。
例えば『組長の首』だけにしとくとかね。
でも、面白さでは私がこれまでに観た作品に劣らないし、私に合ってたのかとてもわかりやすくってて一気に楽しめました。
シリーズに思い入れの強い方々はご不満でしょうけど、私は良かったですよ。
この次はもちろん『新仁義なき戦い 組長最後の日』(1976年)を観ます。
そして工藤栄一監督の『その後の仁義なき戦い』(1979年)を観ますね。
観たらまた感想を書きますのでよろしくお願いします。
そんなんで11月もおおきに、ありがとうさんでした
12月もよろしくお願いします~☆⌒(*^-゜)v
新仁義なき戦い 組長の首
New Battles Without Honor and Humanity: The Boss's Head
신 의리없는 전쟁 - 조장의 머리
新無仁義之戰 組長之首
1975年製作/94分/日本
劇場公開日 1975年11月1日
配給:東映
スタッフ・キャスト
監督
深作欣二
脚本
佐治乾 田中陽造 高田宏治
企画
日下部五朗 橋本慶一 奈村協
撮影
中島徹
美術
鈴木孝俊
音楽
津島利章
録音
中山茂二
照明
若木得二
編集
堀池幸三
助監督
清水彰
スチール
木村武司
菅原文太 - 黒田修次
成田三樹夫 - 相原重彦
織本順吉 - 井関政治
室田日出男 - 赤松猛夫
山崎努 - 楠鉄弥
西村晃 - 大和田徳次
梶芽衣子 - 美沙子
ひし美ゆり子 - 綾
一の瀬玲奈 - 露子
中原早苗 - 品子
渡瀬恒彦 - 須川国光
小林稔侍 - 志村勝男
三上寛 - 笹木茂
汐路章 - 郷田猪之吉
睦五郎 - 高山音松
林彰太郎 - 船田徹
西田良 - 滝川
片桐竜次 - 浦上
藤沢徹夫 - 木村
小峰一男 - 村井
木谷邦臣 - 柿田
八名信夫 - 宮井
野口貴史 - 白木
笹木俊志 - 佐竹
岩尾正隆 - 根本
内田朝雄 - 野崎浅次郎
川谷拓三 - 刑事
秋山勝利 - 警官
(映画.com)