新仁義なき戦い (1974年) | Asian Film Foundation 聖なる館で逢いましょう

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いつも、ありがとうです・・・(。・∀・)ノ゙

 

今日は日本の映画なんですけど、11月20日、『不倫する理由』(2019年)を観たあと、この作品を観ました・・・カチンコ

 

 

 

 

 

 

 

 



新仁義なき戦い (1974年)

 



解説 “仁義なき戦い”シリーズ前五部作の装いを変えた新シリーズ第一作目。広島・呉にあるやくざ組織の内部分裂、権力闘争をドキュメンタリー風に赤裸々に描いたやくざ映画。脚本は「あばよダチ公」の神波史男、と荒井美三雄、監督は「仁義なき戦い 完結篇」の深作欣二、撮影も同作の吉田貞次が担当。 (映画のことなら映画.com)

 

 

 

 

仁義なき戦い』5部作(1973~1974年)が完結しても、シリーズが「金のなる木」だったゆえに、作られることになった新作ですね。

映画会社が集客が見込まれるヒット・シリーズを終わらせたくないとお考えになったんだろうと、どうしても想像してしまいますし、私が決める立場だったらやっぱり「続編やりましょう」と言うと思うんですね。

 

映画界的には、続編は作られれば作られるほど劣化するケースもあるだろうから、賛成ではない方も多いと思いますし、それで観に行く人も減ったら意味ないじゃん、ってことになるんですけど、人が入ってるうちは何とか続けたいところです。

 

それでダメな続編も生まれてしまうんだろうけど、結局は人さまざま、1作目、2作目よりも劣った続編にこそ愛情を感じられる映画マニアの方も少なくないでしょう。

『映画秘宝』だって、そういった評価が多かったと思ったんですね。

 

私自身も評価の高くない続編でも、好きになることが多いタイプ。

作れるのならなんぼでも作りはったらいいと私なんかは考えるんですね。

それは続編のみならず、リメイク作品にも言えます。

 

けっこう、続編、リメイクの方が好きって場合もありますよ。

もちろん、ガッカリしたこともあると思いますけど。

 

 

 

『仁義なき戦い』の「新」シリーズは、『新仁義なき戦い』、『新仁義なき戦い 組長の首』、『新仁義なき戦い 組長最後の日』の3作、作られました・・・ってそんなことファンの方は先刻ご承知なので書いてもしゃないんですけどね(^_^;)

 

さて「新」の1作目である『新仁義なき高い』ですが・・・長いので『新仁義』と略させていただきましょうか。

『新仁義』はオリジナル5部作と、時代的に重なる・・・んですよねはてなマーク

 

いや、そうに違いないと思って観てたんですけど、私には頭の中で上手く整理できませんでした。

ですので、オリジナル5部作に重ねると矛盾が生じてるようにも思いましたし、また、何とか納得しようともしました。

 

 

 

山守のおやっさん(金子信雄さん)が右往左往、頑張ってはるんですけど引退に追い込まれたりして順調とは言えない。

そこ、オリジナル5部作とはまた違いましたし、何よりも菅原文太さん演じる主人公の性格や人柄などがだいぶ違ったと思うんですけど、どうでしょうか。

 

役名も「広能昌三」から「三好万亀夫」に変更されていますし、なんか、怖い修羅場慣れ度が凄い感じでした。

あと、酒癖があんまり良くない。

 

 

 

物語としては、人を殺めて、刑務所に入っていた三好万亀夫(菅原文太さん)が出てくるんですけど、山守組は大きくなってたと。

そんな中、山守組若頭、青木組の青木尚武(若山富三郎さん)が非常に野心家で、明らかに山守のおやっさんをはずして自分がトップになりたい気配なんですね。

 

オリジナル5部作の1作目で描かれた通りに、三好も別にもう山守のおやっさんにそこまで忠誠を誓う気もなさそうですが、かといって青木とつるんでどうこうする気もなさそう。

 

そこらへんが私には難しいのですが、それぞれの思惑を含みつつ、仁義なき権力闘争が勃発し、誰しもが安全地帯にはいられない状況に陥っていくと、まあ、そんな感じではないかと思います。

 

 

 

オリジナル5部作を踏襲し、群像劇の趣もありつつ、しかし、『新仁義』では特に三好、青木、そして山守のおやっさんの動向が主だったのではないでしょうか。

 

新キャラの青木尚武ですが若山富三郎さんが、なんかもう、服を着たアザラシはてなマーク

非常にムクムクした感じですよね。

しかし可愛さは足りない。

ってゆうか怖い。

でも体型はアザラシ、そういったところでしょうか。

 

なんかアレですね、『南極物語』(1983年)で若山富三郎さんが南極で腹ばいになってたらタロやジロも襲ったんでしょうね。

 

それはどうでもいいんですけど、弟さんの勝新太郎さんもムクムク系ですのでやっぱりそうなんでしょうね。

 

若山富三郎さんの作品は私はあまり観てないのですが、『大霊界 死んだらどうなる』(1989)での最初に霊界のことをいろいろ説明してくれる神様が印象的です。

皆さんも来られたばかりでまだ驚かれてることでしょう。皆さんが今いらっしゃるのは・・・」とかそういった感じですね。

 

あ、そういえば丹波哲郎さん、オリジナル5部作の幾つかに出てられましたね・・・セリフはなかったけど。

 

そして、名作『ブラック・レイン』(1989年)では急に英語を話す親分・菅井さん、こちらはもっと印象的で、「そんなことお前、日本中の親分衆が承知すると思うとるんけえ。あはてなマークお前歳なんぼえはてなマークもうちっとは長生きしたいんと違うんかい」ってセリフとかね、覚えてますね。

 

しかし、お年を召されたからか、この頃はアザラシ度が下がってましたね。

 

あと、調べたんですけど2作、観てました。

それだけですねm(_ _)m

 

それはともかく、小林旭さんが出なくなった『新仁義』ですが、その寂しさを埋めて余りある若山富三郎さんでした。

やっぱり何か凄い。

睨みの効かせ方がね・・・あからさまなのでそこに笑いもあるんですが、何かオーラが漂うんですよね。

 

で、睨まれたり怒鳴られたりしてるのが田中邦衛さんで、それがまた面白いのですが、田中邦衛さん演じる坂上がこん回はやるかと思ってると・・・やっぱりそこまでの人ではない(;´∀`)

 

で、ウェブで調べさせてもろたら青木尚武は、1作目の「坂井鉄也」(松方弘樹さん)と同じ人物と考えていいんですか~。

いや~、それは映画を観ているだけでは気づきませんでした。

 

それにいろいろ変わってるので、同一人物とは言いにくいんじゃないですか。

しかし、私には坂井鉄也よりも青木尚武の方が魅力的に思えました。

 

 

 

別の意味で怖い人がまた出てくるんですけど、宍戸錠さん演じるはっちゃんが・・・病いで精神にも異常をきたしてるらしく、組のお荷物っぽい存在なんですけど、そんな人を連れてきて習慣で人を殺させようとしてるのがホントに怖い。

心を病んでいても人殺しは上手いとかだったら、もうちょっと映画的な存在になったんでしょうけど、じゃあ活躍するのかといったら変にあっさりと消えてしまうので、そこのいかにもありそうに思えてイヤ~な気分になりました(  ›_‹  )

 

 

 

日韓関係や民族問題に敏感な私には気になる要素もありました。

 

名古屋にいた三好万亀夫が男女の仲になる中野恵子(池玲子さん)は朝鮮キャバレーのホステスで、朝鮮キャバレー自体は詳しく説明されません。

在日コリアンの店と考えていいんでしょうけれど、あえて朝鮮キャバレーとセリフに出てくるので、気になりました。

当時はその名称が一般にも知られていたのでしょうか。

 

中野恵子は韓国、もしくは北朝鮮からやって来たのか、それとも日本で生まれたのか・・・言葉に訛りがないので日本生まれ、もしくは小さい時から日本で暮らしていたんでしょう。

 

三好は卑怯なことに女連れならば狙撃されないと考えて恵子を連れて青木組を訪ねたんですけど、恵子はそれに気づき、三好を激怒して非難しましたね。

 

私の知らない言い方だったんですけど、かなりどぎつい言葉も三好の口から出たんだと思います。

 

そのことについて書きたいわけじゃないんだけど、そういった場面を観た当時の観客、そして今もこの映画を観る人たちはどう見た、もしくは見るのだろうか。

そのことを知りたいと思いました。

 

また深作監督筆頭に作り手側の考えもですね。

 

深作監督は、しかし、きっと思慮深く考えて映画にされてると思います。

考えに考え抜かれて。

また、現実を映画にしたのなら、それは意味のあることかもしれません。

映画は真実を知る手掛かりになりますものね。

 

でも、この恵子に関係するエピソードについては、そこまで深く描いておられないように思いました。

なぜ恵子が朝鮮バーのホステスなのか、理由はあったのだろうか。

もしかすると、三好と恵子のような関係が現実にあって、それに脚本家の方が着想されたのではないかな。

 

「朝鮮も日本も関係なか」と三好は言ったと思います。

この映画の中の三好と恵子の関係について言えば、三好の心に差別はなかったように思いますし、自分が危険の中にいると考えるまで恵子も幸せそうでした。

 

私が気になるのは、この映画を観た人たちの感想です。

この場面を下世話な話題にするのなら、この映画をあんまり観てほしくないなあ・・・。

 

映画のご感想、必ずしも楽しいだけではない。

 

 

 

他のキャストとしては海津組の海津卯之吉役を安藤昇さんが演じられてますが、安藤昇さんは本当に元・任侠だった方なんですね。

でも、海津親分のような方がおられても、抗争って収まらないものなんでしょうか。

海津親分にとっても困ることだと思うんですが。

 

安藤昇さんの映画は他に1作、高倉健さんと勝新太郎さん主演の『無宿 やどなし』(1974年)だけ観てます。

 

そして抗争の中で自分の息子が命を落としたお母さんの役で菅井きんさんも出てられました。

このお母さんが空気を読まないとゆうか怖いもの知らずで、酔って青木組に乗り込んでお金を要求するんですよね~。

そんなんやばいと思うんですけど、山守のおやっさんがなぜかそこでも嘘泣きして、結果、庇う形なのかな。

 

この『新仁義』では山守のおやっさんたちによる嘘泣きが炸裂しまくりですね。

 

 

 

当たり前のことですけど、大勢の俳優さんたちが出てこられますし、この映画のあと、もっと有名になった方もおられるので、それが1974年の映画を観る楽しみでもありました。

 

菅井きんさんの場面も素晴らしかったです。

 

 

 

ラストについては、私はオリジナル5部作の特に『頂上決戦』(1974年)や『完結編』(1974年)くらいの感動はなかったです。

なんか最後、ちょっとホラーっぽくないですか。

な、ん、で、白昼堂々、警察は騒いでるだけで殺人を見逃してるの~、逮捕しようとしないの~はてなマーク

だから最後のあの人、幽霊じゃないかと思ってしまうんですよね~。

 

 

 

でも、結論としてこの『新仁義なき戦い』もとても面白かったです。

 

やっぱり若山富三郎さんが魅力的でした。

若山富三郎さんと菅原文太さんのバトルが大きいですよね~。

 

若山富三郎さんの映画ももっと観たいですよ。

 

 

 

それで、次の『新仁義なき戦い 組長の首』(1975年)はもう観てます、とっくに。

この次、感想を書かせていただきたいと思います。

 

そして、『新仁義なき戦い 組長最後の日(1976年)、『その後の仁義なき戦い』(1979年)をすぐに観ることになりますね。

少しずつですが観ていってますので、『仁義なき戦い』のファンの皆様、よろしくお願い致します。

 

今日も読んでください、ありがとうでした~☆⌒(*^-゜)v

 

 

 



新仁義なき戦い
New Battles Without Honor and Humanity
신 의리없는 전쟁
新無仁義之戰


1974年製作/98分/日本
劇場公開日:1974年12月28日
配給:東映

スタッフ・キャスト

監督
深作欣二
脚本
神波史男 荒井美三雄
原作
飯干晃一
企画
日下部五朗
撮影
吉田貞次
美術
雨森義允
音楽
津島利章
録音
溝口正義
照明
中山治雄
編集
宮本信太郎
助監督
藤原敏之
スチール
中山健司

菅原文太 - 三好万亀夫
金子信雄 - 山守義雄
中谷一郎 - 難波茂春
田中邦衛 - 坂上元
宍戸錠 - 橋八郎
八名信夫 - 工藤進
睦五郎 - 占部哲男
佐藤京一 - 大石
誠直也 - 東尾
渡瀬恒彦 - 北見登
司裕介 - 風間
奈辺悟 - 金子
広瀬義宣 - 落合
安藤昇 - 海津卯之吉
守田学哉 - 天野秀造
内田朝雄 - 緒方正義
名和宏 - 緒方正範
秋山勝俊 - 緒方組若衆
汐路章 - 緒方組若衆
室田日出男 - 野崎満州男
松方弘樹 - 関勝
西田良 - 安本金悟
志賀勝 - 笹本
川谷拓三 - 玉井
成瀬正孝 - 鈴木
片桐竜次 - 上田
中原早苗 - 山守利香
松尾和子 - 青木文子
池玲子 - 中野恵子
橘麻紀 - 富田幸枝
小泉洋子 - 由美
中村錦司 - 前田久雄
山城新伍 - 山守健一
宮城幸生 - 根岸
若山富三郎 - 青木尚武

(映画.com)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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