韓国映画 取り戻せない 失われた真実 2010年 | Asian Film Foundation 聖なる館で逢いましょう

Asian Film Foundation 聖なる館で逢いましょう

アジア映画に詳しくなかった私がアジア映画を観てます♪
ネタバレはできるだけ避けております…(ㆆᴗㆆ)*✲゚*。⋆

 

 

 

アンニョン(^-^)ノ

3月もありがとうでした。

4月もよろしくお願いします。

 

 

 

志村けんさん・・・韓国や台湾などアジア中で高い人気を誇ることを知り、私の中でも再評価って気持ちだったんですが・・・ビックリしました。

何と書けば・・・何も書けません。

 

 

 

うちのブログは、できるだけ後ろ向きなこと、否定的なことは書かない、映画とか以外の、時事ネタ的なことも書かない、当然、自分がよく知らないことを憶測だけで書かないって、そんな感じの漠然とではあるけど、方針でやってます。

もともと、ちょっとあまのじゃくな性格なので、変なことを書き始めると、きっと人がイヤ~な気分になってしまうと思うので、だから映画について楽しく書くよう心がけてます。

 

でも、今はほんとに世界中、大変な時期だと思います。

ここまでのことは私の人生でも滅多になかったことです。

 

ですから私も新型コロナウイルス感染症について何か書くべきかもしれないし、もっと深刻な感じで書いた方がいいのかもしれないと、悩みもしました。

 

書かないって選択もあるけど、でも、よく考えたら、ブログは家にこもってても書けるし、読んでもらえるし、そういった意味では今でも、いつも通り、続けてていいと思いました。

だから、ブログはいつも通り書くことにします。

 

現実はやっぱり厳しいし、恐ろしいですね。

町から人が減りました。

 

でも、それでも仕事に行かないと仕方がない人が多いと思うんですよね。

今回の事態を早く終わらせるのに、みんなが家から出ないで移動しない、お互いに会わないってやり方が一番いいんだろうけど、それは実際の話、無理だと思いますよ。

 

だから、やっぱりそこまでは徹底できないと思うけど・・・どうすればいいんでしょうね。

 

映画館に行ってきましたが、映画館の人も頑張って働いてはりました。

映画館を閉めなさいって、やっぱり酷ですよ。

お客さんも来てくれてるんだし。

それはどこでも一緒。

 

とにかく私もマスク、消毒、手洗いだけは徹底して、世界をおおうこの悪夢が早く終わることを願ってます。

ホントに、誰だって感染りたくないし、感染したくないのはおんなじ。

 

 

 

そんな折に書きにくいけど、『パラサイト 半地下の家族』(2019年)、4回目、行ってきましたよ。
お客さん、多かったです。
驚きました。
春休みだからか、高校生、大学生くらいの人たちが多いんですよね。
私もさすがに4回目になると後半も少しは慣れましたけど、最後の方の数分間は今だにきっついです。
5回目、6回目はわかりませんが、まあ、さすがに劇場には行かないでしょう。

いつ発売されるのかは知らないけど、ブルーレイが出たら一番高いのを買うからね!!

 

 

 

 

 

 

 

3月22日、この作品を観ました・・・カチンコ

 

 

 

 

 

取り戻せない 失われた真実

 

 

 

 

 

 

 

 


 

キム・テウさんとイ・ジョンジンが主演するサスペンス映画。

90分足らずの短い作品です。

 

作品の存在自体は前から知ってたけど、なんか地味に感じるイメージから、観るのが後回しになってた作品です。

 

でも、ホント、日本で観れる韓国映画を全部観る気なら、もうちょっと早く観ていった方がいいんですけどねー。

 

 

ミリム花園を営んでいる平凡なお父さん、ノ・チュンシク(キム・テウ)は一人娘のミリム(チョ・ミナ)を大切に育てていた。

 

チュンシクの心配は可愛いミリムが早く大人になってしまい、お嫁に行ってしまうこと・・・それほどの溺愛ぶりだった。

 

 

しかし、そんなミリムがある日、行方不明になってしまう。
半狂乱になって探すチュンシク。

 

 

少女の失踪事件を担当するのはチョンス警察署のペク・ヨングォン班長(チョン・インギ)。

 

しかしミリムは見つからず、時が経つにつれて、警察の人たちも、何度もやって来ては捜索をせき立てるチュンシクのことが煩わしくなってくる。

 

刑事を演じるチョン・インギさんを何度観てきたことか・・・でも、何度見ても見あきない。

私が最初に意識したのは『チェイサー』(2008年)の〝ギル先輩〟だったと思いますが、『取り戻せない』でも、刑事って仕事を続けてきて疲れたような、いかにもいそうな刑事さんを演じるチョン・インギさんが満喫できますね。

 

ところが先月、村にある家族が引っ越してきてたんですが、その家の息子、ユ・セジン(イ・ジョンジン)には児童性犯罪の前科があった。

ぺク班長の部下のムン・ソンジュン(ペ・ホグン)は、つい、そのことをチュンシクにもらしてしまう。

 

セジンはもの静かで陰気な青年で、貸自転車屋を細々と営んでいたが、ミリムも彼の店で自転車を借りたことがあった。

チュンシクはその時、幸福の木の鉢植えをセジンにあげたことを思い出す。

 

ぺク班長はセジンのところに話を聞きに行く。

そこへチュンシクもついてきてしまい、セジンが犯人だとの確証もないのに、詰め寄ってしまう。

 

セジンは母のグムジャ(キム・チャンスク)、そして妹との3人暮らしで、妹のイニ(イム・ソンオン)は幼稚園の先生をしていた。

 

チュンシクは警察署からセジンの「再犯防止 観察記録」を持ち出し、それを大量にコピーして村中に貼りまくってしまう。

 

そのことでセジンは過去の犯罪歴を知られ、村の人たちは彼を怖がり、避けるようになる。

 

婦人会の会員たちはセジンの家を訪れ、セジンの一家に村から出て行ってもらいたいとまで言う。

 

セジンの家族はこれまで度々引っ越してきたのだが問題は解決しなかった。

引っ越そうかと言う母親に、妹のイニは反対する。

 

そしてセジンが飼っていた白い犬が殺されてしまう。

 

犬のむくろを道端に埋めようとしていたセジンだが、そのこともまた通報されるのだった。

 

 

挙げ句の果て、ミリムは遺体で発見された。

 

嘆き悲しむチュンシクの怒りの矛先はセジンに向かうが、ぺク班長が必死に制止し、セジンは逃げ去った。

 

 

ぺク班長は遺体発見の現場近くに目撃者がいないか、別荘に来ていた画家のキム教授(オ・グァンロク)のところへ聞き込みに行く。

 

セジンが犯人なのか、そうではないのか――。

 

 

物語は被害者の父親、チュンシクと、そして最も疑わしい人物、セジンの両者を中心に進んでます。

 

最愛の娘が行方不明になったのだから父親の悲しみ、苦しみは耐え難いものです。

そういった被害者側の心境を真に迫って描くのは韓国映画の得意とすることですよね。

 

ミリムを誘拐した犯人だと疑われるセジンは、過去に犯した犯罪もあって、無口で暗い人物。

チュンシクは彼を犯人だと思うようになっていきますが、村の人たちもです。

 

セジンの妹は勤めていた幼稚園をやめてほしいと園長先生から告げられます。

 

前科のある人と、その家族のことも生々しく描かれてると思いました。

 

 

韓国語の原題、『돌이킬 수 없는』は訳すと「取り返しのつかない」で、これはギャスパー・ノエ監督の『アレックス』(2002年)やクレール・ドニ監督の『バスターズ 悪い奴ほどよく眠る』(2013年)の韓国題と同じみたいです。

なるほどとか思いますが、私は2013年の『バスターズ』を観てません。

 

ネタバレ・・・爆弾

 

ポン・ジュノ監督の『母なる証明』が2009年、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の『プリズナーズ』が2013年ですか。

2010年の『取り戻せない』は、『母なる証明』よりも『プリズナーズ』の方によく似ていると思いました。

 

怖さは『プリズナーズ』の方が上に思ったけど、映画としての真剣さは同じくらいですね。

 

結末を迎え、真相が判明する時、なんともやりきれない気分になるんですが、私はチュンシクの方を非難する気持ちになってました。

でも、子どもが行方不明になった親御さんの気持ちもわかるんです。

 

だからやっぱり、これはホントに取り返しのつかない、悲惨な物語だったと思います。

 

なぜセジンは真相を話さなかったのかはてなマーク

疑問も残りました。

言っても簡単に信じてもらえなかったかもしれないけど・・・言わなければもっと悪い方に行くとは思わなかったのかなあ。

 

でも、セジンは前科のある人として、ある種の絶望を感じ続けてきたのかもしれません。

 

いや、ホントにこの映画を観終えて、ネットとかでも平気でデマとか流して、先入観で他人を決めつけるような人間に対して無性に腹が立ちましたよ。

そうゆう人って、知っててやってるでしょ。

嘘を使ってでも、自分が気に食わない人を貶めたいとかさあ・・・そうゆう言葉とかをいっぱい見てきたから、ネットってホントに人間の心の汚いのが出てる。

 

デマとか流して人を批判してたヤツなんて、向こう20年くらいネットを使わせないでいいと思うけど、またそんなルールを作ったら、政治家に悪用されそうですしね・・・ホントに不公正でイヤな社会です。

 

映画的に、それこそ警察のやり方が後手後手になってるように思えてイラっときましたし、解剖の結果が出るのもやたら遅いように思いましたが、物語の作りの上で、どうしてもそうせざるをえなかったんでしょうね。

そうでないと、この物語は伝わらないと・・・そう思いますし、だから警察の無能さも仕方がないし、この話はこれでいいんだと思いました。

 

これでいいんだと言ったって、結末に納得したわけではないけど・・・。

 

でも、韓国映画が、こうして簡単に割りきれない結末にする時、凄いなあと思いますけどね。

不満やモヤモヤが強く心に残る時、私は逆にいい映画を観たなあと思ってます。

 

映画を観てると、韓国って日本よりも進んだ国なんじゃないかと思う。

 

こうだからこうです、みたいにありきたりな答えを用意せず、ずっとあとを引いて考えさせる最後を持ってこられるから、その方がありがたく思えます。

 

 

重いし、暗いので観てて気も沈むんですが、俳優さんたちはみんな良かったですよね。

 

やっぱりキム・テウさんはさすがだと思いましたよ。

 

キム・ギドク監督の『嘆きのピエタ』(2012年)での演技が有名なんでしょうけど、私はイ・ジョンジンの出演した映画は『マルチュク青春通り』(2004年)と『トラブルシューター 解決士』(2010年)しか観てないんですよ。

ソル・ギョングと共演した『トラブルシューター』の〝ライトニング〟役が好きですね。

セジンの役は〝ライトニング〟とはぜんぜん違うので、ああ、こんな顔もしはるんやなぁ、と思いました。

ぶっちゃけ、悲しかったですけどねー。

 

 

 

 

オ・グァンロクさん演じるキム教授の最後の方のセリフ、「勘で犯人を捕まえるつもりですか」・・・なぜかひどく印象的です。

オ・グァンロクさんの声と、キム教授のキャラのせいでしょうけどね・・・いや~、これは伝えにくい(^_^;)

なんしか、私の好きな数秒間でした。

 

この映画、どの人にも子どもがいるので、少なくない子役が出てきますが、他の映画で見たことのある子もいましたよ。

 

 

韓国には優れた映画監督が多いですねー。

パク・スヨン監督の作品で、日本でDVDが出てるのは、この『取り戻せない』1作みたいです。

他の作品も観たいですけどね。

 

私としては、まんまと監督たちに騙されてましたよ。

いろいろ考えてたんですけどね。

 

いや、ホントに自分も気をつけないとダメだと思いました。

 

『取り戻せない』、素晴らしい映画でした。

 

まだ観てない人は是非。

 

でわ、最後までありがとうです、アンニョン~(^.^/)))

 

 

取り戻せない 失われた真実
原題:돌이킬 수 없는 / 돌이킬 수 없는
英語題:No Doubt


(2010年、韓国映画、90分、日本版DVD:88分)


監督:パク・スヨン
脚本:アン・スンファン
助監督:イ・スンジュン
撮影:チェ・ユンマン
照明:イム・ジェヨン
音楽:チョン・ジェファン
美術:ペク・キョンイン
武術:キム・ビョンオ

出演
キム・テウ → ノ・チュンシク ミリム花園
イ・ジョンジン → ユ・セジン 貸し自転車店
チョン・インギ → ペク・ヨングォン 班長刑事 チョンス警察署
キム・チャンスク → セジンの母 チョン・グムジャ
イム・ソンオン → ユ・イニ セジンの妹 幼稚園の先生
ペ・ホグン → ムン・ソンジュン 刑事
チェ・ジョンウ → ソンシクの父 弁護士
イ・ドユン → ソンシクの母
キム・ギョンイク → ウネの父
チャン・ソイ → ウネの母
パク・イルモク → チョ運転手 バス会社
パク・チェヒョン → 解剖検査医
キム・ヨンソン → ペク・ヨングォンの妻
パク・チヨン → 経理 バス会社
キム・ゲソン → 婦女会員
ソン・ヒョク → 貨物運転手
ハル → モデル
ユン・ヨンジュン → 容疑者
チョン・セヒョン → 同僚刑事1
ソ・ボイク → 同僚刑事2
チョン・ジェファン(音楽) → 引越荷物職員1
イ・スンピョ → 引越荷物職員2
ホン・ギソク(演出部) → 警察1
チョ・ウンビン → 警察2
ペ・ソニョン → 患者

子役
チョ・ミナ → ノ・ミリム チュンシクの娘
ファン・ジョンウォン → ウネ 女の子
チョ・サンヨン → トンギュ キム教授の息子
キム・ヒョヌ → ソンシク
チョン・ボグン → トジン ペク・ヨングォンの息子
チョン・ヒソン → ユジン ペク・ヨングォンの娘

特別出演
オ・グァンロク → キム教授 画家
キム・ビョンチュン → バスの運転手
イ・ヒョンジョン → 幼稚園長

 

※ 輝国山人の韓国映画様から転載させていただいてます。