イ・チャンドン監督特集 ペパーミント・キャンディー 1999年 上映中 | Asian Film Foundation 聖なる館で逢いましょう

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アジア映画に詳しくなかった私がアジア映画を観てます♪
ネタバレはできるだけ避けております…(ㆆᴗㆆ)*✲゚*。⋆

 

 

 

大韓民国で発生した大規模山火事に際し

被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げます。

 

韓国語に翻訳しようかと思いましたけど、変な文章になってはダメなので・・・汗

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、この映画を観てまいりました映画キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ電車

 

 

 

 

 

ペパーミント・キャンディー

 

 

ペパーミント・キャンディー

原題:박하사탕
英語題:Peppermint Candy


(1999年、韓国・日本合作映画、130分)


監督・原作・脚本:イ・チャンドン
製作:ミョン・ゲナム、上田信
助監督:ピョン・スンウク、ホン・ヒョンギ
撮影:キム・ヒョング
照明:イ・ガンサン
美術:パク・イルヒョン
編集:キム・ヒョン
音楽:イ・ジェジン


出演:ソル・ギョング、ムン・ソリ、キム・ヨジン、パク・セボム、ソ・ジョン、コ・ソヒ、パク・チヨン、イ・デヨン、キム・ギョンイク、チョン・ウヒョク ほか

 

 

イ・チャンドン監督特集

(株式会社twin ツイン)

 

 

初めて観たとき、素晴らしい映画だと思った。それからしばらくたっている今、本当に素晴らしい映画を観たと思っている。

――アッバス・キアロスタミ監督

 

イ・チャンドン監督伝説の傑作 『ペパーミント・キャンディー』 予告編

 

 

今、調べて少し驚いたのですが、私はこの3月には、劇場で映画を1作品も観ていませんでした。

 

2月末に『金子文子と朴烈(パクヨル)』(2017年)を観て、(これが素晴らしい傑作だったこともあり)それから後、劇場で映画を観たい気持ちが、下がりました。時間、お金、などなど、様々なこともありますが・・・観ようかどうしようか考えていた幾つかの作品も断念しました。

 

と、言って、映画を観たくなくなったわけではなく、3月もDVDはたくさん借りさせてもらって、観ております。香港~中国映画が多くなったと思いますが、その観た作品はブログで感想を書かせてもらいました。

 

特に趣味のない、贅沢を慎み、節約が信条の私ですので、せめて韓国映画を劇場で観て、映画を応援したい ―― とは思ったのですが、観逃した作品については、きっと後になって悔やむことになるかもしれません。

 

私の両親は映画ファンですが、私はそうではありません。ある時期、よく映画を観ていたこともありますが、これまでの人生を通じて映画に魅了されてきたわけではありませんし、今もそうかもしれません。

 

でも ―― 韓国映画のファンではあるでしょう、きっと(;´∀`)

 

*

 

イ・チャンドン監督の2作品・・・

ペパーミント・キャンディー 4Kレストア・デジタルリマスター版』 

オアシス HD デジタルリマスター版』

それらの映画が再上映されると知って、まず「観てみたい」と思いましたが、公開が始まってもどうしようか迷っていました。

劇場で私が観る理由が本当にあるのかどうか・・・。

 

私は映画ファンではないかもしれません。

たとえそれが歴史的な大傑作であっても、観たいと思えないと観ることはないでしょう。実際、今現在、複数の「歴史的な大傑作」が日本の劇場で上映されていますが、今のところ、私は観ておきたいと考えていません(いつかは観たいと思いますが)。

 

そんな中で、20年前に撮影され、2000年の1月1日から韓国で上映が開始された『ペパーミント・キャンディー』の、製作20周年を記念した日本での再上映。

私はこれまでに3度、すでにこの作品を観ています。DVDは持ってません。レンタルDVDさんで借りて観たんです。

とにかく、私にとってすでに観ている映画を、またお金を払って観に行くことは、躊躇させられることです。1800円、1500円、1000円、金額はともかく、やっぱり安いものではない。

 

まあ、私の考え方だったらやめておくでしょう。

しかし、今回は違いました。やはり観たくなったんですよ。

 ―― だから、観に行きました。

 

*

 

観る必要があるのか、理由はあるのか ―― ありましたよ。

 

観始めてすぐ ―― きっとそうだろうなあ、とは思っていたけど ―― 私の記憶力は確かでした。かなり細部に至るまでよく覚えていました。観終えてから何度も何度もこの映画のことを思い出していましたし、また私なりに考えてもいましたから。

 

しかし、少し前めの5列目で観てたんですが、やはりスクリーンで観る『ペパーミント・キャンディー』は凄かった。

ああ、イ・チャンドン監督の傑作を観ているんだ、と思いました。

 

そして、また新たに気づいたこともたくさんありました。

一番は、あの俳優さんがこの場面で出てるのか、とかで、刑事の役でコン・ヒョンジンやチ・デハンが出てるのを見つけたり、ムン・ソリはもちろんのこと、キム・ヨジン、ソ・ジョン、コ・ソヒと、この映画の女優さんは韓国映画の中でも特に個性の強い人たちだなあ、とか。

 

また、この映画は一人の男の20年を追う物語なんだけど、その時間、時間でのかかわり合いがさらに明確に理解できたような気がしました。

 

それで、観終えた時、この映画の私の感想が、変わったように思えました。

最初に観た時、あまり好きではなかった。

なんだか、苦しかったし、悲しかった。

この映画の中に私は自分で教訓を見いだして、人生はけっして後戻りはできない、一方通行な線路なんだから、後悔しないよう大事に生きよう・・・もっと言えば、どう生きてもけっして過去には帰れないのだから、といったネガティブな思いにとらわれて、それがイヤだった。

誰だって、人生の怖さに直面するのは好きではないと思うのだけど。

 

しかし、映画館で観てて、今回は少し違って、もっと肯定的な、優しい気分になれた気がしていた。

一つには、キム・ヨンホ(ソル・ギョング)が経験する残酷な時間を私はすでに知っていたからだと思う。

何が起こるのか知っていたので。

もちろん、ラストも知って観ています。

だから、そうゆう観方になったんだと思う。

 

少なくとも絶対に、ラストの観え方が違ってました。

私は、キム・ヨンホは、スニム(ムン・ソリ)に抱いた感情を最後まで忘れなかった(から、最後にあの場所を目指し、あの歌を歌った)のだから、それでいいじゃないか、と新しく思ってました。

 

最近、悪夢 ―― とゆうか、それは起きている時にも感じるんだけど、自分の今の毎日の終わりばかり考えてます。ずっとは続かない、それは知ってます。知っているつもりですが、けど、そうだと思いたくはないですし、どうかしたら考えるのもイヤで、ずっと続いてほしいから、どうしたらいいのか、とか考える。

それには、さあ、自分が学者になって、同じ一日を永遠に繰り返すことができる研究でもするか、それこそ、神さん仏さんに拝むか ―― と考えつつ、それは不可能だろうと、やはり思うしかないんですよね。

人生、別に観衆が待つゴールを目指して生きて、最後に完成してご褒美が出て終わり ―― ではないから、どない生きてお金を溜め込んで大きな仕事をして自己満足して人が羨む暮らしを満喫してもしょうもない。じゃあ何のために生きて、喜びや幸せを望むのか(時には人を不幸に蹴落とし、それを嬉しく思いながら)。

それなのに、今の毎日がずっと続いてほしいと思いつめもする。

 

そして、過去に戻って自分の悔いを晴らしたい。

その後悔や悔いからは一生、逃れられないでしょう。

いつも、一緒に暮らした犬の顔が目に浮かびます。

もう一度、会いたい、と。

あの日に帰りたい、と。

 

『ペパーミント・キャンディー』はそれができないことの映画だけれど、しかし、それでも・・・。

 

私には上手く書けません。

書きましたが、消しましたよ、無理ですね。

 

軍靴に踏まれたハッカ飴、汚れが落ちない手・・・。

 

病院でスニムの目からあふれた一粒の涙が、それをヨンホは目にしてなかったかもしれないけど・・・やはり書けませんね、すんません。

 

まあ、無理に書くことないんじゃないですかね。

どうですか。

 

バーニング 劇場版』(2018年)を観て、謎がいっぱい残りましたが、『ペパーミント・キャンディー』にもありましたよ、謎。

私だけかもしれませんが・・・でも、その方がいい。

 

質屋でカメラをお金に替えた時、中に入ってたフィルムを見て、ヨンホは嗚咽しましたが、何が写ってたんでしょうか。

 

それにしても、やはりソル・ギョングは凄いなあ・・・別格ですよ。

 

*

 

一つ、まだ観ておられない方々に、僭越ながらアドバイスさせていただきますと、この映画は「韓国現代史を背景に1人の男性の20年間」を描く物語だけれど、私思うに韓国の歴史をそこまで知らなくっても大丈夫ですよ。

新らためて観ていてそう思いましたよ。

 

もちろん、知っていた方がそりゃあ深く理解もできますし、よくわかるとは思いますよ。

でも、知らなくっても、いろいろ映画を観てて、本とか読んでれば、予想がつくでしょう。

だから大丈夫だと思う。

いや、変に知ってるよりも本質に迫れるかもしれませんがな。

 

私自身も韓国の映画から得た知識しかないしね。

 

人は歴史に翻弄される、あるいは、その時の世相や国のあり方が、人々の人生に何らかの作用をするってことは、どの国でもあることでしょう。日本も一緒。

不景気には心が荒み、好景気には浮かれ、戦争で人は死に、軍事政権下では権力側にある者たちがのさばり、でもそれにも終わりがありまた別の時代が来る、とか、そんな感じで人間生きてれば、そんなものではないかな。

 

*

 

シネマート心斎橋さんは、上映時間もあるんでしょうけれど、やはり年配の方々が多かったけど、大学生くらいの人も少なくなかったですね。

大学生 ―― 二十歳前後の頃にこの映画を観ておくだなんて、なんて素敵な経験でしょ ―― 羨望ビックリマーク

 

*

 

イ・チャンドン監督のこの次の作品、『オアシス』も「HD デジタルリマスター版」として再上映がスタートしてます。

 

本当は私は『オアシス』の方が物語としては好きなのだ。

 

 

でも、『オアシス』はDVDを持っているし・・・あせる

まあ、観に行かないと思いますが、一概にそう言いきりたくない困った気持ちもあるんですよね~あせる

『オアシス』をシネマート心斎橋さんのスクリーンで観れたら・・・ビックリマーク

 

皆さんは是非、観に行ってください。

素晴らしい傑作です!!

 

*

 

『ペパーミント・キャンディー』については、うちのブログなんて読むに値しませんが、大勢の方々がそれぞれ、丁寧に書かれてます。

 

人様のブログなどを勝手にリンクすることはできませんが、できれば「ペパーミント・キャンディーの研究」をなさってる方のご解説を読まれることを強くオススメ致します。

 

*

 

私はまた『ペパーミント・キャンディー』を観れるのだろうかはてなマーク

 

それはわかりませんが、こうして一度でも劇場のスクリーンで観れて、だから大きな悔いは残らないと思いますが・・・どうなんでしょうね。

 

そういったわけで、書かせてもらいました。

読んでくださって、おおきに、ありがとうさんです。

 

次は『コンジアム』(2018年)について書かせてもらいましょうか。

書くのが難しそう・・・汗

 

でわ、でわ・・・アンニョン(^.^/)))

 

 

解説: 韓国現代史を背景に1人の男性の20年間を描き、韓国のアカデミー賞である大鐘賞映画祭で作品賞など主要5部門に輝いた人間ドラマ。「オアシス」「シークレット・サンシャイン」のイ・チャンドン監督が1999年に手がけた長編第2作。99年、春。仕事も家族も失い絶望の淵にいるキム・ヨンホは、旧友たちとのピクニックに場違いなスーツ姿で現れる。そこは、20年前に初恋の女性スニムと訪れた場所だった。線路の上に立ったヨンホが向かってくる電車に向かって「帰りたい!」と叫ぶと、彼の人生が巻き戻されていく。自ら崩壊させた妻ホンジャとの生活、惹かれ合いながらも結ばれなかったスニムへの愛、兵士として遭遇した光州事件。そしてヨンホの記憶の旅は、人生が最も美しく純粋だった20年前にたどり着く。2019年3月、イ・チャンドン監督の「バーニング 劇場版」公開にあわせて、4Kレストア・デジタルリマスター版が日本初公開。(映画.com

 

 

 

 

 

 

再上映に関連して、現在は廃盤のDVDも再発売されるとか、あるんでしょうか。

もしそうなら、欲しい人にはいいことですね。

こんなご時世ですので何でも値上げ、値上げですが、できたら廉価版で再発売してもらえると、ありがたいですね。

ブルーレイで、画質、音質などが向上して、映像特典なども収録されれば、ファンの方々はきっと買うことでしょう。

 

 

 

 

 

※ デジタルリマスター版ブルーレイ、発売されました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2001年に発売されたDVD

 

2004年に発売されたDVD