韓国映画 あいつの声(2007年) 殺人の疑惑(2013年) | Asian Film Foundation 聖なる館で逢いましょう

Asian Film Foundation 聖なる館で逢いましょう

アジア映画に詳しくなかった私がアジア映画を観てます♪
ネタバレはできるだけ避けております…(ㆆᴗㆆ)*✲゚*。⋆

 

 

アンニョンです(^-^)ノ

 

普段、日常生活の中、映画について考え

このブログにこう書いてやろ、ああ書いてやろと思ってるのに

いざパソコンの前に座ると、なぜか書けない私ですあせる

まあ、これもここ数年ですのでね、始めてからあせる

 

今日の記事は

1991年の1月に韓国、ソウルで発生した実際の事件を元に

作られた2本の映画についてです。

当時9歳だった少年が誘拐され

最終的に犯人が逮捕されなかった悲劇的な事件で

犯人が幾度も電話で連絡し、両親と警察を手玉に取ったことで

韓国でも人々の記憶に今も残る事件だそうです。

 

実際の事件についての映画ですので

私も、謙虚に、注意して書こうと思います。

 

 

 

 

 

あいつの声

 


 

あいつの声

原題:그놈 목소리
英語題:Voice of a Murderer


(2007年、韓国映画、122分)


監督・脚本:パク・チンピョ
音楽:イ・ビョンウ


出演:ソル・ギョング、キム・ナムジュ、キム・ヨンチョル、カン・ドンウォン、ソン・ヨンチャン、コ・スヒ、キム・グァンギュ、イ・ヒョンチョル、チョン・ヘジン、イム・ジョンユン、ナ・ムニ、チェ・ジョンユン、ユン・ジェムン、キム・ヨンピル、キム・ギソン、チョ・ソッキョン、パク・チヌ、パク・ヨンドゥ、キム・イクテ、ホン・ソギョン、チャン・ウォニョン、ユン・サンファ、キム・ドギュン、ユ・ジヨン、パク・ヒョニョン、ヤン・ヒョヌ ほか

 

【予告編】

 

 

【あらすじ】

 

ある夕暮れ時、テレビの有名なニュースキャスター

ハン・ギョンベ(ソル・ギョング)の9歳の息子サンウが誘拐され

誘拐犯から1億ウォンを要求する脅迫電話がかかってくる。

当初、警察の助けを借りずに解決しようとしたギョンベだが

妻オ・ジソン(キム・ナムジュ)が通報し

秘密捜査本部が設置される。

しかし犯人は夫婦や警察を小馬鹿にするように翻弄し

執拗な脅迫電話で夫婦を責め苛む。
唯一の手がかりは犯人の声・・・あいつの声だけだった。

 

 

私は去年の6月27日に観ました映画

 

韓国映画ファンの間では知られた映画でしょうし

ちょっとネタバレしながら書かせていただきます。

 

この映画のタイトルを知ってる方はご存知でしょうけど・・・

犯人役をカン・ドンウォンが演じてます。

そのことで有名な映画なのかもしれません。

 

ちょっと批判的な書き方になると思いますけど

犯人からの最初の電話から、どう聴いてもカン・ドンウォンの声あせる

そりゃそうですよ、カン・ドンウォンの映画を一作でも観てれば

彼の声は忘れようもないはず(;´∀`)

私も最初に『義兄弟 SECRET REUNION』(2010年)を観た時から

ドンくんの声が大好きでしたから。

 

ゆえに、この映画、ハッキリ言って

犯人からの電話の声には、ぜんぜん不気味さが感じられません。

だって電話口の向こうにいるのはドンくんだとしか思えないんだもん。

「得体の知れなさ」は皆無ですわ。

 

ドンくん・・・なぜ、この映画で姿を見せぬ犯人を演じたん・・・はてなマーク

いや、おそらく、自分が出ることで一人でも多くの人が観てくれれば

・・・そんなふうに切実に思ってのことだとは想像できますけど

お陰でこの映画から気味悪さ、おどろおどろしさが消えました汗

 

実力のある、しかも有名な俳優が出ることによって

犯罪映画にとっては逆効果になった、そんな稀有な例でございますダウン

いや、確かに私もドンくんとソル・ギョングの共演だと

そう思って観始めてるんやけど(´∀`*)

 

【追記(5月23日)】

念のため、ドンくんの演技力の話ではありません。

その特徴的な声に、どうしても顔が浮かんでしまう私の話ですあせる

もしも、これが初めて観るカン・ドンウォン出演作品だったら

話はぜんぜん違ってたことでしょう。

犯人役としてのドンくんの演技は完璧です。

それだけはお断りしておきます・・・(^┰^;)ゞ

【追記ここまで】

 

と、そんなふうに否定的に書いてしまいましたが

しかし、この映画は私が観た誘拐の映画としては

稀に見る圧倒的な傑作でしょう。

 

私には映画的なサービスの少ない、ただただ時間を追うごとに

希望が潰えていく悲観的で重苦し過ぎる作品だと思えましたが

だからこそ、誘拐の、犯罪の映画として誠実だと思いましたし

真摯な映画に徹していたと思います。

 

ソル・ギョング、キム・ナムジュの真実に裏づけられた名演技により

私たちは一人息子を誘拐された夫婦の

身を裂かれるような44日間を体験することになりますし

それが韓国映画の抜きん出た長所だといつも思わされますが

きれいごと抜きのギリギリの本音に人の苦しみを実感します。

 

ただ時間だけが過ぎ、事態が悪化していく焦燥から

不手際が目立つように感じる警察に対して怒りをぶつける・・・

そんな親御さんたちを非難することは私にはできません。

警察が限界まで必死に捜査に当たっていたとしても・・・。

 

繰り返しになりますが

この映画は私が観たシリアスな誘拐事件の映画作品の中でも

最も優れた作品でしょう。

(もちろんコミカルな誘拐映画はまた別ですが)

明晰な頭脳を持つヒーローが僅かなチャンスをモノにし

かろうじて紙一重で事件を解決に導いていく・・・

そんな楽天的な場面はついに最後まで観ることはできません。

 

ハッキリ言って落ち込みました。

でも、それが実際の犯罪なんでしょう。

落ち込まされたことが映画としての成功とゆうか。

 

心揺さぶられる映画的な場面としては、信仰心を失った

ソル・ギョング演じる父親が神に祈りながら走る場面でしょう。

私は落涙を抑えることができませんでした。

 

それでも一般的な「面白い犯罪映画」を望んで観る方々には

向いてない映画だ、と申し上げるしかありませんね。

 

映画を観終えても、感動の余韻など残りませんが

子どもたちが犯罪の犠牲にならないこと

それだけを強く強く願う気持ちが残ります。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、それから半年近く経って

今年、1月18日、この映画を観ましたカチンコ

 

 

 

 

 

殺人の疑惑

 

 

殺人の疑惑
原題:공범
英語題:Accomplices / Blood and Ties


(2013年、韓国映画、95分)


監督・脚本:クク・トンソク
音楽:パク・キホン(トゥーエム)


出演:ソン・イェジン、キム・ガプス、イム・ヒョンジュン、イ・ギュハン、チョ・アンキム・グァンギュ、ハ・ギョンミン、カン・シニル、ソ・ガプスク、パク・サラン、イム・ジョンユン、カン・イル、チェ・ウンソク、キム・ホスン、ユ・テソン、チョン・ジュニョク、ソン・ジョンウ、キム・テリ、オム・テオク、ユ・ヨンボク、ユ・スンヒ ほか

 

【予告編】

 

 

解説: 自分の父親が重大事件の犯人ではないかという疑いを抱き、真実を求めて動き出す女性の姿を、「私の頭の中の消しゴム」「四月の雪」のソン・イェジン主演で描いたサスペンスドラマ。15年前に韓国社会を揺るがした誘拐殺人事件の公訴時効が迫り、警察は情報提供を求めて犯人の声を公開。それを聞いたダウンは、犯人が父親スンマンではないかという疑いを抱く。これまでずっと自分を可愛がり、育ててくれた父親を信じたい一方で、疑念を払いきれないダウンは、父親の過去を調べ始め、明らかになっていく真実に次第に混乱していく。父親役に「KT」のキム・ガプス。(映画.com

 

 

この映画は『あいつの声』で描かれた事件の

その後、当時、解決することがなかった事件の時効が迫る中

ふと映画館で観た映画の最後で流れた「犯人の声」を聴き

それが父親の声に思えた女の子の心に広がる疑惑についての作品。

実際、ソン・イェジン演じる主人公、チョン・ダヨンが

友達と(お互いに好意を感じている)男子と映画館で

『あいつの声』と思しき映画を観る場面が前半にあります。

 

この記事、『あいつの声』と『殺人の疑惑』を併せて

記事を書こう、書こうと思ってるうちに、ちょっと時間が過ぎすぎて

『あいつの声』はDVDを買ったので観返すことができたけど

『殺人の疑惑』はレンタルして観てからそれっきりなので・・・

それなりに細かいこととかはかなり忘れてしまってるんだけど

若干、それほど、そこまでのインパクトはない映画だったように

私には思えました。

 

ただ、予想外の展開もあったし、私には意外に感じられた映画で

結末に関しては、何とも言えない複雑な気分になりましたね。

感動・・・ではないんだけど、ことの真相に関しては

そうあってほしくなかった、納得がいかないもので・・・でも

それからもうひとひねりあった時、そこに奇妙な情感がありました。

ラストについては今も忘れてないし、私は終わり方が好きです。

 

結末が不満だとゆうレビューを多く読みましたが

私はこうゆう結末の映画もそれはそれで観れて良かった。

 

ただ、誘拐についての映画としては

先日、このブログで書かさせてもらった

悪魔は誰だ』(2013年)の方が上だと思います。


 

ソン・イェジンは、この映画に出た時、すでに

めっちゃ若いってわけでもないんですが、私思うに

私が観たソン・イェジンの出演作の中で

一番、可愛かったぐらいとちゃうかと思いました。

お金に余裕がない役柄で、慎ましやかなんだけど

だから、可愛かったとゆうか。

ショーパンとかほんま似合うし。

そういえば『サメ~愛の黙示録~』(2013年)でも

ずーっと足出してたもんね・・・!!

 

で、お父さんがキム・ガプスさんで、ちょっとなんの仕事を

してはるのか、わかりにくいんですけど(配達??)

裕福ではない感じで、でも娘にはお金で困ってほしくなくって

娘の友達の前で、自分の見ためとかどこか気兼ねを感じてるようで

だから、せつなく感じるお父さんなんですね。

 

そんなお父さんが仕事中、見ず知らずのどっか女の子に

蔑まれてビンタされたりしてボロカス言われて

それでソン・イェジン、その子とケンカになるんですよね・・・。

珍しいですよねー、ギャーとか。

でも、その気持ち、よくわかります。

子どもからしたら父親がバカにされて罵られるなんて

耐えられないもの。

だから、世の中、やっぱり働いてる人に大声で怒鳴ったりは

ほんとに良くないよね・・・。

なんか今って、店側に不手際があったら大激怒して

注意してやるんだみたいな人いるけど、もうちょっと考えてほしいな。

 

私はこの映画

『殺人の疑惑』と「殺人の~」系のタイトルの映画として

(よく考えたら、「殺人」よりも「誘拐」でいってほしいんだけど)

サスペンスとか、それ系では何かが足りないと思えたけど

今、観てから5ヶ月経って、思い出すと

父と娘の映画としては、とても良かったと思う。

家族の映画だとしたら、韓国映画だから、こうゆう形でも

何らかのセンチメントがあるし、なぜか涙を誘われる。

俳優たちの演技もあったんかなあ・・・。

 

『殺人の疑惑』は映画としては面白かったけど

実際に起こった誘拐事件を題材にした映画作品としては

やはり面白くしたことで危機感が感じられなくなっていたし

観る側に訴えてくる必死の切実さも希薄に感じられました。

 

それが私が『あいつの声』と『殺人の疑惑』の両方を

観たあとで感じた、こういっていいのか、違和感です。


 

最近、犯罪についての映画を観ていると

面白かろうと、面白くなかろうと、こんなことを映画で観ていて

本当にいいのだろうかと、不安と罪悪感を感じます。

難しいところですが・・・時々、割りきれません。

今後、こういった映画について

皆さんに読んでもらうこのブログで

どこまで書いていけるのか、書いていけないのか。

 

いずれにせよ

こんな文を読んでくださる方がおられることに感謝しております。

ほんま、おおきに・・・キスマーク

 

でわ、またです、アンニョン~(^.^/)))

 

 

※ 2020年2月2日 画像を追加しました。