せつない系ホラー… 『死国』 1999年 | Asian Film Foundation 聖なる館で逢いましょう

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アジア映画に詳しくなかった私がアジア映画を観てます♪
ネタバレはできるだけ避けております…(ㆆᴗㆆ)*✲゚*。⋆

 

 

こんばんわ(^-^)ノ

 

今晩は世界中の映画ファンたちが

アカデミー賞の授賞式に注目してたでしょうけど

私は昨日の夜に観たホラー映画について書きます。

あ、私はケイト・ブランシェットがすごいと思いました。

もう二回目とか・・・さすが、ガラドリエル!!

 

 

 

さて・・・これは悲しい映画です・・・(ノ_-。)

 

 

 

 

 

この世で、いちばん死に近い場所。

お遍路、逆打ち、八十八ヶ所、結界、死者、そして…

 

 

 

 

 

死国

 

(1999年、日本、100分)

 


 

監督:長崎俊一

原作:坂東眞砂子

 

《出演》

明神比奈子(ひなちゃん) - 夏川結衣

秋沢文也(ふみやくん) - 筒井道隆

日浦莎代里(さよりちゃん) - 栗山千明

 

日浦照子 - 根岸季衣

仙頭直郎 - 佐藤允

日浦康鷹 - 大杉漣

 

〝あらすじ〟 

15年ぶりに四国の山村に帰省をした比奈子は、子どもの頃に仲の良かった莎代里が事故死したことを知る。同時期、莎代里の母・照子は四国八十八か所を逆に回る「逆打ち」を行って、娘を蘇らせようとしていた。比奈子は幼馴染で莎代里の恋人でもあった文也と、莎代里の死の真相、そして不可解な気配の理由を知ろうと過去を探り出すのだが――。

 

 

ええと・・・作品の感想とゆうか・・・

これは監督さんにゆうたらええのか?

それともカメラマンさんにゆうたらええのか?

ストーリーや演出とか音楽とか

そして配役や俳優さんの演技など

映画にまつわる全てが素晴らしいと思うのですが・・・

ただ一点だけ、私が非常に嫌いな点があるのです・・・。

それはカメラが固定されてないからか

後の方は問題ないんですけど

前半はすっごい画面がグラグラ揺れまくることです。

ちょっと最近、私もパソコンのやりすぎか何かで

目が疲れやすくなってるとこに加えて

この手持ちのカメラでグラグラゆさゆさやられると

車酔いと同じ症状にいっぺんになって

すぐ気持ち悪くなってしまって

映画を観るのも苦痛になってしまうんです。

だから臨場感を出そうとしてかなんかわかりませんけど

カメラは揺らさないでほしいです。

なんか日本の映画ばっかりこのカメラグラグラが多くて

正直・・・辛いです(ーー;)

もしもこれを作った人が読まはったら

気を悪くなさらないでほしいけど

少し、観る側の体調のことも

考慮していただきたいと思います

 

 

 

 

 

 

さて

 

のっけから否定的なことを書いてしまいましたが

それ以外のことは本当に素晴らしかったです。

始まってしばらくしたらドンドン引き込まれてしまって

最後までめっちゃ熱中して観まくってしまいましたよ!

ハッキリ言って、ホラー映画としては

そんなにめっちゃくちゃ怖いって映画じゃないです。

(もちろん、怖いのですが・・・)

 

 

 

 

 

 

ダウン爆弾ご注意!以下ネタバレです!爆弾ダウン

 

これは、ふたりの女とひとりの男の三角関係と

死んでなお強い「好き」を引きずった女の子の話。

 

 

 

16歳で亡くなった少女と

その後も生き、大人になった男女の

とても人間的な愛の話・・・。

 

主人公の比奈子はどうやら

今の恋人とは上手くいってないようで

小学校の時に離れた出身地の村に帰ってくる。

彼女の幼馴染の文也はおそらく初恋の女性を

高校生の時に失った経験があり

そのことで以後、深く女性を愛せないでいる。

そしてその、亡くなってしまった莎代里は

代々死者の霊を呼び出す口寄せの儀式を行う家系で

その儀式の最中に霊に取り付かれて死んだらしい・・・。

この3人は幼い頃、仲良しだったが

比奈子が帰ってき、そして莎代里の母・照子が

莎代里を蘇らせる「逆打ち」を行ったため

再会することとなるのである・・・。

 

とにかく素晴らしい作品なので

観てもらうのが一番なんだけど

あまりにも終わり方が素晴らしいので

少し語らせていただきますが

ま、いろいろあるんですが

比奈子が村に帰ってきてから

比奈子と文也は惹かれ合い

死んだはずの莎代里の気配がちらつく中

お互いの気持ちを確かめ合い

キスして、そして夜を共に過ごすんですが・・・

そのあと、莎代里の幽霊がふたりのもとに現れ

結果的に莎代里は肉体を持った存在として

蘇ることになる・・・。

そして3人は莎代里を蘇らせるために照子が

儀式を行っていた洞窟の前で対面する。

 

↓ここから後

観てない方は絶対に読まないでください!

 

 

文也くん

会いたかったがよ。

あの時のままで・・・戻ってきたき。

文也くん?

と、莎代里が呟くように言うと

 

いややき。と呆然とした文也くん。

 

ん?と莎代里。

 

いややき。文也くんが繰り返す。

 

文也と日菜子が思わず手を握る。

 

それを見た莎代里は

ひなちゃん、それでも文也くんを手に入れたつもり?

文也くん、ひなちゃんに同情しちゅうだけやき。

 

グズで、のろまな日菜子。

わたしの後を追い回しよったら

わたしのようになれると思いよったが?

一人じゃ何にもできんがやろ?

どうしたいのかも、わからんがやろ?

わたしは自分の力を信じちょった・・・。

 

 

すると

 

それが文也くんを苦しめたのよ。

ずぅっと苦しめてきたのよ。

と、今や恋のライバルとなった莎代里に

日菜子は張り合うように言った。

 

それに対して莎代里は

文也くんはずっと・・・何が欲しいかわかっちょった。

何がしたいかわかっちょった。

 

あなたは死んだのよ。

と、かつての友達に決別するように日菜子が言う。

 

それに莎代里は心に迫る言葉を返した。

死んだら、気持ちも死なんといかんが?
文也くんを好きやとゆう気持ちも

死なんといかんが?
二人で、村出よ。

そんな弱虫、ほっちょこ。

 

しかし、できん。と文也。

 

どうひて?と問う莎代里。

 

文也くん・・・と、文也の顔を見つめる日菜子。

 

見つめ返し、ひなちゃん・・・と呟く文也。

 

そして、ここで

思いがけないことが起こり・・・

莎代里は日菜子に近づきつつ・・・


あたし・・・あたし!・・・あたし・・・。

 

ある人物がここで登場し・・・

莎代里はこの世から返されることになる。

つい同じ夜に蘇った場所

その暗い洞窟の中の水の湧き出る池の中へ。

彼女はあがないつつ・・・

いやちや・・・いやちや!

 

某人物のセリフ

(死者がこの世に戻るようなことがあってはならん!

おまんはこの世のものじゃあないがやき・・・!)

 

あたしは、このまま生きちょったらいかんが?

生きられんが?

 

なんで・・・わたしだけが

大人になれんがったか?


 

文也君を愛したかった・・・。

大人になって・・・思い通りに生きたかった!

 

ひなちゃんが・・・羨ましいっちゃ。

 

そう言われた日菜子はただ一言

さゆりちゃん・・・とやっと呟く。

 

 

そして、私の心に最も響いた一言を

莎代里が口にする。

 

ひなちゃん・・・助けて・・・!!

 

かつて、川で溺れた時に助けた友達に

そして、今しがた

自分から最愛の人を奪おうとした憎い恋敵に対し

救いを求め・・・必死に・・・(私はここで泣いた)。

 

全てが終わろうとした時、日菜子は叫ぶ。

やめてーっ!!

 

 

そして夜が開けた次の日

日菜子だけが残り

全てが起こった故郷の山あいを

万感の思いを胸に見下ろす・・・。

 

あまりに素晴らしいラストだったので

思わずセリフをほとんど書き出してしまいました。

それほど、ここの3人の関係は感動的なものでした。

一人の少年を愛し16歳で死んだ莎代里。

莎代里の存在にとらわれつつ日菜子を愛そうとした文也。

そして文也を生者の世界に留めるため莎代里から引き離し

自分の愛を受け入れてほしいと願いつつ

莎代里のもとへ帰る文也を止めることはできなかった日菜子。

3人それぞれの気持ちを思えば、今も目頭が熱くなります・・・。

 

がw

 

よく考えたら、もう全部ネタバレで

一番書いたらアカンとこを全部書いてしまいました。

ほんま、すんません・・・(^_^;)

特に「ひなちゃん・・・助けて・・・!!」がね・・・

もう、それまでの展開からこのセリフが出てくると・・・

一人でまた黄泉の国へ帰らねばならない・・・

ついさっき、ひとりの男を取り合った女同士の中なのに

この世から消えようとしたその時、小学生の時に別れた

かつての友達に懇願するように・・・すがるように・・・

16歳で死んだ少女の言葉として

私は胸が張り裂けそうになりました。

 

しかし、結局、私の感想なんて

映画の前では芥子粒ほどのものです。

私がこの映画を観て感じた気持ちも

この映画の前では

人様にとってどうでもいいものでしょう・・・。

 

セリフが素晴らしかったので

原作を読みたくなりました。

いつか本当に読んでみたいです。

 

そして主演の3人

とりわけ15年前の栗山千明が素晴らしかった。

またお三方それぞれの主演作品を観てみたいです。

 

とゆうことで『死国』は素晴らしい傑作ホラーでした。

是非、観てください。

でわ(^.^/)))