君のいない迷路 234 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

インターホンが鳴る数分前

トニーからラインがあった

『3人に挨拶したいけど

 家に行っても大丈夫?』と

『いいよ』と返信した

 

玄関の扉を開けると

二人が笑みを浮かべて手を振った

 

「急にごめんね

 明日帰る友人に挨拶がしたくて」

 

言い出したのはトニーかな

律儀なところがあるから

 

「3人とも荷造りの最中だよ」

 

二人が顔を見合わせて

「グッドタイミング」だと笑って

 

「俺達からのお土産を渡したくて

 寄ったんだ

 長居はしないから大丈夫」

 

「お茶くらいは出すよ(笑)」

 

僕一人の考えで

夕飯は誘えない

それにトニーはそれを望んでない気がする

 

「お茶も要らないよ

 直ぐに帰るから」

 

ノアもそう言ってくれた

 

「トニー、ノア どうしたの?」

遅れてきた池田君が声を掛ける

 

「帰国する友人に挨拶に来たんだ

 それとお土産を渡したくてね」

 

トニーが笑顔で応えて

そのまま池田君とハグした

(いつの間にこんな仲良しになったんだろう)

そのままノアとハグするかと思ったら

握手してる ・・・

(やっぱり反りが合わないのかな?)

 

「それは嬉しいけど

 大きい物?」

 

さっきまで荷造りに四苦八苦してたから

心からの声だと思う

 

「そこまでは大きくないよ」

 

手で大きさを表してるけど

持ってる紙袋の数倍の大きさ

それだとスーツケースには入らない

 

「あはは ・・・ その大きさだと

 二人のスーツケースには入らないよ」

 

冗談を言い合えるほど

気を許せる間柄になったみたいで

ここは池田君に任せても良いと判断して

「二人にも知らせてくる」と断りを入れ

リビングに向かった

 

彼と内田に来たことを伝え

冷たい飲み物を用意する為

キッチンに移動

そのすぐ後

リビングから笑い声が聞こえて来た

 

最初、空港で会った時は

どうなる事かと焦ったけど

取り越し苦労だったとホッとしながら

聴こえてくる会話に笑ってしまう

 

「大野 ・・・ 大丈夫?」

 

池田君が様子を見に来てくれた

 

「大丈夫だよ

 冷たい物を用意してただけ」

 

二人分のアイスコーヒーを用意し

トレーに載せた

 

「夕食は誘わないよ

 その方が良いでしょ?」

 

「ああ、その方が良い ・・・

 それより ・・・」

 

言いにくそうに言葉を濁すノア

 

「それより?」

 

「ノアが ・・・

 明日、同じ便で日本に行くって言ってる

 トニーは知らなかったみたいだ」

 

困惑した表情を浮かべる

僕も寝耳に水で

きっと同じような顔をしてるはずだ

 

「はあ?

 何でノアが日本に?」

 

「急に思い立ったらしい

 泊まるのは東京だって ・・・」

 

「この前の話を

 早々に実行したって事?」

 

行動力が半端ないとは

思ってたけど

流石にこの展開は

想像してなかった

 

「そう言えばそんな話をしてたな

 でも、新しい作品の撮影を始めたって

 言ってたよな?」

 

「撮影を見に来ないかって話だったよね

 ただ ・・・ クリエイターは

 行き詰るときもあるから ・・」

 

まだ正式に決まっていない作品なら

途中で中断してもおかしくない

多分、この前の話は

それにあたると思う

 

「取り敢えず ・・・ 飲み物を持ってくよ」

 

ノアの意図が何処にあるのか

僕には分からないから

 

ずっと日本に行きたいと

言ってたから

このタイミングで決めたのかもしれないけど

 

「智、仁志

 ちょっといい?」

 

トニーが渋い顔をして

キッチンに入ってきた

 

 

 

 

 

 

<続きます>