君のいない迷路 222 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

部屋を出て行った池田君

中々戻って来ないから

彼も内田も様子が気になるのか

何度もリビングに続くドアに視線を向けた

 

それにしても

誰からの電話なんだろう?

 

日本からとは考えられない

もしそうなら、かなり急を用することかも?

 

「彼女から?」

 

内田が俺の方を見て

どう思うって顔をした

 

彼女がいるかどうか

話したことないはずだけど

 

話してたら池田君は悩んでない

 

「付き合ってる奴いたっけ?

 居ないと思うけど」

 

彼が先回りして否定してくれた

 

「じゃあ誰なんだ?」

 

珈琲飲みながら

しばし沈黙 ・・・

 

僕にも皆目見当がつかない

(高里は旅行中に電話するタイプじゃない) 

 

「う~ん ・・・ お手上げ!

 詮索は止めよう

 話せることなら話すはず」

 

「櫻井の言う通りだよ」

 

 誰にでも秘密の一つ二つは有る

 

「だな」

 

内田も納得したようで

詮索話は終わった

そのあとすぐに池田君が戻ってきた

 

「悪い、中座して」

 

困ったもんだって表情を浮かべて

そのまま席に着いた

 

「良いけど

 大丈夫か?」

 

急用があった可能性もある

そこは心配だから

彼が聞いてくれた

 

「聞いてくれよ

 電話は姉ちゃんだよ」

 

姉ちゃん?

姉ちゃんが居たんだ

知らなかった

 

「お姉さんがいるの?」

 

僕も内田も寝耳に水で

キョトンとした顔のまま

池田君ではなく彼を見た

 

「池田には3つ上の姉ちゃんがいる」

 

「茉莉(まつり)って名前の姉ちゃん

 既に嫁に行ってるんだけど

 実家に里帰りしてて

 俺がサンフランシスコに行ってるって

 聞いたらしくて

 慌てて連絡してきたの」

 

「茉莉さんらしい(笑)」

 

彼が声を立てて笑い出す

お姉さんが居るのは本当でも

電話の相手はお姉さんかな?

(疑うのは良くないか)

 

「名前からして賑やかそうだな」

 

内田も疑ってないみたいで

ちょっと申し訳なく思ってしまった

 

「漢字は違うけど

 お祭り好きではある(笑)」

 

「違うの?」

 

「ああ 花の名前だよ」

 

「そうなんだ」

 

僕もお祭りの方かと思った(笑)

 

「茉莉さんが何て?」

 

「お土産買って来いって

 こっちでしか売ってない物があるらしい

 ご丁寧に画像まで送ってくれたよ

 はあ ・・・ 土産だと

 代金を請求できない ・・・」

 

「どこの姉ちゃんも同じだな」

 

昨日散財した内田が

こまった物だと言う顔で苦笑い

 

「大野の姉ちゃんは?」

 

「同じだよ

 欲しいものリストが送られてくる」

 

姉ちゃんあるあるだ 

 

「なんか羨ましいな ・・・

 俺は一人っ子だから」

 

寂しそうに呟く彼

 

「櫻井には強力な母ちゃんが要るだろ

 お土産リスト見せて貰ったけど(笑)」

 

池田君が変に慰めることなく

クスクス笑って

彼の背中を叩いた

 

「確かにそうだな(笑)」

 

 

今日はお土産購入デーになりそうだ

僕も母ちゃんと姉ちゃんに何か贈ろうかな

 

 

 

 

 

<続きます>