君のいない迷路 182 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

この場の空気を悪くしてるのは

間違いなく俺だ ・・・

感情をコントロールしようと思っても

君の事になると冷静になれない

申し訳ない気持ちでいっぱいだけど

ホッとしてる自分もいる

 

橋を渡り車をパーキングに停めて

歩いて橋の近くまで行った

 

 

「もう少し大人だと思ったけど ・・・」

 

池田が最後まで言わなかったけど

呆れた顔をした

 

「分かってるよ ・・・」

 

どうしてもざわつくのは

 

日本に帰った後も

君と彼らは毎日顔を会わせ

今まで以上に交流を深める

俺がいない場所で ・・・

 

それがどうしても引っ掛かるんだ ・・・

 

トニーとノアと君は友人

それ以上も以下でもない

それは理解してるし

疑ってもいない

 

「考えると平静ではいられなくなる

 電話で普通に話してるだけなのに

 それが気になってしょうがないんだ」

 

「重症だなあ ・・・

 7月に大野が来た時

 話をしたんだろ?」

 

「俺たちの関係は問題ないんだ ・・・

 二人に会ったからこそ ・・・

 不安になった ・・・

 トニーもノアも良い人で ・・・

 いけ好かない奴じゃなかった ・・・」

 

会わなければ

トニーを警戒して

敵だとみなしていれば済んだ話なんだ ・・・

 

話を聞きながら

納得した顔で頷く池田 ・・・

 

「気のいい奴らだから

 余計に気になるし ・・・

 敵意を持つ自分を嫌悪してしまう

 複雑は心境なのは理解できるけど

 考え方を変えたらどうなんだ」

 

「考え方を変える?」

 

「ああ、大野と同じくらいの友人になる

 それなら相手を嫌う自分にも嫌悪しないよ

 それにさ、何度も言ってるけど

 あの二人、どっちかと言うと

 お前に近いかもよ」

 

口角だけ挙げて

意味ありげに笑う池田

 

そう言えば何度も

「お前と同じ匂い」って言ってたな

どういう意味だ?

 

「同じ匂い?」

 

「お前がいる世界と同じ匂い

 トニーとノアの名前

 気になったから調べたけど

 どっちも名家

 あの二人がその家門かどうかは

 分からないけど ・・・」

 

トニーはティッシュ

ノアはハミルトン

 

 

「俺の考えだぞ

 ノアは多分イギリス系アメリカ人

 トニーは日本に馴染みは無い名だけど

 欧米では知る人ぞ知るの家門

 二人とも名家と言われる出じゃないかなと ・・・」

 

可能性は有る

だからと言って

何が変わる?

 

「同じような悩みを持ってて

 同じように大野に癒されたと

 仮説を立てた

 全く外れてたらごめんだけど」

 

「そうだとしても

 いきなり聞けないだろ

 それに俺の家はそこまで名家ではない」

 

「よく言うよ若様が ・・・」

 

しがない田舎の旧家

アメリカの有名家門とは比べ物にならない

 

そしてこいつは時々この名で呼ぶ

 

「そう呼ぶなって言ったろ

 名前で呼べ!」

 

「はいはい」

 

顔を顰めて渋々返事をする

 

「さっきの話だけど

 もし二人がそうなら

 桁が違い過ぎるよ

 ここはアメリカだぞ」

 

「確かにそうだな ・・・

 でも、友達になっちゃえばいいんだよ

 そうすれば隠し事は無くなる」

 

それも手ではある ・・・

その前にヤキモチを焼かない方法を

教えて欲しい

 

「心配かけてるな ・・・」

 

「大野と話して来たら

 気持ち話して

 分かってもらえよ

 俺は内田と散策して来る」

 

池田はそう言って

俺の背中を叩いて

「内田、大野」って声を掛けて

橋の近くで話し込んでる

二人の元に駆けて行った

 

 

 

 

 

 

 

 

<続きます>