君のいない迷路 171 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

フルーツケーキで朝食を済ませ

出掛ける準備にかかる

まず最初にすることはレンタカーの契約

帰る日の事を考えて

サンフランシスコで借りることにした

 

「サンフランシスコまで電車で行くの?」

 

一番に支度を終えた内田が

階段下の椅子に座ってる僕に

ワクワクした顔で聞いてくる

修学旅行生みたいだ(笑)

 

「うん、それも面白いでしょ?」

 

「滅多に乗れないもんな」

 

次に支度を終えた池田君もかなり嬉しそう

 

「サンフランシスコに行く電車は

 ちゃんと案内できるから安心して」

 

「一人でも行ったことあるの?」

 

最初は先輩の車だったけど

いつもいつも二人行動って訳には行かない

少しだけ日常会話ができるようになってからは

一人で出掛ける事も多くなった

画材を買いに行ったり

美術館に行ったりする

 

「うん、あるよ

 ここに居る間しか乗れないし

 行けないから

 何事も経験だと思って」

 

「その考え分かる ・・・

 大野って意外と肝が据わってるな」

 

「そう?」

 

「怖いもの知らずって感じ

 普通は腰が引けたりするだろ?」

 

「智は昔から

 そう言うところ有るよ

 あんまり怖がらないよな」

 

「怖がらないというよりは

 危ない所には行かないからじゃない?

 大通りしか歩かないもん(笑)」

 

そこまで言葉が通じないから

下手な冒険はしない

 

それにしても彼は何してるんだろう?

 

「ここではそれは基本だろうな

 命に直結しそうだし」

 

こっちに来るまでは大袈裟だと思ってたけど

トニーに口が酸っぱくなるほど注意された

『ここは日本じゃない

 銃社会の国なんだ

 だから気を付けろ』って

 

興味が有っても路地には入らないし

注意された地域には足を踏み入れていない

 

「池田君の言う通りだよ

 内田、ふらふら路地に入らないでよ」

 

「分かってるよ

 それは母ちゃんからも言われた」

 

大丈夫って顔で親指を立てたけど

大丈夫かな?

 

それのしても彼が出てこない

 

「櫻井、どうかしたの?」

 

僕の問いに

二人がそう言えばって顔で

首を傾げる

 

もしかしてどこか具合が悪いとか?

昨日も燥ぎ過ぎてたから

疲れたのかな?

 

 

「大野、見て来てくれる?」

 

「良いけど

 調子が悪いとか?」

 

「どうかな?

 フルーツケーキバクバク食べてたけど ・・・」

 

内田がそう言いながら

池田君と顔を見合わせる

 

「何ともないと思うけど ・・・」

 

確かに食欲は有った ・・・

行けば分かるか ・・・

 

リビングの前の廊下から声を掛けることのした

 

「櫻井 支度できた?」

 

「うん、いまいく」

 

声は元気そうだから一安心

 

「入るよ」

 

「どうぞ」

 

中に入ると支度は終わってて

カバンを手に持ってこっちを向いた

 

え? ・・・ そんな荷物いる?

 

「何処に行くつもりなの?」

 

「サンフランシスコだろ?」

 

「うん そうだけど

 なんでそんな大荷物なの?」

 

レンタカーを借りて

戻ってくるだけじゃなかったの?

 

「サンフランシスコって

 電車が4つあるじゃん

 路面電車にも乗ってみたいし

 ケーブルカーも乗りたいって

 あの二人が言いそうな気がして

 観光の本を用意して

 それから ・・・ 色々準備した」

 

色々準備したものを入れたカバンを叩きながら

にやりと笑う

 

彼らしいと言えば彼らしい

体調面に問題がなければ

僕としてはOK

 

一番楽しんでるのは彼かも知れない

 

「街に着いてから

 何するか決めよう」

 

「ノアの事務所って何処にあるの?」

 

「ノアの事務所は駅を基点にしたら

 こことは正反対の場所にある

 電車から見えるけど

 何かある?」

 

「もし行くなら

 差し入れ買わないとダメだと思って」

 

「それは要らないよ

 母ちゃんの袋の中に

 日本の菓子がたくさん入ってたから

 それをお裾分けする」

 

「それも持って行く?」

 

「明後日、会うから

 その時で良いと思ってる

 二人の事はそこまで気にしなくてもいいよ」

 

気が合ったのかな?

トニーに対しての反応と全く違う

 

「そうだな ・・・

 色々起こりうることを想定してたら

 遅くなった(笑)」

 

そうだった

彼は行き当たりばったりが嫌いな性格だった

 

「二人が待ってるから行くよ」

 

荷物が多くても何も言わない

重いのは彼だし(笑)

 

二人の所に行ったら

案の定、二人とも

『やれやれ』って視線を彼におくり

苦笑いを浮かべたまま

 

「行こうか」って言った

 

 

 

彼の準備で

助けられることもある

だから感謝しないと

 

 

さて、ローダンセの会

サンフランシスコの旅の始まりだ

 

 

 

 

 

 

 

<続きます>