取り敢えず打ち破ろうか 266 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

暁殿に入って驚いた

御簾の向こう側にある長の座(長の間)に

何処かで見たことが有る

玉座(高御座)が設えてあったことだ

かなり豪華な造りで

玉座の屋根の部分には鳳凰と鸞の飾りがあり

台座の部分には玉座を守る様に

四神が描かれている

至る所に金細工が飾られているが

絢爛ではあるが

落ち着いた威厳を放っていた

 

高御座の扉は閉ざされていて

中は見えないが

貴方が中に入ることで扉が開くのだろう

 

「翔兄、あれって ・・・ 高御座だよね?」

 

陽の一族が玉座と呼ぶ高御座

 

「こっちが本物だと思うな ・・・

 台座の漆の色は黒ではなく

 瑠璃紺か?紺青か ・・・

 高欄は朱色ではなく緋色かも?」

 

画伯の影響で色については博識な翔兄が

陽の一族の高御座との違いを教えてくれた

 

「こっちが本物って ・・・」

 

「蒼穹国の歴史を考えたら

 こっちの方が古いだろ」

 

「ああ、そうか ・・・

 前に蒼穹国の儀式全てを

 陽の一族が ・・・」

 

乗っ取ったんだ ・・・

 

あたかも陽の一族が古くから

この地を治めていたと思わせるために

侵略国家がやりそうな歴史の塗り替え

 

「最後まで言わなくてもいいぞ(笑)」

 

苦笑いを浮かべて

人差し指を口に当てた

 

本家が座る席は

それ以外の人たちが座る席から見えない

 

まるで暁殿の中に

別の部屋が有る様に仕切りが出来ている

入り口も違うから

誰からも見れない

逆もまた然りで

俺達の席から両親が何処にいるのか

全く見ることは出来ない

 

本家の一番前の席に座るのは御前

そのあと、本家重鎮たち続く

次期本家当主は御前の横に座った

(当然だけど)

俺達一番後ろの席になる

(これも当然)

 

全員が席に着いた後

部屋の両脇に置かれたモニターに

夜半から行われた即位の儀の模様が

映し出された

どれも遠目での映像

その上、画伯も貴方もべ^るを付けているため

顔の判別は不可能

 

それでも厳粛な儀であることは伝わり

誰一人言葉を発する人はいなかったが

蒼穹殿の扉が開き

陽光が降り注ぐ中その場に立った貴方の姿には

参列者の中から簡単のため息が漏れた

 

即位の儀の映像が終わると同時に

モニターは片付けられ

暁殿内は貴方を迎えるための準備に入った

 

 

「いよいよだな」

 

翔兄が小さく呟く

その言葉を聞いたら

緊張してきた

 

「うん ・・・ 緊張してきた」

 

「当然だろ

 お前の中の翔様が

 一番緊張してるはずだ」

 

そうか ・・・

本来なら皇子もここに立つはずだった

だから二人分緊張してるんだ

 

『翔様、皇子も一緒に高御座に立ちます

 だから、俺たちはここで見守りましょう』

 

ずっと話し掛けてるけど

声は聴こえてこない

 

同化したのだから

当たり前なんだけど

 

 

一緒に喜びたかったな ・・・

 

 

『ああ、お前の目を通して

 彼奴の晴れ姿を見せて貰うよ』

 

翔様の弾んだ声が聴こえたような気がした

 

 

 

 

 

 

<続きます>