取り敢えず打ち破ろうか 264 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

採用通知を今日にしたのは

昨日の暁殿での話があったからだ

長老家(東の家)が認め

伝えるのは館長になる予定の和也と

現在筆頭家の松本に任せたのだろう

明日から新体制に変わっていく

その前に済ませたかったのが実情だろう

 

予想は出来るけど

ここは何も知らない振りをしないといけない

 

俺が知っていたら

長の力が働いたと思ってしまう

綾野君が俺には話さないと

突っぱねてくれたからこその結果でもある

 

翔の事だから

1週間もしないうちに戻ってくるだろうな

また、二人の生活が始まると思うと

心が弾んでくる

 

ここは子どものように喜んで

面倒なことは忘れることにしようと決めた

 

 

「帝、朝食の支度が終わりましたよ

 皆さんとお召し上がりください」

 

テーブルに並べられた朝食

お腹は空いているけれど

あまり食欲は無い

(眠いからだな)

 

この衣装のまま仮眠は無理だし

食べておかないと

暁殿の儀の最中に倒れてしまったら

それこそすべてが台無しになる

 

「帝 好きな物だけでも食べないとダメだよ」

 

多分、画伯も同じ

あまり食欲は無いはず

自分に言い聞かせるように

俺に言ってる気がする

 

「ええ、画伯もそうしてくださいね」

 

「ああ」

 

苦笑交じりで応えるから

俺の予想通りだったようだ

 

「食べ終わったら

 少し仮眠出来ないの?」

 

翔が心配そうな顔で

控えている綾野君に訪ねる

 

「そうですね

 1時間ほどでしたら可能です」

 

そうだよな ・・・

暁殿の儀に着る帝の衣装は

さっきよりも仰々しくなるらしい

 

横になると髪が乱れるから

突っ伏すしかないし

変な寝方をすれば

体中が痛くなる

 

転寝程度なら大丈夫だけど

 

「サクちゃん、無理してでも

 起きてた方が楽なんだ

 この衣装が脱げないから」

 

脱いだら一から着替えをしないといけない

 

「そうか ・・・ 俺らは着替えられても

 二人は無理なんだ」

 

即位を内外に伝える儀だから

当然、この衣装のままのお出ましとなる

 

面倒ではあるが

それをしないと終わらない

 

「椅子に座って転寝くらいなら出来るな」

 

「リクライニングチェアーを

 二つご用意しております」

 

「ありがとう

 食べ終わったら少し休むよ」

 

「綾野君も着替えるよね?」

 

画伯が顔をあげて

綾野君に視線を向けた

 

「はい、画伯の後ろを歩くことになってます」

 

俺が高御座に立った後

二人が帝の証を捧げ持ってくることになっている

 

「大変だよ

 歩きにくいから(笑)

 正直、二度と来たくない ・・・」

 

ぼそっと呟く画伯

 

確かに窮屈だし

ずっと着てるから

そりゃそう思うよな ・・・

 

俺も同じ気持ちだけど

そこは言ってはいけない気がした

俺の即位の儀なんだから

 

「画伯、あと少しです

 よろしくお願いしますね」

 

笑みを浮かべて言うと

「はいはい!」って顔で頷いて

苦笑いを浮かべた

 

「智君もあと少しだから

 頑張ってよ

 俺も見てるから」

 

「ああ、あと少しだから

 頑張んないとな」

 

翔の吉報を聞いたから

頑張れる

 

 

この儀が全て終わったら

皇子と翔様が一緒に叫ぶはず

 

今はそれが一番の楽しみ

一体何を望むんだろうな

 

 

 

 

 

 

 

 

<続きます>