君のいない迷路 167 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

内田からの話って事は

高里とのことだな

 

「高里の話?」

 

「まあ ・・・ そうだけど ・・・」

 

難しい顔をして

グラスを口に運ぶ

 

「何も聞いてないけど

 何が気になってるの?」

 

彼女との結婚話が進んでいるから

高里の『た』の字すら出てこない

今は全く何も思ってないと思う

甘酸っぱい恋心はあったとしても

それは過去の話だと割り切ってると思うけど

 

「ラインとかしてるのかと ・・・」

 

「これは僕の想像なんだけど

 内田は高里と連絡は取り合ってないと思う」

 

長い間、友人関係でいたから

いきなり疎遠にはならないと

思われがちだけれど

内田も高里も、そう言う所は生真面目

付き合っている相手が居るのに

異性に連絡はしないと思う

 

「うん ・・・ やっぱりそうだよな ・・・」

 

信じているけど

不安になることもあるだろうから

そう思っても仕方ないとは思う

 

「高里に確かめたの?」

 

それをしたら

波風が立つし

ちょっと険悪になるんじゃないのかな?

 

「流石に聞いてないよ」

 

苦笑いを浮かべるけど

聞きたいと思ったことは

有るみたいな口ぶりだ

 

「信じられないの?」

 

内田はずっと恋心を抱いてたけど

高里は全くその気は無く

一貫してたから

その心配はないと思う

 

「信じてるよ

 付き合う前に

 全て話してくれたから

 ただ ・・・ 内田に隠してるのが

 心苦しくなってきて ・・・」

 

疑うというよりは

内田に話していないことが

重荷になってきたんだ

 

内田がラインをしていれば

高里から聞いてる可能性もある

それならば話しやすいって意味

そこは二人とも真っすぐだから

思い通りにはならなかった

 

「もしラインが来てたら

 高里は隠さないと思う

 だから、池田から言えばいいんだよ

 今の田なら

 ちゃんと聞く耳はあるよ」

 

内田が告白する前に出会ってて

付き合い始めてたなら

問題大ありだけど

完璧にフラれた後に

出会ってるんだし ・・・

 

「そうかな?

 雰囲気悪くならない?」

 

池田君でも弱気になるんだ

小さくため息をついて

困惑した表情になった

 

「驚くかもしれないけど

 雰囲気は悪くならないんじゃない?

 アイツはずっと恋に恋してて

 漸く本当の恋をしてるんだと思う

 だから ・・・ 大丈夫だよ

 隠されてたのを知った方が

 傷つくんじゃないかな?」

 

内田が結婚するまで

隠し通せるものではないし

遠慮はいらないと思う

 

 

池田君の話を聞きながら

僕はどうだろうと

自問自答した

 

まだ付き合ってるわけではないし

この先何が有るかも分からない

だから言えないんだけど

 

隠すことの辛さって分かるから

その重荷からは解放してあげたい

 

「やっぱそうだよな ・・・

 彼女とのツーショット写真の彼奴

 すごく幸せそうな顔してて ・・・

 話しても問題ないかなって

 思ってはいたんだけど」

 

一歩が踏み出せなかったんだ ・・・

 

「もし、内田が不機嫌になったら

 ならないと思うけど

 僕がフォローするから

 こっちにいる間に話したら?」

 

「そうだな ・・・

 考えてみるよ」

 

すっかり温くなってしまったウイスキーを

一気に飲み干して

 

「大野に相談して良かった

 気持ちが軽くなったよ

 さて、俺も寝ようかな」

 

「ゆっくり休んで

 僕もシャワー浴びたら寝るから」

 

「ありがとう

 んじゃ、おやすみ!」

 

皆、迷いながら生きている

迷路に迷い込まないよう

考えながら ・・・

 

 

 

 

 

 

 

<続きます>