君のいない迷路 163 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

こっちに来る前に3人から

何が欲しいか聞かれたから

欲しいものリストを送り

それを買ってきてくれたと思ってたんだけど

それ以外の物を彼が用意してくれたの?

 

「そうなの?」

 

彼の顔を見ると

バツが悪そうな顔をして

 

「実は二人を待ってる間

 結構時間が有ったんだ

 どうやって時間を潰そうか考えてるとき

 母から電話が有って

 智へのお土産は何かって聞かれたの

 俺らが用意した土産を話したら

 思いっきり叱られた ・・・」

 

「なんで叱られたの?

 僕が欲しいって言った物だよ」

 

「それは土産にならないって

 ちゃんと食べ物以外を買って行きなさいって

 そう言われたらそうだよなって反省したんだ

 だから考えたよ ・・・ 何が良いのか

 色々店員さんに相談に乗って貰って購入した

 気が付いたら、二人が着く時間だった」

 

気持ちは嬉しいけれど

申し訳ない気持ちでいっぱいになってくる

だって ・・・ 旅費だけでも大変なのに ・・・

 

「大野、申し訳ないって思わない事

 食べ物の土産って

 絶対に俺らがここに居る間食べるじゃん

 正確には土産じゃないんだよ

 いわば俺たちの食料品」

 

「そうだよ、冷や麦に素麺って

 俺達がいる間になくなっちゃうと思う

 池田の言う通り半分は俺らの食糧だよ」

 

僕の表情から気持ちを汲み取ったのか

池田君と内田がすかさずフォローしてくれる

 

「俺ら男だから

 そこまで細やかな気遣いが出来なくて

 母の言われて納得したんだ

 で、お土産をお披露目しないといけないんだよな」

 

彼は僕にではなく

池田と内田の方を向いて聞いた

 

「もちろん!」二人が声を揃えて頷く

 

二人が居ないところで

渡すつもりだったのかな ・・・

 

受け取る僕も

少しだけ恥ずかしいかも 

 

「じゃあ、取ってくるよ」

 

彼はそのまま席を立って

リビングに行った

 

「何だと思う?」

 

池田君が分からないのに

僕が分かる訳もなく

頭を左右に振る

 

「聞いても教えてくれなかったんだよ

 結構な袋を持ってたけど ・・・

 何だろうな ・・・」

 

二人が顔を見合わせて

首をひねって考え込む

 

「内田なら何買う?」

 

「俺なら ・・・ 何だろう ・・・

 う~ん ・・・ そうだな ・・・

 キャップとかかな?

 池田は?」

 

内田が帽子(キャップ)を被る仕草をする

 

「俺なら ・・・ シェイカー」

 

カクテルを作る仕草をする池田君

 

「それお前の趣味じゃん」

 

呆れた顔で笑う内田

 

シェイカーが有ったらハマるかも(笑)

そこに彼が戻ってきて

テーブルの上に紙袋を置いた

 

「お土産、気に入ってくれると良いんだけど」

 

「ありがとう」

 

紙袋を開けると

ラッピングされた箱?

包み紙を綺麗に開ける

 

「うわ~ 、凄い

 ありがとう ・・・ 欲しかったんだ」

 

包みの中から出てきたのは

線描画を描く時に使う

コピ〇クのマルチライナーミリペン10色と

アルコールペン36色

(重ね塗りが出来るんだ)

 

「大野の顔を見てると

 本当に欲しかったんだな」

 

「うん、日本から持ってきたのが

 あと少しでなくなりそうだったんだ

 もしかして、見えてたの?」

 

本当にそう思いたくなるタイミング

今回の旅もイラストに残せたらと思ってた

写真はとても綺麗だけれど

自分の手で描くことで

大切な思い出が増えていく気がするんだ

 

「見えてはいないけど ・・・」

 

照れくさそうに笑って

空っぽのグラスを口に運んだ

ちょっと慌ててる?

なんか可愛いんだけど(笑)

 

「櫻井、それ空っぽ(笑)

 ビールは冷蔵庫?」

 

「うん、持ってこようか?」

 

「俺が取ってくるよ

 櫻井にはご褒美をあげないとな(笑)」

 

池田君が直ぐに席を立って

ビールを取りに行った

 

「よく気が付いたね」

 

内田も感心しきりな顔をする

 

「引っ越しの日に見せてくれたじゃん

 家の記憶のイラスト

 仕事以外でも描くことが好きな智(さと)だから

 こっちの景色とか建物とかも

 沢山描いてるだろうって考えたんだ

 有って困る物じゃないし」

 

「ありがとう 

 この旅行もイラストにしようと思ってた

 東京観光もイラストにして

 纏めてあるんだ見る?」

 

「見たい!」

 

ビールを手にして戻ってきた池田君迄

「見たい!」と声をあげた

 

「じゃあ、取ってくるから

 皆、飲んで食べてて」

 

写真で撮ったのを

絵に変えていく作業が好きなんだ

 

見せるのは恥ずかしいけど

共有したい気持ちの方が大きい

 

 

 

 

 

<続きます>