取り敢えず打ち破ろうか 252 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

回廊をゆっくりと歩いていく画伯

先ほどと同じように

宝冠と勾玉が入った箱を

仰々しく掲げながら蒼穹殿に向かう

 

俺のいで立ちは

先ほどの皇子の衣装と同じ

唯一違うのは立太子の儀を終えた印として

長の証(勾玉)を身に着けていること

 

「長、行ってらっしゃいませ」

 

綾野君の言葉で

その場にいた3人が一礼する

仰々しい見送りを受け

回廊に一歩を踏み出す

冷気を帯びた空気が

星の瞬きの音が聞こえてきそうなほどの静寂を

より一層深くし

松明の焔の声だけが聴こえる

 

ゆっくり歩を進めながら

暁の里に来た頃の事を思い出していた

 

世俗から隔離され

全てを諦めようとしてた

そんな俺を叱咤激励したのが皇子

傍で支え続けてくれた綾野君

 

二人で歩くことを諦めなかった翔

その言葉にどれだけ勇気づけられたか

 

沢山の事が有った

その度に支え続けてくれた人たち

一人では到底乗り越えられない事も

沢山の力で乗り越えられた

そして今、この回廊を歩く

 

 

込み上げてくる物を必死で抑え

ただ前を見て歩いていく

 

蒼穹殿の前まで行くと

扉を開けて控えている画伯

入る前に辺りを見回すと

本当に沢山の人が列席していた

 

蒼穹殿前の最前列には5長老家の当主が並ぶ

その瞳に光るものが浮かんでいたように見えた

 

画伯が居なかったら

俺は彼らを誤解したままだった

全ては長を守り国の再興の為 

今ここに成就する

 

「お入りください

 帝の皆様がお待ちです」

 

画伯が小さい声で伝える

小さく頷き、蒼穹殿内に入る

 

 

朝の儀式を行うのは手前の部屋

その先の部屋には入ったことはない

帝になるためには

誰も入れない場所で過ごすこと

 

俺が中に入ると

直ぐに画伯が後に続き

中から扉を閉めた

 

 

「本殿内で歴代の帝の皆様と

 朝までお話しください

 お入りになる際は

 そちらのお神酒と食べ物をお持ちください

 私はこちらで控えております

 お時間になりましたら

 声を掛けさせていただきます

 その後、着替えをし

 帝として蒼穹殿を出て頂きます」

 

「分かった ・・・

 画伯、ありがとう」

 

「それが私が担う役目です」

 

何時になく真面目な画伯

今は見極める者(智慈さんも一緒だ)

 

「画伯にいさん

 傍に居てくれて心強かった

 これからも頼りにしてるからね」

 

そう伝えると

右手を鼻に添えてクスクス笑り

 

「ああ、絵描きの兄さんとして

 大事な弟の近くに居るよ

 さあ、大事な儀式だ

 行っておいで」

 

「行ってきます」

 

蒼穹殿さ多くの扉を開け

用意されたお神酒と食べ物を手に

中に入って行く

 

 

即位の儀は

歴代の帝と共に過ごし

夜明けを迎えることだ

 

 

皇子、傍に居てよ

ちょっと心細いからね(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<続きます>