取り敢えず打ち破ろうか 247 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

皇子の立太子と即位の儀が始まる時間が来て

本家側の席と里側の席に立ち合いのの人たちが座る

俺達の席から里側の列席者の顔は見えないが

あらかじめ誰が立ち合うのかは聞いている

 

 

三長老家と相葉君と風間君の5人

(前世の彼らもいるので10人となる)

本家側は御前と貴方の両親と翔兄と俺

翔様と真翔さんと帝の弟(10人)

 

どちらも前の列に前世の彼らが座る

 

静寂の中、張り詰めた空気が

より一層寒さを引き立たせ

回廊脇の松明の灯だけが

二人の登場を待ちわびるように

ゆらゆらと揺れていた

 

この時間でここまで寒いのだから

貴方の儀式が始まる頃は

どれほどの寒さなのだろう

 

背中とお腹に貼ったカイロだけが頼みの綱

 

そんな事を考えてるとき

背筋がピンとなる様な清浄な気が

蒼穹殿の周りを包み込んだ気がした

 

 

「蒼穹国の帝たちが集まり

 あの子を出迎えてくれる」

 

帝が感慨深い声で呟いた

 

豆屋さんから聞いた

賢帝が真っ先に思い浮かび

歴代の帝が皇子の即位を

待ちわびていたんだと

胸が熱くなった

 

その直後

静まり返った回廊に画伯の姿が見えた

 

真っ白な袍に身を包み

袍の中は空の色に近い装束

烏帽子にはベールが付いていて

顔を見ることは叶わない

帝冠と勾玉が入った箱を

両手で捧げ持ち、しずしずと歩いてきた

 

皇子が即位の儀の後着る袍は

既に蒼穹殿の中に有るらしい

(貴方の袍も既に中にある)

歴代の帝から祝福を受けた袍を身に着けるのだそうだ

 

「智慈さま?」

 

翔兄が先導役を担っている彼に違和感を持った

 

どこからどう見ても画伯なんだけど

智慈様にも見える ・・・

 

じっと視線を向けると

2人が重なって見えた ・・・

既にあの二人は同化してるんだ ・・・

 

だからこの席に居ない 

 

前の席に座っていた真翔様は

肩を震わせながら泣いているように見えた

 

智慈様もまた見極める者だった

 

彼が回廊の真ん中あたりまで来た時

松明の灯りとは思えないほど

眩い光が回廊を照らし

凛とした姿の皇子を照らし出した

 

空の色の袍を身に着け

装束の裾(袴と後ろに垂れた裾)は

お日様の色に染まっている

(皇子そのものが太陽なのだろう)

石帯には蒼玉、紅玉、ラピスラズリなどの石が

眩い光を放っていた

 

前列に並ぶ人たちが

堪えきれなくなったのか

歓喜の涙と声が静寂の中に溢れた

 

それは蒼穹殿前の長老家の方からも聞こえてくる

 

この日を待ちわびた人たちの歓喜の声が

蒼穹殿の周りを埋め尽くした

 

 

顔は見えないけれど

皇子が放つ高貴な光が

彼の美しさを

より一層、際立たせていた

 

翔様は真っすぐに皇子を見つめ

何度も頷きながら

泣いているように見えた

 

 

画伯が蒼穹殿内に入った後

一人歩く皇子は

歩幅を変えることなく

堂々と前を向いて

蒼穹殿の中に入って行った

 

 

皇子の即位の儀が終わるのは11時半過ぎ

彼が姿を見せるまで

誰も席を立たないだろうな ・・・

 

 

 

 

 

 

 

<続きます>