mian(希望)55 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

Masterと名乗る同世代の青年に背中を押され

ドア型の空間を通り抜け

着いた場所は図書館?のような場所

円形の部屋の壁に、びっしり本が並んでいた

背表紙に書いてある文字はO国のものではなく

見たことのない文字で

全く読むことは出来なかった

 

「ようこそ俺の塒に」

 

笑顔で言われても

『ハイそうですか』と言えるほど

肝は座っていない

要するにかなり困惑してて

ひそやかな恐怖を感じた

 

「ここは どこなんでしょうか?」

 

おとぎ話や小説に出てくる異世界?

部屋の形から想像すると

塔の様な建物の気がする

 

「心配しているようだけど

 この建物はO国内の

 ある屋敷の敷地内にある」

 

(建物は侯爵邸の敷地内だが

 この部屋が異世界だとは伝えないMaster)

 

「塔のある屋敷って ・・・

 貴族のですか?」

 

「名前を聞いたことは有ると思うよ

 教えないけど(笑)

 そこに座って」

 

「はい ・・・」

 

胡散臭い事この上ない話なのに

何故か彼の笑顔を見てると

信じてみようと思えるから不思議だ

 

ただ ・・・ この人、始終笑顔なんだ

表情から情報を得るのは難しい

 

「まず君の覚悟を聞かせてもらうね」

 

連れて来ておいて覚悟?

覚悟がなければ帰されるの?

 

「貴方についてきた時点で

 覚悟は出来てますが ・・・」

 

ムスッとした顔で答えた

 

「顔を見たことのない

 胡散臭い男についてきたんだから

 覚悟はあるんだと思うけど

 事はそう簡単なものじゃない

 君の人生が根底からひっくり返る程の事なんだ

 聞いた後で、知りたくなかったと

 詰め寄られても困るからね」

 

根底からひっくり返る?

出生の秘密とか?

そんなドラマチックなものは無いはず

 

「それはどう言う類のものですか?」

 

「それを話す前に

 君について教えて

 今の生活に満足している?

 幸福感に満たされてる?」

 

彼の問いは漠然としてて

何をどう答えたらいいのか

正直困ってしまう

 

「この星に住む人達の中でも

 この国に住む俺たちは

 申し分ないほど満たされた生活をしている

 だから ・・・ 幸福なんだと思います」

 

「今の模範解答は ・・・

 生活面について言ってる?」

 

「まあ そうですね

 生活面が安定してるからこそ

 夢を見ることが出来る

 そう言う意味で家は恵まれていると思ってます」

 

幸せだったら話せないって事なの?

首を傾げてると

 

腕組をして「う~ん」と唸りながら

瞼を閉じて、小さく呟いたような気がした

 

「そうだな ・・・ 質問が悪かったな ・・・」

 

誰かと話してる?

 

「ああ ・・・ うん ・・・

 質問を変えるよ

 そんな安定した幸せの中に居て

 孤独を感じることは有る?」

 

「孤独? ・・・」

 

「ああ、孤独感に苛まれて

 泣きそうになったりする?」

 

まるでカウンセリングをされてるみたいだ

ちょっと腹立たしく思えてきた

 

「こんな所に連れてこられて

 カウンセリングですか?

 そこまでしないと手紙を渡してもらえない?

 随分だと思いますよ」

 

初対面の相手の心の中を覗き込むなんて

無礼にもほどがある

 

生きていくうえで

誰だって孤独を感じる

それが普通なのに ・・・

 

「だめだ ・・・ 俺には荷が重い

 豆屋、来てくれる?」

 

『仕方ないな

 珈琲を持って行くから

 お前も腹を括れ

 彼は覚悟を決めて来てるんだ

 手紙を渡しても良いと思うぞ』

 

声が聴こえたすぐ後

ドアを開けて東洋系の男性が

珈琲の載ったトレイを手に入ってきた

 

 

 

 

 

 

<続きます>