mian(希望)53 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

今日が約束の日だけれど

一体何時に来るのだろう?

多分、彼がアカデミーに居る間は来ない

最近の彼は森のアトリエには行かず

アカデミー内で制作をしている

これって ・・・ 来れないんじゃないかと

ちょっと不安になっている

 

気持ちは固まった

彼の部屋の「蒼」の絵を見た時

絵全体が深い蒼に覆われてた

彼曰く、この絵は心を映すらしい

俺の心の中は

全く光が射し込んでいない深海の蒼

つまり迷いの中で身動き取れなくなってる

何が変わるかは分からない

それでも立ち止まっているよりは

一歩を踏み出すべきと考え腹を括った

 

「ショウ、今から授業?」

 

肩を叩かれて振り向くと

満面の笑みを浮かべた彼

 

「そう、今から授業だけど君は?」

 

「俺は少し買い物に出る」

 

もしかして探されたくないから

行先を教えてくれてるのかも?

 

「購買にない物を買いに行くの?」

 

「ああ、旧市街でないと買えない物

 何か欲しい物とかある?

 買ってくるよ」

 

「欲しい物か ・・・

 思いつかないって事は無いな(笑)」

 

「あはは ・・・ 

 考えないと出てこないって事は

 何もないんだな

 美味しそうな菓子が有ったら買ってくるよ」

 

直ぐに戻ってくるとでも言いたいのだろう

でも、すぐには帰ってこない気がする

 

「そんな気を使わなくていいよ

 必要な物だけ買ってきて」

 

「夕方まで授業?」

 

「ああ、ぎっしり詰まってる

 学生の本文だから真面目に出るよ」

 

「それは当然だ

 んじゃ、またな」

 

軽く手を挙げて

校門に向かって歩き始める

 

「気をつけてな!」

 

大きな声で言うと

振り向いて笑みを浮かべて手を振った

その場で見送って

彼が戻って来ないかを確かめ

そのまま寮の自室に向かった

 

 

あの人が彼の留守を察知出来るのか

はなはだ疑問ではあるが

来るまで待とうと思った

 

部屋のドアを開けると

既に彼が来ていてにやりと笑った

 

「どこかで見てたんですか?」

 

「気配が消えたから ・・・

 ただ、警戒されてるみたいだから

 場所を変えようと思う」

 

「場所を変える?」

 

部屋の外に出るって事?

どこで話をするんだろう

 

「その前に君の覚悟を聞かないとだな

 興味がないのなら、このまま帰るよ」

 

「色々考えて

 その手紙を受け取ると決めました」

 

「後戻りできないけど

 後悔はしない?」

 

手紙を持ってきたのはこの人なのに

渡すのを躊躇うような物?

でも ・・・ このまま受け取らなければ

その方が後悔する

 

「後悔はしません」

 

「分かった、じゃあ移動しよう」

 

彼がジッパーを開けるように 

空間をドアの形にした

 

「何処に行くんですか?」

 

「秘密が守られる場所だよ

 俺の塒に連れて行く

 その理由は向こうで話す

 ちゃんと戻って来れるから

 心配しなくていいよ」

 

そんな事を言われても

どう考えても異世界っぽい

つまりこの人は人じゃない?

 

「躊躇うのは分かるけど

 移動しないと話が進まない

 悪いね」

 

満面の笑みを浮かべた彼は

俺の背中を押して

何処に繋がってるか分からない空間に押し込んだ

 

 

 

 

 

 

 

<続きます>