君のいない迷路 117 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

ゆっくり朝食を食べて部屋に戻った

4人ともお腹いっぱい食べたから

暫くは動けない(笑)

 

「食べたな~」

 

戻るなりそう言って

ベッドに寝転がった彼

残りの二人も同じように

それぞれのベッドに寝転がる

 

ゆっくりステイプランで宿泊しているので

チャックアウトの時間は12時

まだまだ時間の余裕はあるから

朝寝してもいいくらいだ 

 

僕は寝ない方が良いかな

フライト中は寝てたい

 

「少し休んだら?」

 

4人で相談して

今日の観光は取りやめにした

昨日は結構歩いたし

遅くまで飲んでたから

疲れもあり

ホテルでまったり過ごすことに

全員が賛成した 

 

「俺、寝れそう!」

 

一番に手を挙げたのが内田

 

「俺もだな」

 

池田君が後に続いた

 

「確かに目を瞑ったら寝れるな」

 

彼も眠そうな顔をして

二人に意見に頷いた

僕もそれに従ってベッドに寝転がった

 

皆が寝たらやってみたいことが有るんだ

 

彼の住む街を散歩したい

マンションの住所も知ってるから

駅からの通勤路も見てみたい

その道を歩いてるかは分からば行けど

日常が垣間見えたらそれだけで満足なんだ

ちょっと危ない奴かな?

 

「智(さと)も眠れる?」

 

「うん ・・・ 少し寝ようかな」

 

全員、5時間くらいしか寝てない

寝ようと思ったら昼まで眠れそうだ

 

「じゃあ1時間くらい寝るかな ・・・」

 

二人で話してる間に

内田が寝てしまった

池田君が両手を合わせて顎の下に置いて

『寝たよ』のポーズをした

 

人の話し声って子守唄になることが有る

 

「内田が寝たみたい(笑)」

 

「じゃあ、俺らも寝るか ・・・

 一時間のタイマーかけとこ ・・・」

 

「俺も寝るわ!」

 

池田君の声も聞こえて

転寝タイムとなった 

一緒に寝たら

僕の野望は果たされずに

帰ることになるから

 

寝ないように目だけ瞑って

二人が寝るのを持つ

意外にも二人とも直ぐに寝息が聞こえて

チャンスとばかりに

ゆっくり起き上がった

 

寝たふりしてるかを確認するために

少しベッドの上で座る

声を掛けてくる様子はない

携帯とカードキーをポッケに突っ込んで

音を立てないように

ゆっくりベッドから抜け出し

それこそ「抜き足差し足」で外に出た

 

 

三人の寝息も確認済みだから

大丈夫、気付かれていない

静かにドアを開けて廊下に出た

 

 

小学生の低学年の頃

自転車で何処までいけるか冒険した

その時のワクワク感を思い出した

 

まずは彼のマンションに行こう

部屋の前まではいけないけど

一枚目の写真はマンションの外観

 

初めての街でも

携帯は地図を提供してくれる

周りの景色を確認しながら

マンションを目指した

 

東京はビルばかりの街だと思ってたけど

意外にも緑が多い

蝉の声を聴きながら

彼のマンション近くのカフェを見つけた

大きな木の横に立つスタイリッシュなカフェ

(ビルの中にあると思ってた)

その向かい側が彼の住むマンションだ

最初の一枚はマンションを

二枚目はcafeを写真の納め

この街の匂いを肌で感じる

 

「休日の朝食はここかな?」

 

cafeの中を覗き込んだら

新聞を読みながらコーヒーを飲んでる人が目に入った

中に入ってみたいけど

お腹がいっぱいなので入ったつもりで踵を返し

今度は駅に向かう

駅への道は一本道だから

携帯の道案内を止めて

動画を取りながら移動する

 

「この道をまっすぐ行くと駅に着く

 一本道でここが一番の近道だから

 間違いなくここが通勤路」

 

話をしながら歩いてるから

通りすがりの人から

訝しげな視線を頂いた

 

もう少し小さい声で話した方が良いな 

 

駅に近づくにつれて

段々賑やかになってきて

駅ビルが目の前に ・・・

 

あれ、店はどこだろ?

探したけど見つけられなかった

きっと反対側にあるんだと思う

 

冒険したい気持ちもあるけど

一時間以内に帰らないと

大騒ぎになりそうだから止めた

 

繁華街を通り抜け

気になるお店を覗き

楽しみながらホテルに向かった

 

 

ゆっくり散策して

ホテルに戻るまでの時間は50分

その間は僕もこの街の住人になれた

もし近くに住んでたら

楽しいだろうなと思いながら ・・・

 

ホテルのロビーに入ると

彼が慌てた顔で

ロビーの真ん中でキョロキョロしてて

僕を見つけて走ってきた

 

「智(さと) ・・・ 何処に行ってたの?」

 

僕の顔を見てホッとしたのか

引き攣ってた表情が緩んだ表情に変わった

 

「直ぐに目が覚めちゃって

 ホテルの庭を散歩してたんだ

 ここの庭有名なんでしょ?」

 

ドラマや映画のロケに使われることもある庭

聞かれたらそう答えようと思ってた

結構、広い庭だから

ゆっくり散歩すれば30分くらいにはなる

言い訳に打ってつけの庭と言っていい

 

嘘ついてごめんね

マンションが見たいとは言えなかったから

 

「庭の散歩 ・・・

 それなら誘ってよ ・・・」

 

不服そうな顔をする彼

 

「気持ちよさそうに寝てたから

 もう一回行く?」

 

「うん、良いよ」

 

帰る時間を伝えないといけないから

少しゆっくり話がしたい

そう思って提案したら

彼が大きく頷いて承諾してくれた

 

 

 

 

 

 

 

<続きます>