君のいない迷路 116 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

君が池田と話してることが気になって

思わず振り返って声を掛けたけど

何を話してたかは教えてくれなかった

(池田がとっさに答えて話は嘘だ)

 

「櫻井 ・・・ 少しは ・・・

 大野の気持ちを察してやれ」

 

池田が隣に並んで

ぼそっと呟く

 

「え?」

 

ずっと考えてるつもりなのに?

思わずムッとして

池田の顔を睨みつけた

 

「お前なぁ ・・・年上だろ

 俺らが地元に帰るのとは訳が違う」

 

池田は笑顔のまま下を向いて

かなり真面目な声で叱責された

 

 

「ごめん ・・・ もしかして ・・・」

 

聞き返そうとしたら手で制された

直ぐ近くに君と内田が来ていたからだ

 

「さて、何から食うかな」

 

明るい声で言いながら

一旦席に着き

朝食についての説明を受けた

 

池田は内田と一緒に料理の前に

君は俺の横に並んだ

池田と話してた時の

少し寂しそうな顔ではなく

明るい笑みを浮かべて

 

俺を気遣っての笑顔なんだと

今更、気が付いた

俺ってやっぱ大馬鹿だな ・・・

 

「櫻井、お腹空いてる?」

 

「空いてる(笑)」

 

「沢山食べないとね

 さて、和食にしようかな ・・・」

 

和食コーナーに向かって歩きだす君

俺も和食にしよう

 

「向こうでも和食は食べる?」

 

料理を選びながら話し掛ける

 

「うん、作って食べるよ

 味噌に醤油に出汁や昆布を持参したから

 家で食べる物は日本に居た頃と変わらないかな」

 

自炊が出来る人だった

俺には真似が出来ない 

 

「外食はしないの?」

 

「するけど

 日本食のレストランや

 ラーメン屋さんもあるけど

 気軽に入れない(笑)」

 

「どういう事?」

 

「高くて吃驚するよ

 フードコートで食べるラーメンでも2600円くらい

 それの消費税が付くんだ

 トッピングをすればそれ以上だし

 ラーメン屋さんに入ったらチップも添えるから

 4000円くらいになって

 餃子を追加したら ・・・ 6千円くらいになる」

 

ガイドブックに携わったりする旅行会社だけど

そこまで細かくは載せていない

円安の影響もあるからだろうけど

ラーメン一杯でその値段だと

正直、気軽には入れない

 

「マジでそんなするんだ ・・・」

 

それだけ出せば

レストランのディナーが食べられる

 

「殆どインスタントラーメン」

 

「向こうでも売ってるの?」

 

確かインスタントラーメンは持ち込めなかった

カップ麺も袋麵も

ブイヨン・肉のエキスが入ってのはNG

うどんとかはOKだったはず

 

「売ってる

 日本の袋麺もあるよ

 カップ麺は高いから買わない

 持って行って便利だったのは

 お茶漬けとふりかけ 

 ふりかけって売ってないんだよ」

 

来月行くとき

沢山買って持って行こう

多分、米も必要だろうから

頭の中で3人に振り分けて考える

 

「行ってみないと分からないな」

 

「食べ物に関しては

 苦労はしてないよ

 美味しい物も沢山あるから楽しみにしてて」

 

「それは楽しみにしてる」

 

話ながら、沢山の料理を皿にのせ

気が付けば溢れるばかりの量になってた

 

「一旦席に戻って

 ご飯と味噌汁を取りに行くよ(笑)」

 

君の皿も同じようになってて

二人で大笑い

 

情けないな ・・・年上なのに

君に心配ばかりかけてる

帰る時間を教えてくれないのも

俺が寂しそうな顔になるからだって分かってる

池田はそれが言いたかったんだ

そして、聞いてくれたんだと思う

 

 

さっき内田が提案した

ホテルでのんびり過ごす案に一票

 

 

 

 

 

 

 

 

<続きます>