君のいない迷路 100 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

会ったこともない相手の土産を

真剣に選んでる俺達

途中からその事に気が付いて

二人で顔を見合わせて笑ってしまった

 

「名前しか知らない相手のお土産

 こんな真剣に選ぶ?」

 

「『適当で良いよ』って言ってたのに

 櫻井が真剣になるから

 手は抜けないなって思ったの(笑)」

 

「渡すのが智(さと)だろ

 センスを疑われたら可哀想だし ・・・」

 

「それはダメだよ

 彼奴の為に頑張って探す」

 

二人であれやこれやと考え

店員さんにもリサーチして

日本土産らしい物に落ち着き

(吹き出すであろう物もおまけに付けた)

二人と合流して

自分たちのお土産探しが始まった

 

「ふふ ・・・ 俺はもう買ったよ」

 

内田がにやりと笑って

彼女のへのお土産探しを始めた

 

いつの間に買ったんだろう?

一緒に居たのに気が付かなかった

 

「櫻井、お土産買った?」

 

君が大きな紙袋を手に持って

俺の横に並んだ

 

「まだ思案中だよ

 智、いっぱい持ってるけど

 何買ったの?」

 

「これは持って帰る日本土産のお菓子」

 

オフィスの同僚に配るお土産は

有名な東京土産

話を聞くとリクエストされたらしい

 

「人気なんだ」

 

「空港でも売ってるから

 買って帰る人が多いんじゃないかな

 最初に行くとき先輩と二人で

 これを大量に買った(笑)」

 

その話を聞きながら ・・・

明日は帰ってしまうんだと ・・・

急に寂しくなってきた

 

お土産探しって帰り支度なんだな ・・・

 

「3人へのお土産は?」

 

「それも買ったよ」

 

「はやっ ・・・

 俺も買わないと ・・・」

 

君へのお土産として選ぶつもりだけど

何が良いのかな?

 

「どんなものを買ったの?」

 

思わず聞いてしまった

(これってズルだよな)

君は笑って頭を左右に振り

 

「ホテルに帰ってお披露目だろ

 だから、言わない!」

 

ぴしゃりと断られてしまった

 

「そうだな ・・・ ズルはいけないな ・・・

 じゃあ、探してくるよ

 千円のハードルって高くない?」

 

「高い(笑)

 限られてくるよね

 でも、面白いのは有るよ」

 

「二人ともお土産買った?」

 

池田が紙袋を手に話の輪に加わる

 

「僕は買ったけど

 櫻井はまだらしい」

 

「池田は?」

 

「終わったよ

 ついでに会社への土産も買った」

 

そんな直ぐに決まるものなの?

思わずため息が漏れた

 

「お前は考えすぎなんだよ

 もっと軽く考えたら

 食べ物だって良いんだぞ」

 

池田の言う通りなんだけれど

食べ物だと記念に残らないし ・・・

 

「じゃあ、探してくる」

 

「コイツが探してる間に

 今日の酒盛りの為の食べ物を買ってくるよ

 大野、付き合ってくれる?」

 

「うん、大丈夫だよ」

 

なんか羨ましい ・・・

それは俺の役目じゃないの池田君!

ジト目で睨むと

『お前が遅いんだろ』とでも言いたげな顔で笑った

 

「内田は?」

 

「彼女へのお土産探しだって」

 

「じゃあ、どうしよう」

 

君が内田を探すように

周りに視線を向けた

 

「どっかで内田と会ったら

 南口改札前に集合って伝えて

 会わなかったらラインしておく

 お前も終わったらそこに来て」

 

テキパキと決めていく池田

(ちょっと羨ましい)

君に付き合ってもらう訳にもいかない

(君へのお土産なんだから)

 

「了解、丸の内南改札前だな」

 

渋々と了承して頷くと

池田は苦笑いで

君は「頑張って!」って顔をする

 

「じゃあ後で」

 

手を挙げた二人の

背中を見送りながら

 

俺も一緒に買い物したいな ・・・

恨めし気な視線で見送った ・・・

 

 

 

さて、何を買おうか ・・・

 

 

 

 

<続きます>