君のいない迷路 95 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

明らかに船を降りてからの様子が変な彼

何か気に障ることを言ってしまったかな?

それともヤキモチとか?

いくらなんでも、会ったこともない

何も知らない相手には妬かない

気まずいまま、何を話したらいいのか

考え込んでたら

池田君が隣に並んでくれた

 

「なあ ・・・ トニーってどんな人?」

 

って ・・・ 内田まで聞いてくる

 

「どんな人って ・・・ 気になるの?」

 

「そりゃ気になるだろう

 今日も今日まで名前を聞いてない

 大親友の俺が何も知らないって

 俺にとっては大問題なの!!!」

 

言葉が刺々しいから

かなりお怒りの様子

 

「言ってなかったっけ?

 釣り始めたって」

 

「釣りを始めたのは聞いた

 その時、先輩と一緒とだけ聞いた」

 

そうだった

面倒くさくなるから

先輩の名前しか出してなかった

 

トニーに関しては言えば

向こうでの仕事仲間の一人

 

「仕事仲間と行ったって言ったはず

 そこにトニーが居ただけだよ」

 

「そいつが英会話の先生って

 それも初だし」

 

そこまで怒る事なの?

 

「生活に困らない程度の会話を

 昼休みとか、時間が空いた時に

 オフィスで教えてもらってるだけだよ

 ちょっと大げさに言い過ぎたかな?」

 

「それでも ・・・

 お前は近況を教えなさすぎ!

 無茶苦茶、仲良しの相手みたいに聴こえた

 だから、俺も櫻井も寂しく思ったんじゃん」

 

僕が向こうで感じた疎外感と同じか ・・・

それなら分かる

でも ・・・ 内田は何でも話してくれるけど

彼は半分も話してくれない ・・・

その点では僕と変わらない気もする

 

「それは悪かった

 言い訳みたいになるけど

 トニーは僕たちの通訳さん

 難しい会話は僕たちで分かんないんだ

 その流れで日常会話を教えてもらってる

 まだまだだけどな」

 

「それなら先輩に教えてもらえば良いだろ」

 

「先輩だってプライベートがあるし

 四六時中一緒には居られない

 僕だってそれは嫌だよ

 それに先生は多い方が良いだろ」

 

誰だって一人になりたい時はある

いつまでもおんぶに抱っこではいられない

 

「智の言い分も和あるけど

 櫻井じゃないけど

 来月行った時、絶対の紹介して」

 

「紹介するのは良いけど

 バカンスシーズンだから

 居ないかもしれないよ」

 

「その時は仕方ないけど ・・・

 なんかさ、乗り気じゃないんだよ

 普通なら軽く「良いよ」って答えるじゃん

 それがないから ・・・ 

 会わせたくない理由とかあるの?」

 

憤慨したまま

訝しげな眼差しを向けてくる

 

「そんなふうに聞こえたんだ ・・・

 会わせたくない訳ではないけど ・・・」

 

「なんかあるの?」

 

真顔で顔を近づけてくる

 

「日本人と比べると

 かなりスキンシップ多めな人で

 ちょっと面食らうかなと ・・・」

 

「それってハグとかそう言うの?」

 

「そう言うのはNG出せば

 大丈夫だけど

 かなり距離が近いかな?」

 

彼がこの話を聞いていないことを祈る

絶対の勘違いしそうだ

 

「それって、智のことが好きなんじゃないの?」

 

まじまじと僕の目を見て

思い当たる節があるだろうと言う顔をする

 

「お前の好きってどういう定義?

 仕事仲間で友人なだけで

 深い意味はないよ」

 

告白されたこともなければ

迷惑もかけられていない

 

好きと嫌いで言えば

好きに入るかもしれないけど

嫌いな人とは友人にはならない

それは僕だって同じ

 

「それは智がだろ?

 向こうが好きかも知れないじゃん」

 

「それって恋愛対象って事?」

 

「うん」

 

「ないない!

 誰に対しても同じなんだから」

 

先輩への対応はちょっと違うけど

それでも ・・・ 

殆ど変わらない ・・・

 

内田ですら勘違いするんだから

彼はもっと勘違いしてるのかも

でも、それを態々否定するのも

違う気がする

 

「なら良いけど ・・・

 智が友人になったんだから

 俺もなれそうだよな

 じゃあ、来月の旅行で

 トニーとの対面を楽しみにする」

 

それで納得したのなら良い

内田なら仲良くなれるよ 

 

「彼女さん、夏休みの旅行

 許可してくれたの?」

 

僕はそっちの方が心配

漸く出来た彼女なんだから

夏安は二人で過ごしたいだろうに ・・・

 

「俺たちの旅行が決まる前に

 友人とヨーロッパ旅行に行くって

 言われてたんだ

 だから、全く問題ない」

 

「そうなんだ」

 

内田の母ちゃんが

二人の結婚を急いでるみたいだから

独身最後の旅行かも知れないな 

 

「お互い行けるうちに

 行っとかないとって

 話してたんだ

 サンフランシスコ、今から楽しみ!!」

 

さっきまでの怒りは消えたようで

ほっと一安心

僕から聞いた話は

彼には言わないで欲しいなあ ・・・

 

 

 

 

 

 

<続きます>