君のいない迷路 92 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

いくら母が釘を刺したとはいえ

船を降りるときは

ちょっと身構えてしまった

そんな俺を気遣ってなのか

君が横に並んで

色々話しかけてくれた

 

「次は何処に行くの?」

 

期待値Maxの眼差しを向けられ

蒼くなった ・・・

全くのノープラン 

 

「う~ん ・・・ それが ・・・」

 

「東京タワーも楽しかった

 クルージングは最高だった

 その次って言うと

 やっぱ考えるよな」

 

ノープランなのを責めることもなく

それが普通だよって顔をした

 

「降りてから4人で考えようよ

 4人旅なんだからさ」

 

解決策まで提案してくれた

その言葉で肩の荷が下りる

 

「うん、4人で考えよう

 サンフランシスコって海が近いだろ

 どんな感じ?」

 

「結構な数のビーチがあって

 行ったことが有るのは

 二つくらいかな」

 

「何処に行ったの?」

 

来月の為にリサーチしてるから

知ってるビーチが出てくるかも

 

「ロデオビーチ

 ここは人気のビーチで

 ハイキングやバードウォッチングが出来る

 フォート ファンストンビーチは

 ハングライダーが出来るんだけど

 僕はそっちはやらずに釣りをやった」

 

そこに行った時のことを思い出したのか

楽しそうに話してくれる

 

ロデオビーチは有名なビーチ

観光候補にいれてたから

君に案内してもらおう

もう一つは勉強不足で知らなかった

 

「智って釣りをするの?」

 

それは聞いたことなかったな ・・・

 

「うん、トニーが釣りに誘ってくれて

 それから時間が合うときは

 釣りに連れて行ってもらう

 それは近場だけど」

 

なに? ・・・ トニー?  

それは誰なんだ?

先輩じゃないの?

 

頭の中?が増殖中で

心がざわざわする

 

名前からして男性なのは分かるけど

 

「二人で行くの?」

 

聞く声は震えてないよな

怖くて顔が見れない 

 

「二人?」

 

君が怪訝声で聞き直した

 

「釣りは二人で行くの?」

 

「あ~ 二人では行かないよ

 先輩かトニーの友人が一緒

 そんな行ってないよ

 片手で足りるくらい」

 

片手で足りるって

最高5回は行ってる

(考えたら多いよ)

二人きりじゃないと

聞いてホッとしたけど

 

なんか嫌な予感がするんだよな

 

「そのトニーって人は

 同じオフィス?」

 

さっきまでの悩みの種など

あっという間に頭からぶっ飛んだ ・・・

俺にとって一番重要なのは君なんだから

 

「向こうの会社のクリエイターだよ

 日本のアニメが大好きで

 今回日本へ行けると信じてたのに

 選ばれなかったから

 最初は質問攻めだった」

 

声が楽しそうに聞こえるんだよ ・・・

誰なんだ?

心の中で叫んでる俺

 

「その人日本語が話せるの?」

 

質問攻めって

英語なら分からないだろうから

 

「かなり話せるよ

 だから英会話は彼に習ってる」

 

ちょっと待って ・・・

思考が停止した

 

俺はかなりの大馬鹿野郎だ

寂しくて落ち込んで

勝手に距離を置いて

変なことに巻き込まれ

それがようやく解決して

君が来てくれたのに

またもや変な動きに

巻き込まれそうになってるけど

 

彼は孤島で一人で暮らしてるわけじゃない

沢山の人のと出会いもあるし

俺の知らない生活がある

 

自分の心配より君の心配をすべきなんだ

 

「年はいくつなの?」

 

焦ってるのを悟られないよう

何気なく会話を続ける

情報はいくらでも欲しい

 

「う~ん ・・・ 30前だったかな ・・・」

 

俺よりも大人だ ・・・

 

「先輩と同じくらい?」

 

「うん、確かそうだな ・・・」

 

そんな気になるのって顔をされた

気になるだろう ・・・

 

「その人には来月会えるかな?」

 

そう聞いたら

君が眉間に皺を寄せた

 

「どうかな?

 バカンスに行くんじゃないかな」

 

それは会わない方が良いって意味?

普通なら紹介するって言うはずなのに

紹介できない理由があるとか?

 

拙い ・・・ 

色々な妄想(悩みの種)が湧いてくる

 

「紹介してくれないの?」

 

万が一、君が狙われていたら

牽制する必要がある

 

「バカンスに行ってなかったら

 紹介するよ」

 

気乗りしない返事に

ますます焦ってしまう

 

 

これってライバル出現?

 

 

 

 

 

<続きます>