mian(希望)31 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

心の葛藤が手に取る様に見えた

泊まりたいのに

泊まりたいとは言えず

理不尽だと抗議する

 

遠い昔 ・・・

地上に戻すと告げた時の君を思い出した

頑固なところも

素直じゃないところも

全く変わっていない(笑)

 

鼻歌を歌いながらの片付け

夜の森の散策が楽しみで仕方がない様子

怖がっていたことは

すっかり忘れた様子だ

 

 

片付けを終え外に出ると

小屋の上に凛とした佇まいの月が見えた

 

夜の森は意外にも賑やかだ

木の精霊はどちらかと言うと夜行性

昼間は陽の光を浴びて微睡む事が多く

また、人が迷い込んで来ることもあり

静かに息をひそめ

森の生き物たちの見守り役に徹している

月の光の中では

歌を歌ったりお喋りをしたりと

警戒心を解いて自由を満喫している

 

『どちらに行かれるのですか?』

 

小屋の傍の大きな木の精霊が聞く

 

『満天の星を見せようと思って』

 

『それでしたら ・・・

 泉の傍が良いですね

 森の外であれば ・・・

 とっておきの庭でしょうか』

 

この森の精霊も妖精も

あの庭が大好きだ

夜になるとこぞって遊びに行く

森と庭を繋げたから仕方ないのだけど

 

『月の妖精たちが騒いでいるよ』

 

『もう一人の主がお戻りになったのです

 当然ですよ』

 

『既に主ではないよ

 だから、彼は憶えていないはずだ』

 

『それでも良いのです

 お顔を拝見できるだけで

 皆、安堵しますから』

 

あの庭の精霊も妖精も

私と同じだけ眠りについた君を

案じていた

 

顔だけでも見せて安心させるべきかな ・・・

 

「どっちに行けばいいの?」

 

月の光に照らされた君は

上機嫌なのか満面の笑みを浮かべてた

(お酒は飲ませていないのに)

 

「満天の星と月が見える場所は

 泉の畔だな」

 

「あそこまで歩くの?」

 

ちょっと不満げな様子

 

「別の場所もあるけど

 そこに行ってみる?」

 

「うん、別の場所があるなら

 そこに行ってみたい」

 

連れて行くのは問題ないけど

君のその笑顔が消えるかもしれない ・・・

それが怖くて ・・・

直ぐに決断が出来ないでいる

 

憶えているはずはないんだ

小さな欠片しかなかった君の魂は

永い眠りの中で修復され

本来の君の姿に戻った

 

私との絆だった同じ形の痣は

何処にも残ってはいない

(私の痣も消えた)

 

「泉ほどではないけど

 少しだけ歩くよ

 森を抜けてしまうけど

 驚かないでよ」

 

「森を抜けるの?」

 

怪訝な顔をして

「う~ん」って唸ったまま腕を組んだ

 

多分、心の中で

「泉の方が良かったかも?」と思っているようだ

 

「泉にしておく?」

 

助け舟を出すと

思いっきり頭を振って

 

「夜の泉って

 ちょっと怖くない?

 それなら別の場所が良いかな」

 

「怖くはないだろ

 泉に浮かぶ月も幻想的で綺麗だぞ」

 

連れて行きたいのか

連れて行きたくないのか

私の方が迷ってる 

 

「そうかも知れないけど

 取っておきの場所なんでしょ?」

 

「そうだな」

 

「じゃあ、そっちが良い!」

 

君がそう言うのなら

あの場所に行こう

 

 

「OK、じゃあ、少し歩くよ」

 

本当は目を瞑れば着けるけど

君を混乱させないために

少しだけ歩くよ

 

 

 

 

 

<続きます>

 

『mian』の №が

とんでもなく飛んでおりました💦

お知らせくださり

ありがとうございます

№管理、苦手なんです

一度、付けるのを止めた事もあったのですが

読み返すとき大変苦労したので

番号を付けております

時々、とんでもない数字が出てくるかもしれませんが

その時は教えてください

よろしくお願いします

 

yayosato