君のいない迷路 75 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

暑い中、散策したくなくて

東京タワーを選んだのではなく

一度も来たことがなかったからだ

 

修学旅行で訪れたのは浅草のスカイツリー

出来たばかりの頃で

世界一高いタワーでギネスにも載った

(今も一番高いタワーだ)

先生も行きたかったらしく

『スカイツリー』一択だったらしい

 

その後、何度か東京に来ても

遠くから東京タワーの勇姿は見たことは有っても

行ったことはなかった

 

「内田は来たことあるの?」

 

展望台から街を眺めながら聞いてみる

 

「智はあるの?」

 

質問を質問で返すなよ

心の中で呟きながら頭を左右に振る

 

「ないよ、修学旅行は ・・・」

 

「634(ムサシ)!!!」

 

同じ中学なんだから当然なんだけど

 

「そうそう、凄いって盛り上がったよな

 その後、何度か来てるけど

 ここは初めてだな」

 

「俺も同じだよ

 そもそも東京に来ない(笑)」

 

確かに目的がなければ

東京に来ることはない

 

俺達の会話を聞いてた二人が

驚いた顔をして横に並んだ

 

「二人とも初めてなの?」

 

彼が一番驚いてる

 

「うん、大野も俺も初めてだよ」

 

『なあ』って顔で僕に視線を向ける内田

 

「遠くから眺めることは有っても

 来たことはないんだ

 東京って遊びに来ても

 何処に行っていいか分からなくなるだろ」

 

「それ分かる

 広すぎて訳分かんなくなるの

 大概、目的があってくるだろ

 俺の場合はライブだけど

 会場までいけるかでハラハラして

 それだけで疲れちゃって

 結局、東京駅でお土産買って帰ることになる」

 

「智と一緒に来たの?」

 

「一緒にライブに来たのは一回」

 

「うん、ライブは一回だけ

 後は夢の国だな」

 

「そうそう、夢の国」

 

「つまり二人は東京観光をしたのは」

 

「「修学旅行だけ!」」

 

二人同時に答えてしまった

だから東京タワーは凄く楽しい

 

「櫻井、この二人の為に

 観光ルート練り直さないとな」

 

「そうだな ・・・

 どこが良いんだろう?」

 

東京初心者の俺達に見合った観光ルート

二人は何処に連れて行ってくれるかな?

 

「二人に任せるから

 僕たちは展望台から見える街を

 もう少し堪能してくる」

 

二人で移動しようとしたら

池田君に止められた

 

「展望台からの眺めには

 解説者が必要だと思うな

 だから一緒に眺めようよ

 櫻井は大野に

 俺は内田に説明するから」

 

「それもそうだな

 分からない二人で見ても

 気になる建物が何か分かんないもんな」

 

内田が池田の提案に同意する

僕も異論はない

池田君が気を利かせてくれたから

それに甘えようと思う

 

「じゃあ、僕は櫻井と一緒に

 その時、行きたいところが出てきたら言うよ」

 

「俺もそうする」

 

周りから見たら

『おのぼりさん』に見えるかもしれないけど

楽しいのだから問題ない

 

二人で並んで街を眺めるけど

彼はガラスの際まではいかず

少し離れた場所から眺める

そう言えば ・・・

展望台に上がってから口数が減った

 

そう言えば ・・・

高いところ苦手だったっけ?

 

敢えて聞く必要はないから

彼の隣に並んで

気になるところを指さしながら聞いてみると

的確な返事をくれるけど

やっぱり肩に力が入ってる

 

 

ありがとう

苦手な場所に付き合ってくれて

 

次は高い所をやめて

上野公園とかが良いかな?

 

 

 

 

 

 

<続きます>