君のいない迷路 74 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

内田が君と話したそうなので

君の隣を譲ることにして

池田と並んで前を歩くことにした

 

「余裕だなぁ(笑)」

 

茶化すように笑いながら

俺の顔を見る池田

 

「余裕はないよ!

 ある訳ないだろ」

 

「そんな風には見えないけど(笑)

 まあ、内田も積もる話があるだろうから

 そこは気を利かせてやらないとな」

 

「内田にとって智は特別だから

 智にとってもかな」

 

「多分そうだろうな

 俺とお前みたいな関係だよ」

 

その言葉が一番しっくりくる

最初の頃は内田に対して

ヤキモチを焼くこともあったけど

今は全くそう言う感情にはならない

 

「そこは違うぞ

 俺とお前は悪友!(笑)」

 

それを聞くや否

ムスッとした顔で

俺を一瞥した後

 

「嫌だわ ・・・

 ひ~ちゃんと翔の中なのに

 悪友だなんて!」

 

いきなりキャラ変する

此奴は何処までも食えない奴

 

「お前ねえ ・・・

 二人にばらすぞ」

 

「ばらされて困るのはお前だろ!」

 

それもそうだ ・・・

事の顛末を細かく話さないといけなくなる

内田には話してあるけど

君にだけは知られたくない

 

「はいはい、降参する」

 

両手をあげて降参のポーズをすると

苦笑いを浮かべる

 

「『はい』は一回だろ(笑)

 でも良かったな

 大野が来てくれて

 やっぱ俺達では無理だって痛感したよ」

 

「どういう意味?」

 

「顔つきが全然違うし

 自信を取り戻したように見えたよ」

 

「昨日、目の前に智が立ってた時 

 起きてても幻を見るんだって

 正直、落ち込んだんだ ・・・」

 

あり得ないと思ってることが起きると

現実だと認められなくて

思考は逃避する

 

「まあ、そうなるよな

 日本に住んでいるなら

 有り得る話だけど

 アメリカに居る大野が目の前に居たら

 俺でも目を擦って

 似た人だと思って

 声を掛けるのを躊躇うな」

 

「まさにその通りだった

 似た人だと思って通り過ぎようとした時

 智が俺の名前を呼んでくれたんだ」

 

思い出すだけで

顔が緩んでいくのがわかる

 

「素通りしようとしたの?

 それは大野も気の毒に」

 

「今、お前も言っただろ

 声を掛けないかもって

 間違ってた時の絶望感って言ったらないぞ」

 

「会いに来てくれたんだろ?」

 

君は一度だけそう言ってくれた

だから確かめられなかったけど

その言葉に嘘はないと思ってる

 

「心配かけたんだな ・・・

 申し訳ない気持ちもあるけれど

 素直に嬉しい」

 

「良いんじゃないか

 大野に甘えても ・・・」

 

池田がチラッと後ろを見た後

 

「大野も寂しかったんだと思うな

 向こうに行ってから

 蚊帳の外にいる感じがしたんだろうな

 お前もおかしかったし ・・・」

 

疎外感からくる寂しさか ・・・

 

「詳しい話をしてないからな ・・・」

 

「仕方ないな

 お前がそう決めたんだから

 でも、純粋に会いたかったんだよ」

 

「うん」

 

思いっきりデレデレの顔で頷いてしまった

 

「なあ 良かったの?

 俺たちを呼んで」

 

聞かれると思った(笑)

 

「二人に連絡するつもりだった

 まさか二人とも来るとは思わなかったけど

 再会は4人が良いだろ」

 

チラッと二人だけでと思ったけど

内田の顔見たら

連絡して良かったと思ってる

 

「本当に?」

 

「池田君は疑り深いねえ(笑) 

 そりゃ一瞬思った一瞬な!

 でも、これで良かったと思う」

 

「俺もそう思う(笑)

 久しぶりに見たよ

 清々しい笑顔

 大野が居ないとポンコツだからな」

 

それは認める 

傍にいてくれるだけで

俺は無敵になれる気がするんだから

 

 

 

 

 

 

<続きます>