君のいない迷路 69 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

タクシーでマンション前まで送るより

部屋に連れて帰れば良かった ・・・

後悔先に立たずで

あの状態で帰した僕のミス

ホテルの玄関前で見つけた時は

心臓が止まるかと思った ・・・

 

意識はしっかりしてるし

水分補給も出来たから

エアコンの効いた部屋で

寝かせて置けば1時間くらいで

体調は戻るはず

ただ、今日はあまり飲まないよう

目を光らせないと

 

ホテルのロビーで携帯を取り出し

どっちに電話しようか

迷ってしまった

 

彼についてだから

内田より池田君の方が適任かな

まずはラインを入れる

 

『おはよう、新幹線に乗った?』

 

『おはよう、7時10分の新幹線

 9時前に緒は到着する』

 

『電話しても良い?』

 

『良いけど、何かあった?』

 

『電話で説明するよ』

 

『分かった』

 

直ぐに電話をしたけれど

出るのに時間が掛かってる

デッキに向かってるのだと想像できた

 

「櫻井に何かあったの?」

 

勘のいい池田君は

直ぐに状況を理解したみたいだ

彼の様子を話すと

池田君、可笑しそうにくすくす笑って

 

「大野と一緒だと

 羽目を外せるんだな(笑)」

 

「笑い事じゃないんだって

 脱水症状かとこっちが青くなったんだから」

 

「そんな飲んだの?」

 

「結構強めのカクテルを飲んだけど

 いつもより少ない酒で

 いつも以上に酔ってた

 マンションには11時前には着いたんだよ」

 

「もしかして送った?」

 

「一人で帰せる状態じゃなかったんだ

 部屋に泊まれと言っても

 頑なに拒否するし

 歩いて帰ると聞かないから ・・・」

 

「災難だったな」

 

お気の毒にって気持ちが

言葉に滲み出てた

 

「無理にでも泊めればよかったって

 後悔してる ・・・」

 

「話を聞いてる限り大丈夫だよ

 どうしようもない二日酔いなら

 この暑い中、走れない

 遠足当日の園児みたいに

 一目散にホテルを目指したんだろうな

 多分、軽い脱水だから

 30分もしないうちに騒ぎ出すよ」

 

「そうかな?」

 

僕もそう思うけど

何かあったら困るし ・・・

 

「大丈夫だよ!

 彼奴には大野がついてる

 騒ぎ出したら

 冷たい物を食べさせてやってよ

 待ち合わせの変更は必要ないと思う」

 

「どうして?」

 

「彼奴のメンツも守ってやって

 それに少しくらい遅刻しても

 俺らは大丈夫

 昨日飲みすぎたんだろうなって

 笑いとばすからさ

 それと、内田には言わないよ」

 

彼のメンツまで考えてなかった ・・・

 

「そうだな、予定通りでいくよ

 送れたらごめん」

 

「心配しなくても

 まだ時間あるし

 彼奴、ゾンビ並みに

 復活するのも早いぞ(笑)」

 

僕が慌ててるから

落ち着かせようとしてくれてるんだ

ちょっとだけ、気持ちが楽になった

 

「ありがとう

 じゃあ、後で」

 

「ああ、後でな」

 

心配し過ぎたのかな?

でも、何かあってからじゃ遅いから

急いでコンビニにより

アイスクリームとコーラと

おにぎりを2個買った

(おにぎり食べられるかな?)

 

部屋に戻ると

ベッドで寝てる彼は

顔色も元通りで

気持ちよさそうに寝てた

 

 

ゾンビ並みの回復力

池田君の言葉を思い出して

吹き出しそうになった

 

待ち合わせ時間から逆算して

ホテルを出る時間を算出

あと10分くらいは寝かせといてもいいな 

 

ホッとしたら

お腹が空いてきて

買ってきたおにぎりを一つ

食べることにした

 

 

 

 

 

 

<続きます>