君のいない迷路 68 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

カッコつけすぎて

強いカクテルばかり飲んでたら

途中から記憶が曖昧になって

どうやって帰ったんだろう?

カーテン開けたまま寝てたらしく

射し込む光で目が覚めた

 

二日酔いにはなっていないけれど

頭がまだ覚醒していない

寝ぼけ眼を擦りながら

サイドテーブルの時計を見たら

待ち合わせの15分前 

いっきに目が覚めて

慌ててシャワーを浴びて

着替えを済ませ

ホテルに向かってダッシュした

 

昨日の酒が残る状態で走るのは無謀ではあるが

待たせる訳にもいかない

(怒らないのは分かってるんだけど)

夏の陽射しは容赦なくあたり

一分もしないうちに

滝のような汗が流れ始めた

荒い息を吐きながら

ホテルを目の前にして

頭がクラクラしてきた

ここで倒れる訳にもいかず

立ち止まり息を整え歩くことに

 

なんとかホテルの玄関口まで辿り着くと

君が外まで出てきてくれてた

 

「櫻井! ・・・

 やっぱ走ってきた」

 

汗だくの俺を見て

心配そうな顔をして

タオルで汗を拭く

 

「ごめん 遅れた ・・・」

 

「遅れたじゃないよ

 駅とかで待ち合わせしてるんじゃないんだから

 なんでもっとゆっくり来ないの

 真っ青だし ・・・こ

 のまま部屋に行くよ」

 

こういう時の君は全く迷わない

誰よりも決断が早い

 

「え?」

 

「え?じゃないの

 脱水症状かも知れないから

 水を飲んで涼しい所で休む」

 

彼の険しい顔が

自分が思っているより

具合が悪いことを教えてくれる

 

「うん ・・・ 」

 

そう言えば ・・・

シャワー浴びてコップ一杯のポ〇リ飲んだだけだった

軽い脱水かな?

 

 

二人でエレベーターに乗ったら

 

「昨日、帰すんじゃなかった

 泊まれって言うのに

 帰るって一点張りで ・・・」

 

溜息交じりに

後悔の言葉をつぶやいた

 

マジで?

憶えてないんだけど

俺、何で断ったんだ?

 

そんな事を考えられるほど

意識ははっきりしてる

(多分、そこまで大変ではない)

 

「ごめん ・・・ 泊まればよかったな ・・・」

 

「ほんとだよ

 だいじょうぶ~ だいじょうぶ~

 って言うから ・・・

 信じた僕がダメなんだ ・・・

 二人との待ち合わせ場所

 変えてもらうから

 少し寝た方が良いよ」

 

エレベーターから降り

彼が泊まった部屋に向かう

 

「変更しなくていいよ

 だいぶ良くなってきてるし

 水分補給すれば ・・・」

 

冷房の効いた室内に入り

体調も落ち着いてきた ・・・

 

「それを判断するのは僕なの!」

 

かなり怖い顔で睨まれてしまった

 

心配かけて申し訳ないけれど

不謹慎にもちょっと嬉しい

 

言葉にしたら

張り倒されそうだけど

 

昨日あれだけ入りたかった部屋に

すんなり入れてもらい

そのまま、広いベッドに座らされた

 

「汗かいた服のままだと

 体が冷えて風邪ひくから

 タオルで拭いて

 ホテルの部屋着に着替えよう

 使ってないから大丈夫だよ」

 

使用していない部屋着を

俺の横に置き

そのまま冷蔵庫を開けに行く

 

言われたように

着てきた服から部屋着に着替えて

そのまま横になった

 

「まずは水分補給!」

 

両手にペットボトルが二本

一本はポ〇リで

もう一本は水

 

先にポ〇リを貰って

半分くらい飲み干した

 

「は~ ・・・ 生き返った気分 ・・・」

 

ゲームで言うポーションだ

HP20くらいだったのが

HP60くらいまで回復した

(すぐに何処かに行くのは難しいけど)

 

「何で走ってきたの?

 こんな暑いのに」

 

少し落ち着いてきたのが分かったのか

ホッとした顔で疑問を口にする

 

「起きたのが待ち合わせ15分前で

 急いで支度して家を出たんだけど

 走らないと間に合わなくて ・・・」

 

「遅れるって電話すれば済むことだろ

 今にも倒れそうな顔で来るから

 頭真っ白になったんだから

 櫻井の事だから、朝からシャワー浴びただろ」

 

ぐうの音も出ない ・・・

浴びました ・・・

 

「それで走ってくるなんて

 無謀にもほどがある

 怒ってるんだからね

 それ全部飲んだら横になって

 水も置いておくから

 少しずつ飲んでよ」

 

「夏の陽射しで

 立ち眩みしたんだよ ・・・

 少し休めば治るから」

 

君はやれやれって言う顔をして

それ以上の言い訳は聞かないと言わんばかりに

頭を左右に振った

 

「はい ・・・ 休みます ・・・」

 

「新幹線に乗った頃だと思うから

 二人に連絡してくる

 後、ホテル内のコンビニに行ってくるね」

 

「待ち合わせは ・・・ か ・・・」

 

変えなくていいと言おうと思ったら

またも怖い顔で睨まれた

 

「すみません ・・・」

 

表情で『横になれ』と言われたので

そのままベッドに寝転んだ

 

目を閉じたら

君が部屋から出ていくのが分かった

 

 

テンション上がり過ぎて

無理しすぎたかな ・・・

 

 

 

 

 

 

 

<続きます>