取り敢えず打ち破ろうか 215 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

本家邸に行く時間だ

普段着で良いだろうと高を括ってたら

綾野君が渋い顔で頭を振った

 

「ええっ さっき画伯が

 普段着で良いよねって ・・・

 そう決めたんじゃなかったっけ?」

 

「ええ、仰られてましたが

 長として初めて橘の家の方々と

 お会いになられます

 あちら様に礼を尽くす必要が

 あるのではないですか?」

 

確かに御前が同席する

多分、橘の流れを汲む・・・と

かなり長い口上が有りそうだ

普段着で会うと言う事は

親しい間柄と言うよりは

軽視してると思われかねない

 

もしかして画伯は

公私の線引きがちゃんと出来るか

試したのかもしれない

 

あの人ならやりかねないな ・・・

 

画伯が戻ってきて

明日の話をした時

翔たちのご両親が来ることも

知ってたんだよな ・・・

 

豆屋さんから

どこまで聞いてるんだろう

ポーカーフェイスに誤魔化されて

俺達はあの人の手のひらの上に居るのかも

 

「剛君が言う事に

 間違いはないから

 スーツでいくよ」

 

儀礼的なことは

綾野君の方がよく知ってる

 

「ご用意してあります

 お着替えください」

 

有無を言わさない笑みが強いんだよな ・・・

流石お世話係(笑)

言われるがまま着替えて

部屋を出た

 

画伯、あの二人にも

試してるような気がしてきた

 

二人ともスーツで来るかな?(笑)

 

 

離れから暁殿の裏を通り

本家邸に渡る

扉の前には小瀧が控えていて

仰々しい挨拶をする

 

「長、お待ちしておりました

 長の間にご案内いたします」

 

本家邸にも長の間がある

一度、泊まったことが有るが

かなり格式高い作りになってる

(落ち着かないけど)

 

「小瀧、献納の儀

 ご苦労様

 少しは休めたか?」

 

「長、勿体ないお言葉

 ありがとうございます」

 

「いやいや、いつも通り話せ

 堅苦しくていけない」

 

「先輩、ここは本家ですよ

 それは無理です」

 

小声で教えてくれる

 

「確かにな ・・・

 分かった、少しは眠れたんだよな」

 

「はい、少しですが出来ました」

 

満面の笑みで答えて前を向く

段々お世話係になっていくんだな

 

長の間の前まで行くと

画伯が立ってて

「長、合格!」そう言って

にやりと笑った

 

やっぱそうだ

 

「翔たちは?」

 

「合格だよ」

 

翔兄がいるから

そこは大丈夫だとおもってたけど

しかし、侮れない人だよ

気を抜くところだった

 

部屋に入る前

綾野君が俺が来たことを告げる

 

「長がお渡りになられました」

 

また仰々しくお辞儀してるのか?

多分上段に座るんだよな ・・・

 

中に入ると予想通り

下段に御前、その後ろに

スーツ姿の翔たちが

頭を下げたまま待ってた

(画伯の作戦勝ちだな)

 

直ぐに綾野君に合図をして

頭を上げてもらうことにした

 

「お直り下さい」

 

不思議な感覚 ・・・

この場に二人がいることが

 

「長 ・・・ こちらに控えております

 二人をご紹介いたします

 橘の流れを汲む櫻井本家の二人でございます」

 

御前が2人に挨拶をするよう促す

 

「お目通りが叶い光栄でございます

 橘の流れを汲む櫻井家から参りました

 翔でございます

 ご招待いただき感謝いたします」

 

もしかして挨拶を憶えてきた?

そこまで堅苦しくしなくてもいいのに

でも、格好いい!

 

「お越しくださり

 嬉しく思います」

 

「私は橘の流れを汲む櫻井の分家より参りました

 名を翔と申します

 このような場に招待いただき

 誠に光栄に思います

 ありがとうございました」

 

翔兄は堂々としてる

画伯がいないのが残念

(どっかで見てるかな)

 

「遠い所、お越しくださり

 嬉しく思います

 お二方とも献納の儀に

 御参列くださったと伺いました

 寒い中、ありがとう」

 

「御前の配慮で参列が叶いましたこと

 嬉しく思います」

 

これどこまで続けるの?

そろそろ無礼講で良いんじゃないかな ・・・

誰もいないんだし

画伯入ってきてよ

 

チラッと綾野君を見ると

にこやかに笑って頷いた

 

「御前、そろそろ宜しいでしょうか?」

 

「長のお許しが出たようですな

 それではお言葉に甘えさせていただきます」

 

御前が後ろを振り返って

 

「普段通りに戻って良いそうだ」

 

その言葉を聞いて

二人がホッとした顔をした

その後すぐに画伯が中に入ってきた

 

ジャケット来てるし(笑)

 

 

 

 

 

 

 

<続きます>