君のいない迷路 37 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

少しうとうとしたのか

池田の声で目が覚めた

 

「着いたぞ」

 

俺の膝を数回叩いて

起こしてくれた

 

「ああ ・・・」

 

寝ぼけ眼を擦りながら立ち上がり

電車から降りた

 

「少しは休めたか?」

 

「ああ、お前がいてくれたから

 乗り過ごす心配がない(笑)」

 

「それは良かった(笑)

 寝れるうちに寝とけ」

 

冗談ぽく笑う

此奴なりの気遣いだ

 

親友のお前がいてくれるから

どんな難局でも乗り越えられるよ

(口にしないけど)

 

改札を抜けると

母が出迎えてくれた

少し表情が硬い

かなり心配してるのが手に取るようにわかる

 

「珍しいね

 いつもは車の中で待ってるのに」

 

「お帰りなさい

 偶には良いでしょ 

 ひ~ちゃん ありがとう

 迎えに行ってくれて」

 

あれ以来、母は池田をひ~ちゃんと呼ぶ

 

「やだ~ とうぜんよ」

 

条件反射かと思うほど

直ぐにお姉キャラが飛び出す

池田の機転の早さには脱帽

そのお陰で少し強張ってた母の顔も

いつもの和らいだ表情に戻った

 

「父さんは家に居るの?」

 

「ええ、息子の一大事だと言って

 飛んで来てくれたの」

 

こういう時の行動は早い父

母も心強かったと思う

夫婦として上手くいかなかった二人だけど

お互いを尊敬してるから変な蟠りはない

いつも思うのは

この二人は結婚しなかった方が

幸せだったような気がする

(俺は存在しなくなるけど)

 

ああ ・・・ そうか ・・・

高里にとって内田は大事な親友だった

だから流されなかった ・・・

賢明な判断だったんだ気が付いた

たぶん彼女は内田が思ってるより

内田の事が好きだったと思う

(好きの種類も色々だから)

 

「休みなのに悪かったな ・・・」

 

「悪くはないわよ

 父親なんだから

 それに問題を起こしたのは

 あの人の遠縁なんだから」

 

「櫻井、おばさん

 立ち話するよりは

 急いで家に帰った方が良いんじゃない?

 おじさんが首を長くして待ってるよ

 それに、祖父さんの家に行くなら

 早い方が良いと思うし」

 

「そうだね

 祖父ちゃんは何て言ってるの?」

 

母が迎えに来てるって事は

呼び出しは来てないって事かな?

 

「車に乗ってから話しましょう」

 

駅の改札、誰が聞いてるか分からない

話の核心は話せないのか

慌てた顔で歩き出した

 

「おばさん!俺が運転するよ

 櫻井は助手席な!」

 

一番冷静な池田が

車の運転を買って出てくれた

 

「大丈夫よ」

 

「俺が運転するよ」

 

「俺のいる意味!

 それに責任の一端は俺にもあるから」

 

外見とは違い男気の凄い奴だから

一度言い出したら引かない

 

「じゃあ、おねがいね」

 

母が車のキーを渡し

俺の隣に並んだ

 

さて、どんな話になってるのやら ・・・

問題山積みなのか ・・・

ちょっと心配になってきた 

 

 

 

 

<続きます>