取り敢えず打ち破ろうか 201 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

蒼さんとの話が終わると

待ってましたとばかりに

さとち君が飛んできた

 

「おはなちおわっちゃ?」

 

ふにゃっとした笑みを浮かべて

蒼さんと俺たち二人に聞く

大人顔負けの気遣いに感心してしまう

 

「終わったよ」

 

蒼さんが笑顔で答える

 

「じゃあ、あそんでもいい?」

 

お許しが出るのを

期待の眼差しで待つ顔

あまりにも可愛すぎて

これを断れる人がいたら

見てみたいと思った

 

「長も画伯も忙しいから

 遊ぶのは無理なんじゃないか?」

 

この世の終わりかと思えるほど寂しそうな顔をして

肩をがっくりと落とすから

思わず「大丈夫、遊べるよ」と答えてしまった

 

儀式を控えている長には

正直、あまり仕事がない

今の仕事は

『体調管理のみ』と言っても

過言ではない

 

「じゃあ、ゆきうさぎつくりたいの!」

 

「雪うさぎを作るの?」

 

「うん、もっちぇかえれるかな?

 みんなにみせちぇあげちゃいから」

 

近年、温暖化の影響なのか

都会で雪が降ることは滅多にない

雪が積もってるのが珍しいのだろうな 

 

「お外で作って

 帰るときに持って行く?」

 

「うん!」

 

蒼さんがやれやれって顔をして

 

「後で迎えに来るから

 遊ばせてもらうか?」

 

あくまで決めるのはさとち君のようだ

 

これ以上嬉しいことはないと言わんばかりの笑みを浮かべて

頷いた後、俺たちの方を向き

 

「それでもいいでしゅか?」と確認する

 

断れないでしょ!絶対に

 

「ちびちゃん、蒼さんが帰っても寂しくない?」

 

「がはくとおさしゃんと

 あやのしゃんがいるから

 ぜんぜんさみしくないの

 それに、あおちゃん、むかえにきちぇくれるもん!」

 

良いのかな?

全然寂しくないって言って ・・・

チラッと蒼さんを見たら

全く気にも留めていない様子

 

「三人とも本当に忙しくない?

 準備があるなら遠慮なく断ってよ」

 

「俺も長も

 今日は何もすることがない

 しいて言えば体調管理のみ(笑)

 ちびちゃんが忙しくないなら

 俺たちの相手をして欲しいよ」

 

改めてこっちからお願いする形をとってくれた

 

「それなら、よろしくお願いします

 チビ、ちゃんと言う事を聞いて

 遊ばせてもらいなさい

 夕方には迎えに来るから」

 

「は~い」

 

ニコニコ顔で手を挙げて返事をする

 

「そうだ 豆屋からの伝言

 儀式の前日の朝、ここに来るって

 彼はここに入れた?」

 

蒼さんの問いに綾野君が慌てた顔で応える

 

「ここに入れるのは画伯のみです」

 

「豆屋や俺たちが入れるのに?」

 

蒼さんが意地悪な質問をして

綾野君の表情を窺う

 

「蒼さん、さとし君、豆屋さんは特別です」

 

彼らは人でない

来るのは庭からだし

誰にも見られない

そう言いたいんだろうな(笑)

 

「本家の邸に案内すればいいんだよ

 あそこには長も入れる」

 

「その手がありましたね」

 

本家の邸にも長の間がある

離れに入らずとも

翔と一緒に豆屋さんと話は出来る

 

画伯と綾野君が

それが一番いい方法だと考えたようだ

 

「じゃあ、豆屋はここに来て良いんだな」

 

「はい、そうお伝えください」

 

蒼さんの念押しに

綾野君が大きく頷いて答えた

 

「そこに俺たちも同席しても良いのかな?」

 

画伯と翔兄の同席

どうなんだろう?

 

「良いと思うけど

 二人に関りがあるんだし

 画伯は真実をちゃんと見極めないとな」

 

「真実?」

 

「豆屋が教えてくれるよ

 それじゃ ・・・ 夕方迎えにきます」

 

蒼さんって意味深な言葉を残していくけど

答えを教えてくれない

 

「あおちゃん、あとでね~」

 

さとち君が縁側まで送って行き手を振った

 

「ふふ ・・・ みこしゃまが

 いちばんちりたいことを

 はなちてくれるんだっちぇ

 あとすこちだから、まっちぇちぇって」

 

さとち君は知ってるのかな?

聞いても言わないと思うけど

この子が笑うなら

安心して待てばいいのかな

 

 

 

 

 

 

<続きます>