取り敢えず打ち破ろうか 186 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

ラストが俺って

心臓バクバクしてきた

だって、どれも名品で

まさかの雑貨屋さんの器ですら

時を経て重厚な風格を醸し出してる

 

俺の器は粉引き

 

蒼灯さんが言うには

粉引きは『器を育てる』と言われて

使えば使うほど表情を変えるらしい

長く使えば使うほど味の出る器

 

ただ手入れを怠ると

シミやカビを呼んでしまうらしい

使う場合はひと手間がいると言われた

珈琲を淹れる前に器を湯で温めれば

問題なさそう(これは調べた)

 

「最後にお見せするのが俺の器で

 申し訳ないのですが ・・・

 蒼灯さんの助言を貰い

 粉引きの器「カフェオレボウル」を拵えました」

 

桐の箱から出し、二つを並べて置く

 

「きれいな うすぴんくとうすいおあ!

 とっちぇもきれい!」

 

「ところどころに入る『御本(ごほん)』が

 綺麗に入ってるな

 薄青、薄桃が綺麗にでてる

 これは将来が楽しみの器」

 

骨董屋さんが器の説明をしてくれた

まさに俺のイメージしたとおりの色合い

 

「濃紺で描かれた智と翔の字も良いんじゃない?」

 

雑貨屋さんも褒めてくれ

 

「器の色合いがほぼ白に近いから

 この字がアクセントのいなって

 いい味を出してるよ

 サクちゃん凄いな」

 

「サクにしては大したものだよな」

 

「俺は何もしてないの

 形を作って字を掘り

 色合いを決めて ・・・

 後は蒼灯さんにお任せしたから ・・・

 ここまで綺麗に色が出るとは思わなかったです」

 

焼いてみないと分からないと言われてたから ・・・

一番気になるのは貴方の表情

チラッと顔を見ると

貴方の瞳に涙が浮かんでた ・・・

何かまずかったかな?

 

「『カフェオレボウル』を育てる役目

 俺も入ってるんだよね」

 

「勿論!」

 

「最高の器だよ」

 

貴方のその言葉が一番の誉め言葉

江戸に行った甲斐があった

 

「色合いだけは運に任せたが

 二人が喜んでくれる器になった

 蒼灯もきっと喜んでるよ

 これを機に陶芸を始めてみては如何かな?」

 

豆屋さんが最後は締めてくれた

陶芸をやりたいと思うのは画伯くらいかな?

 

「おいらやりちゃい!」

一番乗りはさとち君だった

 

「豆屋さんが先生なら

 俺もお願いしようかな」

 

二番手は貴方だった ・・・

それなら俺も手を挙げないと

そっと手を挙げると

画伯が可笑しそうに笑って

翔兄の手を掴んで二人で手を挙げる

 

「その4人なら里に出張するよ(笑)」

 

「それなら、チビを連れて覗きに行くよ

 雑貨屋もくるよな」

 

「はい、時間が合えば(笑)」

 

って、超有名な二人と現当主以外全員じゃん(笑)

 

 

「ご当主、お披露目会

 無事に終了いたしました

 長い時間ありがとうございました」

 

豆屋さんが深々とお辞儀をして

お披露目会を締めてくれた

 

「このような会を

 月見亭で開催でき

 智翔のお二人も

 さぞお喜びだと思います

 江戸の月見亭で頷いていらっしゃるはずです

 私といたしましては

 甲乙つけがたい名品ばかり

 それらを見ることが出来ましたのは

 偏に豆屋様のお陰だと思います

 そして、皆様のお陰

 心より御礼申し上げます

 お昼のお支度をさせていただきましたので

 ご鑑賞の後、母屋の客間にお越しください

 一足お先に、戻らせていただきます」

 

「ご当主、ありがとうございます

 少しの間、作品を鑑賞させていただきます」

 

蒼さんが代表で応えてくれた

 

現当主は母屋に戻って行き

その後を豆屋さんがついて行った

 

 

「サクちゃん、若ちゃん達と話せるかもよ」

 

画伯が小さい声で教えてくれた

 

「どうして?」

 

そんなことが出来るのかな?

 

「豆屋さんが席を外したから」

 

ああ ・・・ 

蒼灯さんが向こうに居るからか ・・・

 

 

話せたら嬉しいけれど

話せなくても

貴方と一緒に

作品をじっくり見たいと思う

 

 

 

 

 

<続きます>