君のいない迷路 23 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

遅めの昼めしを東京駅の近くで済ませて

池田と母は同じ新幹線で帰って行った

 

「昔のお前に戻れよ

 それこそ冷徹で良いから

 それと万が一動きがあったら

 俺かおばさんに電話する事

 今回の件、一人で解決は無理だからな」

 

穏便に済ませたつもりでも

相手の出方で変わってしまう可能性もある

会社では俺が一番の下っ端になる

 

「分かってるよ」

 

「苦しくなったら帰ってきなさい

 その場所に違和感を感じたら

 そこは貴方の場所じゃないのかもしれない

 逃げるんじゃないのよ

 自分に合った場所を探すための撤退

 頭を柔らかくしなさい」

 

発想の転換は重要だと思う

 

「まだ始まったばかりだから

 これを乗り越えなきゃ

 何者にもなれない

 でも、母さんの言葉は 

 心の中のどこかに置いておく」

 

仕事は楽しい

だから続けたいと思ってる

ただ ・・・ ここ(東京)が合ってるのかは

未だ分からない

 

「そうね、頑張んなさい!

 いい加減でね(笑)」

 

「うん、いい加減で頑張るよ

 母さんも体に気を付けてよ」

 

「毎日楽しく過ごしてるわよ

 だから、心配しないでね

 また遊びに来るから」

 

「来てくれてありがとう

 嬉しかった」

 

これは素直な気持ちだ

社会人になってるのに母親を頼る?って

眉を顰める人もいるけど

心が弱ってるときは

母の顔を見るだけでホッとする

(まだまだ子どもって事かな)

 

「俺には?」

 

「池田には感謝してもしきれないよ

 また遊びに来てくれ

 今度は彼女を連れて来てほしいな」

 

「ああ ・・・ 善処する

 お前も帰って来いよ

 2時間も掛からないんだから」

 

「うん、そうだな」

 

「じゃあ、新幹線の時間だ

 おばさん、行きましょう」

 

池田が母をエスコートして

改札を抜け

二人が軽く手を振って歩いて行った

 

 

二人に此処までして貰ったんだ

しっかりしなきゃ

足をすくわれてしまう

 

携帯を取り出して

君にラインをした

 

「もう寝た?」

 

「起きてるよ」

 

直ぐに返事が来た

 

「今、池田と母が帰って行ったんだ」

 

「二人が来てたの?」

 

「うん、見送るのって寂しいな」

 

「見送られる方も寂しいよ」

 

「どっちも同じか ・・・」

 

「うん、どっちも同じだよ」

 

彼は送られるのは嫌だと言った

一人で帰すのが寂しいからと

 

「智に早く会いたいな」

 

「僕も会いたいよ」

 

その言葉だけで十分幸せな気持ちになる

 

「話してても大丈夫?」

 

「うん、部屋に着くまで付き合うよ」

 

君の優しさで満たされていく ・・・

俺には君が必要なんだと

改めて思い知ったよ

 

 

 

 

 

<続きます>