君のいない迷路 21 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

彼からの電話 ・・・

日本は夜中の2時過ぎ ・・・

何かあったのかな?

 

「先輩、ちょっと電話出ます!」

 

携帯を手にして見せると

大きく頷いて

 

「そこの本屋にいるから

 終わったら合流しよう」

 

そのまま店を出て行った

 

「はい、大野です」

 

何かあったのかもしれないけれど

ここはいつも通りの声で ・・・

 

「智(さと) ・・・ 今大丈夫?」

 

大丈夫じゃないのは彼の方

声が落ち込んでる

(昨日は元気だったのに)

 

「うん、大丈夫よ」 

 

どうしたのかって聞きたいけれど

彼の場合は話しをするのを待つ方が良い

 

「そっちは ・・・ 午前中だっけ ・・・」

 

「そっちは夜中だな」

 

「うん、色々考えてたら眠れなくて

 声が聴きたくなった ・・・」

 

「明日、違った今日もお休みなんだろ?」

 

「うん」

 

「じゃあ、夜更かししても

 朝寝できるから

 ゆっくり話せる」

 

これは長くなりそうだな ・・・

先輩には申し訳ないけれど

本屋でゆっくりしててもらおう

 

「自分ではしっかりしてるつもりだったけど

 思ってたよりポンコツな上に

 世間知らずで ・・・

 かなり凹んでる」

 

世間知らずか ・・・

僕もそうだったけど 

多分、僕よりもそうかな 

 

「それは当然だよ

 僕たちはまだまだひよっこだよ

 少しずつ知っていけばいいと思うな

 こっちに来て、僕も失敗だらけ

 意思疎通が出来なかったから

 一か月くらいは、失敗する度に

 帰りたいって思ってた」

 

「全然そんなこと言わなかったじゃん」

 

「櫻井が頑張ってるのに

 社会人3年生の僕が

 弱音は吐けないと思って

 それに考え方ひとつで変われるだろ

 失敗は成功のもとだから」

 

仕事の事じゃない気がする

となると ・・・ 人間関係

もしかしたら女性かな?

 

そうだとしたら僕の言葉は的外れ

 

「うん、そうだな」

 

声のトーンが変わらないから

多分、人間関係だ ・・・

 

「夏に来るんだよね」

 

「そのつもりだけど

 泊まるところは僕の所で良い?

 それともホテルを取る?」

 

話題を変えたほうが良さそう

もし女性が関係してるなら

僕には絶対に言わない 

だから池田君も内容を言わない

そして解決したはず 

 

「智の部屋で泊りたいけど

 先輩がいるだろ

 迷惑じゃない?」

 

「割と広いアパートメント

 日本だとファミリー向けの広さで

 僕の部屋の2倍はあるかな

 だからそんな気を使わなくていいと思う」

 

彼の夏休みが

先輩の彼女さんの夏休みと同じとは限らない

日にちが決まってから話そう

 

「じゃあ、智の部屋に泊まる」

 

少しずつ声が明るくなってきたから

ちょっとホッとした

 

「今から楽しみだよ」

 

「ついこの間

 3人で会いに行くって言ってたのに ・・・

 内田は無理みたいだし

 池田も無理だろうな ・・・

 二人に彼女が出来たの知ってた?」

 

もしかして知らなかったの?

内田が彼に話すとは思わなかったから

知らないのは当然なんだけど

池田君の彼女も知らなかったんだ意外だ

 

「その沈黙は ・・・

 知ってたな」

 

少し拗ねたような声だ(笑)

 

「ごめん、どっちも知ってた

 内田はさ ・・・

 高里に「待たないで欲しい」って言われたんだ

 持って行き場のない恋心を抱えたまま

 彼女と出会って

 その彼女が恋心ごと抱きしめたから

 付き合うことになったって聞いた」

 

「つまり振られてたの?」

 

その事も話してないって言ってたな

 

「平たく言えばそうだよ

 櫻井は新天地での生活があるから

 言えなかったって ・・・

 今が一番楽しいんじゃないかな」

 

「全然知らなかった ・・・

 絶対に文句を言ってやる

 水臭いだろ ・・・

 って池田もだよ

 なんで言わない?」

 

池田の彼女については

池田本人から聞いて欲しいな ・・・

 

「内田と同じだよ

 櫻井、余裕がない感じだったし

 落ち着いてからって

 思ってるんじゃない?」

 

そこにいるんだから

聞けばいいのに ・・・

 

「俺が余裕なかったのは事実だから

 そうだな、二人の気遣いだな

 智と話したら肩が軽くなった」

 

「じゃあ、寝れそう?」

 

「うん、寝れそう

 こうやって遅くまで話してたよな ・・・

 この時間帯なら話せるじゃん

 これから電話する」

 

「もう少し早くても良いよ

 そっちの午前0時なら

 僕も起きてるから」

 

「時差表を作って

 今度ラインにのっけるから

 それ見てお互いに電話しようよ」

 

「分かった」

 

「じゃあ、また電話する

 智、ありがとう」

 

「ふふ、元気な声に変わったから安心

 お休みなさい」

 

何が有ったのか詮索しないで良かったと思う

彼の場合、どうしても家が付いて回る

女性が関係してるって事は

(はっきりしてないけど)

結婚相手と言うことだろう

 

それに関して僕は何も言えない ・・・

 

 

 

 

<続きます>