君のいない迷路 11 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

記憶の海の中に潜り込んで

思い出そうとしても

全く持って記憶にない

ないものはどんなにひっくり返しても

出てくるわけもなく

池田が聞く前に俺の方が先に声に出してた

 

「鍵、持っててなんて言ってませんけど

 いつから持っていたんですか?」

 

感情的になったら負けだと思い

至って冷静な声で聞きながら

スペアキーを入れていた引き出しを開けた

ん? ・・・ 2本あるはずの鍵が

一つなくなってた ・・・

(よく見ないと分からない様に置いてある)

 

「一緒に食料品を買に行った日

 『鍵を持ってて』と言われたので

 そのまま合鍵を預かりました」

 

一緒に買い物に行った日?

金曜に酔いつぶれて泊まり

土曜の朝に帰り

日曜に忘れ物を取りに来た

その時だよな ・・・

 

「あら、そんなことが有ったの?

 翔、何とか言いなさいよ」

 

池田がお怒りモードの声を出す

 

「それって酔いつぶれて泊まった

 翌々日の話?」

 

「時系列が見えるわね

 金曜、酔ったふりして泊まり

 翌日一旦帰った後

 日曜に態と忘れたものを取りに来たんでしょ

 忘れたら困るもの ・・・

   携帯はその日に来るわね 

 それなら ・・・大事なものが入ったポーチとかかしら?」

 

池田の言う通りポーチを忘れたと言って

10時ごろに取りに来た

此奴、絶対に探偵になれるな ・・・

 

「ええ、その時買い物にご一緒して」

 

「物は言いようね

 貴方勝手について行ったんでしょ?

 そして、強引に料理を作るとか

 何とか言って

 お昼ご飯を一緒に食べた」

 

「とっても美味しいって言ってくれました ・・・」

 

にこやかな顔で返事をする

 

「ちょっと整理させて

 あの日、俺は駅まで忘れ物を届けに行った

 そしたら先輩がお礼がしたいからと

 買い物についてきましたよね」

 

「全然、話が違うじゃない(笑)」

 

うすら笑いを浮かべて

軽蔑の視線を向ける池田

 

「それで部屋に連れて帰ってきたの?」

 

今度は尋問するよ言うな眼差しを俺に向ける

 

「お礼にご馳走を作りますっていわれて」

 

「馬鹿ね、何で入れるのよ

 それなら高級ランチを

 ご馳走してもらいなさいよ」

 

それはそうなんだけど

その時はそこまで警戒していなくて

昼間だし無下に断るのも悪いかと思ったんだ

 

「ああっ! ・・・ 俺が荷物を持ってたから

 鍵を開けてもらって

 部屋に帰るまで持っててと言う意味で

 『持ってて』って言った

 それで、部屋に戻って

 リビングの机の上のガラスの受け皿に

 置いといてと言ったんだ ・・・」

 

思い出してきた ・・・

鍵に関しての事はそれ以外にない

 

「だそうですって

 アンタ、どこの鍵を持って行ったの?」

 

「引き出しの中のカギだよね

 今見たら一本無くなってる

 いつ持ち帰ったんですか?」

 

「だから、その日です

 ちゃんと聞きましたよ

 持って帰っても良いの?って」

 

彼女は一体どの世界線で生きてるんだろう

俺は言っていない ・・・

 

言った言わないの話になると

証拠が必要になってくる ・・・

正直、証明するのは難しい

何故なら第3者がいないからだ

それでも否定はしておかないと

 

「仁志、俺は言ってないから」

 

恋人なら名前で呼んだ方が良いだろう

 

「本当に?」

 

「お前に嘘ついたことないだろ?」

 

池田の作戦に乗っからせてもらう

 

「そうね、貴方だらしない所はあるけど

 嘘だけはつかないもの

 それにねえ ・・・ 

 恋人だと言ったけど

 この人とキスでもしたの?」

 

「ええ、この部屋に泊まったんですよ

 何もないはずないじゃないですか

 ねえ そうだよね櫻井君」

 

何処からその自信は沸いてくるんだろう

あの日は酔っぱらってた ・・・

それでも記憶はちゃんとある ・・・

 

甘ったるい言葉で

粘質系の視線を向けられ

正直、興ざめと言うか ・・・

嫌らしさだけが目についてきた

 

「証拠はあるの?

 写真とか ・・・」

 

「ええ、櫻井君が撮ってくれた

 私の寝顔です」

 

はあ? ・・・ 携帯にも触ってないのに ・・・

 

画面を見た池田が一喝する

 

「翔が撮った証拠がないわ

 このソファーみたいだけど

 アンタ、その日何処で寝たの?」

 

憶えてるはずがないんだ

酔いつぶれて記憶がなかったと

言ってたんだから

 

「目が覚めた時はこのソファーに居ました」

 

「翔は?」

 

「先に起きてて

 多分一緒に ・・・」

 

「馬鹿なの?

 いい加減嘘はやめてくれない!

 状況的に言えば

 勝手にこの部屋の鍵を持ち出し

 時々来てたわよね ・・・

 鍵泥棒と不法侵入よ」

 

「勝手に入ってません

 彼が来て良いと言ったから」

 

確かに何度か部屋には来てるけど

来ていいとは言っていない

 

「翔がいるときに来て

 いろんなところに

 忘れ物を置いていったの?

 翔は気が付いてないけど

 洗面所にピアス置いたり

 エプロンや可愛らしいハンカチやら

 それはアタシへのけん制?」

 

俺って ・・・ とことん抜けてるな ・・・

そんなものがこの部屋にあったなんて

聞いてるうちに落ち込んできた ・・・

 

 

 

 

<続きます>