君のいない迷路 9 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

部屋に帰る道すがら

池田からいくつか質問された

 

「部屋に泊めたのは1回だな?」

 

「ああ、一度だけ」

 

「どっちが先に寝た?」

 

「相手が酔いつぶれていたから

 ソファーに寝かせて

 その後、一人で寝室のベッドで横になった」

 

「あの部屋、鍵はついてたよな」

 

「勿論、内側から鍵を掛けた」

 

「酔っぱらってた割には

 冷静な行動じゃん!」

 

感心したように笑いながら

俺の背中を2,3度叩いた

 

「飲んだけど酔ってはいない

 俺の周りは蟒蛇ばかりだから

 あれくらいの酒では酔わない」

 

「あはは ・・・ 酒飲みが功を奏したって訳だ」

 

「そうとも言えるな

 それに寝れなくて ・・・

 智(里)に描いてもらった絵や

 旅行の時の写真を見てた」

 

「つまり愛の力だな(笑)

 写真を撮られてなくて良かった

 お前が寝たのを見計らって

 隣に寝転んで写真でも撮られたら

 どんなに否定しても

 嘘がまかり通る ・・・」

 

「そこまで ・・・」

 

「そりゃ騙されるわ ・・・」

呆れ顔のまま俺を凝視した

 

 

確かに自分の望みを叶えるためには

どんな手を使ってでもと言う人もいる ・・・

それくらいは見抜けると思ってた ・・・

 

「俺って ・・・ 見る目がない?」

 

何を今更って表情を浮かべる

(やっぱないんだな)

 

「ない!特に女に対しては見る目0

 じっくり相手を見極めるってことをしない

 常に遊び相手として女性を見てたから ・・・

 今回はいつも叱られて泣いてる

 可哀想な先輩って気持ちが先に立って

 相手の本質を見抜けなかった

 だから追い込まれたんだろ」

 

その通りだ ・・・

深く考えなかった

 

お局だと思ってた人が

とても優秀なキャリアウーマン

まさにクールビューティーな人だった

企画室の女史(この人もクールビューティー)が憧れるのも

頷ける人だったと知って目が覚めた

 

女の涙に弱くなかったのに ・・・

女の涙に騙された ・・・

 

「問題は拒否した後だぞ

 そこは彼女と対峙した後に

 相談しよう

 変な噂を巻き散らかされたら厄介だ

 企画室の女史は味方になってくれそうな人?」

 

「ああ、姉御肌の人だけど ・・・

 どうかな ・・・」

 

信頼できる相手だと思う

内田が好きだった高里に似てる 

 

「高里みたいな女性」

 

「ふ~ん ・・・ それなら

 事情を話せば力にはなってくれそうだけど

 少し様子を見た方が良いな

 今は目の前の事を解決する」

 

前から思ってたけど

此奴を敵にだけはしたくない

何処まで先を見てるのか

皆目見当がつかない

俺はまだまだだな ・・・

 

「部屋の前にいると思う?」

 

「そこまで分かりやすい相手だ良いんだけど」

 

「それの方が分かりやすいの?」

 

「ああ、分かりやすい

 お前を心配してることを前面に押し出す

 少し考えてる女なら

 部屋に入って5分後辺りに来る

 『近くまで来たから寄ったの』って

 何食わぬ顔で

 そんな偶然ないだろ?」

 

そう言って苦笑いを浮かべた

 

「なんでそこまで分かる?」

 

「俺はお前の遊び相手の女から学んだの

 あの頃は派手だっただろ」

 

それを言われると

ぐうの音も出ない 

 

「面目ない ・・・」

 

あの頃は来るもの拒まず

去る者追わずのスタンスで

博愛主義の遊び人を気取ってた

(穴があったら入りたい過去)

 

「いい勉強になったから

 お前に感謝だけど(笑)」

 

女にだらしない俺を

呆れながらも傍に居てくれた ・・・

 

「まさか ・・・ お前 ・・・」

 

顔を凝視すると

ムスッとした顔をして

 

「勘違いするな!

 お前を観察をしてるのは楽しいが(笑)

 ちゃんと彼女はいるから

 あくまで演技な」

 

サラッと重要な事を言った

 

「え?彼女?」

 

しまった!って顔をして

頭を掻きながら

 

「その話は後で ・・・」

 

それ以上は教えてくれなかった

 

 

いつの間に ・・・ 彼女が出来てるの?

それが一番の驚きだよ ・・・

 

 

 

 

 

 

 

<続きます>