mian (希望)11 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

イライラしている理由 ・・・

多分 ・・・ 私に対してだ

何処かに残っているのだろう

記憶の欠片が ・・・ 

それも ・・・ いずれ消えてなくなる

 

それまでは、そのイライラを受け止めてやるよ

 

寮長も食堂のスタッフも

話をしたらすぐに打ち解けてくれた

それも君には面白くなかったようだ

 

嫌われていた方が

私には好都合なんだが 

 

「お茶を飲む時間はある?」

 

さっきの約束を伝えると

渋い顔をして携帯を取り出した

 

「予定 ・・・ は入っていない」

 

苦虫潰したみたいな顔で答える

まるでそれが悲劇のような出来事の如く 

 

「何が飲みたい?」

 

「え? ・・・ なんでも ・・・」

 

お茶を諦めると思ったんだろうな

鳩が豆鉄砲を食らったみたいな顔をする

 

「花茶はどう?」

 

「花茶?飲んだことがないけど」

 

「じゃあ、花茶をご馳走するよ」

 

楽園の奥にある

蒼の森の蒼い花から作った花茶

君のイライラが無くなるように

 

「ご馳走するって

 何処で売ってるの?」

 

「売っていないよ

 俺の部屋に招待するよ

 菓子はないけどね」

 

「部屋には入ってないのに

 お茶をご馳走? ・・・」

 

「荷物だけは運び込んでるから

 お茶くらい淹れれるよ」

 

大概の物は揃えてあるはず

なんせ、あの部屋特別ルーム

 

「荷解きしてないだろ?」

 

「荷解きって程の荷物はないから

 手伝わせるつもりはないよ」

 

「じゃあ ・・・ ご馳走になるよ」

 

『じゃあ』は余分じゃないかな(笑)

 

表情を見てると

そこまで嫌そうではない

嫌なら、最初に断ってるはず

あの特別ルームに興味があるみたいだし

(いきなり森の小屋には連れてけない)

 

さて、王子が用意した部屋は

どんな感じになってるのか

ちょっと楽しみではある

 

最初の客が君なら申し分ない

 

多くは望んでいないんだ

君の傍で君の笑顔を見れたら

友人と言う立場で ・・・

 

この様子だと友人は危ういかも

相当嫌われてるし(笑) 

 

「どうぞ、入って」

 

ドアを開けたけれど

私の方が驚いた

 

「王子様の部屋みたいだ ・・・」

 

ポカンとした顔で

部屋中を眺める君

 

何をどうしたら

ここまで豪華な部屋になるんだ

寮の部屋、3部屋くらいの広さで

内装もかなり凝ってる

君が言った通り

離宮の王子の部屋みたいだ

 

よくよく観察すると

家具は私たちが使っていたもので

絵は ・・・ 私が描いたものだった ・・・

(まるでタイムカプセルのような部屋)

 

「間違いかもな」

 

冗談ぽく言うと

君は真面目な顔で

 

「それはないでしょう」

と即答した

 

「そこに座ってよ

 花茶を淹れるから」

 

王子がこの部屋だと言うのなら

ありがたく使わせてもらうよ

あの頃が昨日みたいに蘇ってくる

 

花茶は少し温めのお湯で淹れないと

香りが飛んでしまう

あまり温すぎても香りが立たないから

お湯の温度には気を使う

 

「良い香り ・・・

 こんなお茶 ・・・

 どこで手に入れたの?」

 

「飲んだことない?」

 

「無い ・・・

 O国の紅茶は品質も最高級だけど

 それでもこの香りには敵わない」

 

花の香りが部屋中に広がり

まるで花畑にいるような感覚に陥ったのだろう

蒼の花の花茶は拙かったかな ・・・

 

「俺の田舎で作られてる花茶だから

 知られていないんだな」

 

「それならそうかも ・・・」

 

「どうぞ」

 

花茶が入ったカップをテーブルに置くと

君は直ぐに手に取り

香りを楽しんだ後、口を付けた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<続きます>