mian (希望)9 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

君も永い眠りにつき

同じタイミングでの転生したようだ

魂の修復は済んでいたのに

これほど長い年月が流れたことに驚いた

どこかで間違えたか?

思い返しても心当たりはない

気まぐれな時の神が細工でもしたのかな

(そんな君がいるかは知らないが)

 

何気なく聞いたことに狼狽えてる君

もしかして ・・・

教師になりたい訳ではないのかも?

 

「代々このアカデミーの学長を務める家に生まれた以上

 その道に進むのが当たり前で

 外に考えたことはない」

 

考えた末にぼそっと呟く

 

私が転生するまではそうだったが

この先、Secretミッションは無くなる

それならば、アカデミーに縛られることなく

自由な道を選べばいいと思うけど

 

「他にやりたいことはないの?」

 

考えたことはないと答えた以上

返事は期待できないけど

少しは夢を持ってほしい

 

「例えば?」

 

それを私に聞くのか ・・・

 

「この星を変えるための仕事とか?」

 

「大きく出たな」

 

私の言葉に呆れかえった様子

 

「この星の中でO国は恵まれている

 でも、未来の事を考えたら

 このままで良いわけがない」

 

「確かにそうだけれど ・・・

 この国は母星から干渉されない

 その逆も然りで、干渉できない」

 

「なるほど ・・・

 そんなことになってたのか ・・・」

 

O国は母星の食糧倉庫と呼ばれている

食料輸出には限界がある為

シェルター内にある農業プラントに種を提供している

(これが滞れば母星に住む人は生きていけない)

だからこそ、蒼が全力で守っているともいえる

 

「そんな事も知らないのに

 偉そうなことを言うんだな

 じゃあ、君は何故絵を描いてる?

 それは未来のこの星の必要なの?」

 

母星の再興が最優先なのは分かるが

癒しも必要になる ・・・

走り続ければ倒れてしまうのだから

 

「確かに芸術は腹の足しにはならない

 だけど、心を豊かにする事はできる

 絵を見て感動したり

 その絵に揺り動かされたりもする

 歌を聞いて心が癒されたり ・・・

 そう言うのってこの時代だからこそ

 俺は必要だと思う」

 

アカデミー内には沢山の絵や彫像が飾られている

多分、このアカデミーの歴史と言っていいだろう

 

「・・・ それはそうだけど ・・・

 余裕がなければ出来ない話だろ」

 

ものすごく苛ついた表情を浮かべた

 

「君はよほど余裕がないんだな」

 

「余裕がないんじゃない ・・・

 この国に居ても

 母星が危ういのは理解してる

 どうやったら蒼い星に戻れるか

 ずっと考えてるよ ・・・

 何も出来ないから歯がゆいんだ」

 

ふふ ・・・ 性格は変わっていないな ・・・

力もないのに食って掛かって

処刑されかけた君にそっくりだ

 

「ちゃんと夢は持ってるじゃん

 それを形にしたらいいだろ

 学長は継がなくていいって言うはず」

 

音楽会が終われば

この国は少しずつ変わっていく

その為には現王子に

頑張って貰わないといけないけど

 

君は大きなため息をついて

 

「そんな簡単に事は進まないんだよ」

 

吐き捨てるように言った

 

 

君の家が学長を続ける理由は無くなったんだ

今の学長が健在のうちは

夢を追い続けて欲しい

 

「今すぐになるわけじゃないんだろ

 決めつける必要はない

 在学中に考えればいい話」

 

ちょっと言い過ぎたかな?

君は黙り込んで

俺の前をすたすた歩き

美術科の教授の部屋の前で止まった

 

 

 

 

 

 

<続きます>