取り敢えず打ち破ろうか 138(サクちゃん編) | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

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大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

若ちゃんはささやかな宴だと言ったが

全然そんなことはなく

かなり手の込んだ料理が並んだ

俺達が蒼灯さんの所に行っている間に

作ってくれていたんだと思ったら

胸が熱くなって泣きそうになった

(明日笑顔でお別れできるかな)

 

さとち君はずっと上ちゃんのお膝の上

上ちゃんが時折、寂しそうな表情を浮かべてることに

気が付いたんだと思う

 

「サク殿 ・・・」

 

お酒を注ぎに来てくれた若ちゃんが

真面目な表情で

 

「明日の朝は、さとし殿の事

 よろしくお願いします

 笑顔でいようと我慢する子なので」

 

「涙を見せないよう

 頑張る子ですものね

 気を付けます」

 

若ちゃんは何度も頷きながら

 

「自分が泣けば翔が泣く

 そう思っているから我慢します ・・・

 向こうに着いたら褒めてあげてください

 それをお兄ちゃんにも伝えてくださると

 ありがたいです

 あの子を一番癒せるのはお兄ちゃんですから」

 

さとち君の心配を続ける 

若ちゃんと上ちゃんにとって

さとち君は我が子と同じなんだと思えた

翁にとっては孫かな 

 

「任せてください

 雑貨屋さんと二人で

 思いっきり褒めます ・・・

 若ちゃん ・・・」

 

「はい、なんですか?」

 

「俺たちの滞在を快く引き受けてくれて

 ありがとうございました

 ここに来て、本当に良かった ・・・

 若ちゃん、上ちゃん、翁、蒼灯さん

 上毛屋、若智屋の皆さんの温かさに

 感謝してもしきれないです

 いろいろなことを学べました ・・・」

 

「そうかい?」

 

「ええ、どんなことも

 自分の目で確かめないと

 本当の事は理解できない」

 

「それはどういう意味だい?」

 

「若ちゃんがこんなに働き者で

 切れ者だったとは(笑)」

 

冗談ぽく言ったけど事実だ

歴史の教科書は

詳しいことは教えてはくれない

 

「買い被りすぎだな

 私は絵しか描けない

 盆暗主だよ」

 

それこそ謙遜しすぎ

そんな人が周りからこんなに慕われるわけがない

 

人の上に立つ者の心構えを

教えてもらった気がする

翔兄にも伝えないと ・・・

ああ、翔兄は上ちゃんなんだから大丈夫か ・・・

 

「絵も描ける主だよ

 そうだ、忘れたらいけない

 依頼の絵、引き受けてくれて

 ありがとうございます

 絵と対面できる日を楽しみにしてる」

 

「ああ、それがあったな

 ゆっくりじっくり考えて

 春にぴったりの絵を描くよ」

 

まだ絵は描かれていない

どんな絵になるのか

今から楽しみだ 

 

「あっという間だな 

 3人が来たときは

 どうやって過ごしてもらおうかと

 彼奴と相談したが

 楽しんでもらえたかい?」

 

この人たちの温もりは優しい ・・・

俺もこういう人になりたい ・・・

ここに来た意味を知った気がする

 

 

「餅つきも蕎麦打ちも陶芸も

 初詣に湯屋 ・・・

 どれも楽しかった ・・・

 向こうでは経験できないので ・・・」

 

「そうかい?

 陶芸は出来るだろ

 蒼灯殿がいるからな」

 

「雑貨屋さんを差し置いて

 それは無理かなと ・・・」

 

「雑貨屋殿と一緒なら可能だな(笑)」

 

確かにそうだけれど

向き不向きもあるから

そこは遠慮しておこう

 

「雑貨屋さんは ・・・」

 

「やらないな(笑)」

 

若ちゃんが可笑しそうに笑って

お酒を口に運んだ

 

いつか智君にも

若ちゃんと話をさせてあげたい

凄く気が合いそうだ

 

 

「あらら、少し酒を控えるように言わないと

 彼奴は泣くから ・・・」

 

上ちゃんの様子を見てた若ちゃん

慌てた顔で上ちゃんの隣に座り

さとち君を膝の上に抱っこして

翁がいる方に向き直った

それに気が付いた蒼灯さんが

反対側に座って

上ちゃんの相手を始める

 

「見事な連携ですね」

 

雑貨屋さんが笑みを浮かべて

5人の様子を眺めていた

 

 

 

 

 

 

 

いよいよ明日の朝 

東京に帰る

 

 

 

 

 

 

<続きます>

 

一日延びちゃった💦