make a wish 166 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

いつものようにランチボックスを手に

中庭に向かおうとしたら

後ろから声を掛けられた

 

「智君!」

 

聞きなれた声に驚いて

振り向くと翔さんが立ってた

 

「翔さん ・・・ どうしたんですか?」

 

「やっぱりライン見てなかった」

 

想定内だと言う顔で笑う

 

「ごめんなさい

 工房内で携帯は見ないから」

 

いつもは工房の外に出たら

直ぐに携帯を確認するんだけど

今日に限って見なかった

 

「謝らないで

 仕事を終わるのを待てば良かったんだけど

 ずっと会えなかったから

 お昼休みなら話せるって

 急いできたんだ」

 

マサキさんと観光ルートの下見に忙しくて

僕の方も餞別作りで

離宮に戻っても殆ど工房で過ごしてた

 

「じゃあ、一緒にお弁当を食べながら

 話しませんか?」

 

「きっとそう言うと思ったから

 俺もサンドウィッチを持ってきたんだ」

 

紙袋を持ち上げて見せてくれる

近くのパン屋さんで買ったのかな?

 

「買ってきたんですか?」

 

「ううん、カズナリ執事が用意してくれた」

 中庭のベンチは空いてるかな?」

 

カズナリ執事が手配してくれたって事は

夏休みの件だ 

 

「空いてますよ

 ほぼ、僕の貸し切りです」

 

昼休みが日本より長い為

(割とルーズ)

家に戻って食べる人もいる

街に出る人も多いから

工房に残って食べるのは僕くらいだ

 

「貴方のお弁当の中身が気になるな(笑)」

 

少年のように笑う翔さんの顔が

眩しく見えた

 

「今日はおにぎり弁当です」

 

離宮ではおにぎりがブーム

流石に梅干しは入っていないけど

 

「それはご相伴に預かりたい!」

 

「じゃあ、交換しましょう」

 

一緒に食べると楽しいし美味しい

 

二人で並んでお弁当を広げ

最初に翔さんの持ってきたサンドウィッチ

その後、おにぎりに齧りついた

 

「やっぱ、おにぎりは美味しい

 侯爵邸でも作って貰おうかな」

 

「王子が和食が好きなので

 お味噌汁とかも出てきますよ」

 

「それは食べたい!」

 

日本食が恋しくなる日がある

王子は日本で暮らしていたから

時々食べたくなるんだと思う

 

お弁当を食べ終わってから本題

 

「それで、急用だったんですか?」

 

「上田と連絡を取ったんだけど

 亀梨君たちと一緒の来るって

 話が出てるようなんだ

 何か聞いてる?」

 

「商店街の二人と亀ちゃんが

 一緒に来るって聞きましたが

 上田君たちも一緒なんですね

 ってことは 5人で一緒ですよね ・・・」

 

翔さんは上田君との話を教えてくれた

 

「泊まるところは侯爵邸になったんですね

 となると ・・・ 後はどうやって来るかですよね

 師匠が蒼さんに聞いてみるって」

 

「だから、亀梨君から

 旅券の手配にストップが入ったんだ」

 

「そうなりますね

 同じ日に移動なのかな?」

 

そこまで広げても良いのかな

 

「そこなんだよね

 俺たちの家族は

 移動方法を知ってるけど

 上田たちにまで教えていいのか ・・・」

 

「師匠の返事を待つしかないですね」

 

「智君、編集君が来ても大丈夫?

 小説のヒロインが貴方だと気付かれるかも?」

 

翔さんが言いにくそうに呟いた

 

「気付かれても良いです

 自分から言う気はないですが

 隠す必要もないので

 翔さんは困りますか?」

 

「俺は困らないけど ・・・」

 

「それに ・・・ 気が付いても

 聞かないと思いますよ」

 

「確かに面と向かって聞かないな ・・・

 いや、彼奴なら聞きそう」

 

「会ったこともありますし」

 

「これだけの大所帯

 親戚の集まりだと言うつもりだから

 詮索はしないと思ってる」

 

「いつも通りにしていれば

 気づかれないと思います

 家族も来てるので」

 

僕の両親は何となく気がついてるけど

翔さんのご両親は気が付いていない

だから、そこは慎重に行動するつもりだ

それに、旅先だから

旅を楽しむことだけを考えると思うんだ

 

「そうだな

 智君、ありがとう

 隠す必要がないって言ってくれて

 すごく嬉しかった」

 

「僕より困るのは翔さんですよ

 有名人だもん」

 

「関係ないよ

 俺は俺だから」

 

そう言って僕の手を握りしめた

 

 

王子は侯爵を見てたら

何も気にする必要はないって思えたんだ

 

 

 

 

 

<続きます>