取り敢えず打ち破ろうか 80 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

昔も今も同じ想いを抱えている

立場は同じにはずなのに

何故か一人だけ爪弾きにされたような疎外感

だから反抗的な態度を取ったり

見かけよりも大きく見せたり

考えないようにしていても

次から次に知らないことが入ってくる

もし俺がその立場なら

逃げ出しただろうな

そこに居場所はないと見切りをつけて

 

「長、もし自分が同じ立場なら

 絶対に逃げ出した

 そう考えるのはナンセンスだよ 

 何故なら、彼は逃げられない」

 

画伯が間違ってはいけないった顔をする

 

「生まれた時から

 筆頭長老家の後継ぎとして育てられた

 筆頭家の恩恵と周りからの期待と羨望

 それを一身に浴びながらね

 前長までのように、長と話も出来ない状態なら

 疑問に思うこともなかっただろう

 だけど今は違う

 長は名を変え屋敷で働き

 同じ長老家の和也と兄弟のように接している

 たまに会う自分には苦言しか言わないのに

 どこまでも蔑ろにされてると思うのは当然

 長も間違える、そこは反省しないと」

 

この人は正真正銘の見極める者なのだと改めて思う

多分、潤さまの心情も見えているのだろう

 

「潤様については ・・・

 彼をよく知る人に話を聞いた

 皇子は頑なに里を出ることを許さなかった

 大事に大事に育てた仰ったが

 貴方と一緒にどこにでも行きたかった

 和也様は傍にいたと言うのに ・・・

 皇子も反省してください」

 

豆屋さんだ ・・・

豆屋さんは潤様を知っているんだ

 

「確かに私は潤が里を出ることを許さなかった

 何故なら私が亡き後

 長になり里を率いるのは潤だと

 そう思っていた ・・・ 

 それがお前を苦しめていた

 身勝手な私を許して欲しい」

 

「兄様、謝らないでください

 兄様のお気持ちは分かっておりました

 ただ和也が羨ましかった ・・・」

 

隣に座ったカズナリの後ろに和也様

 

「私も羨ましかった

 潤は常に兄様といる

 だから ・・・ 都にお見えになった時は

 私だけの兄様で居て欲しかった」

 

それぞれが寂しい想いをした

どれだけ慕っていたかを伝える前に

長は消えてしまった

彼らの中に燻り続ける想いが

今の二人にも影響してる

そこに気付けなかった俺のミス

 

「隣の芝生は良く見えるものだよ

 それは間違いではない

 長の儀式が滞りなく済んだら

 こうやって前世のお姿が現れることはない

 だからと言って想いが消えることもない

 それぞれの中に入り新しく胎動する

 どうやってともに歩くか

 ゆっくり考えればいいんだよ」

 

「画伯、ガツンと言ってくれてありがとう

 蒼穹国の再興の事ばかり考えてて

 周りに気が配れなかった

 そう言う意味では長失格だな

 一つ提案なんだけど」

 

「何?」

 

「冬休み期間中

 潤は屋敷に滞在したらどう?

 ゆっくり話をするためには

 時間が必要だろ」

 

「いいの?」

 

ずっと黙ってた潤が顔を上げた

 

「うん、ただし自炊だぞ

 俺も画伯も自炊してる」

 

「狡い、俺も混ぜてよ

 ま~君にも連絡する」

 

あらら ・・・ 合宿になりそうな予感

 

「智、楽しそうだな」

 

長(皇子)が満面の笑みを浮かべ

二人の後ろにいる潤様と和也様を見て頷いた

 

 

今からでも遅くないんだ

出来なかったことをすればいい

 

 

「喧嘩はしてもいいよね」

 

画伯の方を向くと

 

「仲がいいほど喧嘩するだろ」

 

そう言って可笑しそうに笑った

 

 

 

 

潤がこれからどうしたいのか

ゆっくり聞いていこうと思う

どんな選択をしても

俺は応援するつもりだ

 

 

 

 

<続きます>