Let's make a toast. Cheers ! 57 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

俺たちの出番は終わった

後は最後全員で歌うアンコール曲だけ

ここらからは、智君のソロから始まる

プロ5人のステージ(蒼さんと大ちゃんもプロと見なす)

だから、俺も貴方達のライブを楽しむ観客になるね

 

「ここで良いの?」

「関係者席で見た方が良いと思うけど」

 

蒼さんと大ちゃんからのアドバイス

いつもなら舞台袖で大丈夫ですと答えるけど

今回は特別なコラボ

二人のアドバイスに従わせてもらう

 

「ええ、そうさせて頂きます」 

 

急いで関係者席に走ると

鮫島のお祖父さんが席を空けて待っていてくれた

 

「翔君や、ここに座んなさい」

 

席に着いて直ぐに

静まり帰った会場に鐘の音が鳴った

 

貴方のソロ曲前奏が流れ始める

曲は『song  for  me』

 

ステージの真ん中で踊り始めたその瞬間

ここにいる全ての人が

貴方の作る世界に魅了されていく

 

♪  いつかの別れ  いつかの出会い ~

   数えきれない涙と高鳴り重ねて

   ここでまた待ってる~  ♪

 

澄んだ伸びやかな声で歌うバラード

俺は貴方が歌うバラードは

世界一だと思ってる

 

初めて貴方の歌を聴いた日の事を思い出した

公園の中にある小さな舞台

そこで踊りながら歌ってくれた

ダンスも歌も全く門外漢だった俺だけど

澄んだ伸びやかな声に

羽がはえてるんじゃないかと

思えるほどの軽やかなダンスに

鳥肌が立った事を憶えてる

 

あの日から俺は貴方の大フアンになった

 

隣の鮫島祖父さんが鼻をグスグスしてる

きっと涙ぐんでる気がする

お祖父さんも貴方の大フアンだものね

 

間奏のダンスは複雑なステップを踏みながら

流れるように移動していき

立ち止まって美しいターンを見せてくれる

 

その全てが見惚れるほど美しい

 

♪  曖昧な事ばかりが  夜明けの迷路 彷徨いながら 

   夢が覚めてしまっても  忘れないよ ~

   ~    そう愛がそっと舞う上へ ~♪

 

 

舞台に立ってる貴方は

光を纏い、その輝きを四方に解き放ってる

 

ラストはゆっくり背を向けて戻って行く

最高の演出だけど少しだけ切ない

 

観客は貴方の後ろ姿を見送り

漸く我に返り

夢の世界が終わったことを知る

 

ちょっと間の静寂の後は

拍手喝采で『ブラボー』が飛び交う

 

「あの子は本当に儂の孫だろうか?

 儂のような者の…」

 

鮫島祖父さんは自信無さげな顔をした

その気持ち何となく分かる気がする

俺でもそう思う事がある

 

手の届かない世界に住んでる

大天使なんじゃないかと(大袈裟じゃなくてだ)

 

「何を言ってるんですか

 紛れもなく孫です

 俺たちは貴方の孫ですから」

 

敢えて俺たちにさせて貰った

 

「そうじゃったな

 儂の可愛い可愛い孫たちじゃ」

そう言って嬉しそうに目を細めた

 

「翔ちゃん、凄かったね

 圧倒されて声も出なかった」

 

雅紀が興奮した表情で呟く

 

「圧巻のステージだな」

 

本当にそう思う

智くん、絶対に行こうね

貴方の夢が叶う場所ブロードウェイに

 

「ここから五人の曲じゃな」

 

「ええ、本格的なライブです」

 

最初の曲はハーモニーを聴かせると言ってた

全員が揃いの衣装で登場する

最高のステージが始まる

 

 

 

〈続きます〉