Wish you were here 167 | 瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

瑠璃色の地球(ほし)の青宝玉

大野君に魅せられ、重症サトシックのおばさんです。
年甲斐もなく智愛叫んでます。
お名前をお借りして腐小説を書いています。
ご理解いただける方のみお入り下さい。

男性の方のご入室はご遠慮下さい。

ゆっくり館内の見学を済ませ

外に出たのは昼時を過ぎていた

(500坪の日本家屋の見学だから仕方がない)

 

盛大にお腹の虫がなる櫻井さん

 

「お腹空きましたね」

 

「ええ、さっきからお腹が鳴って ・・・

 ちょっと恥ずかしいです」

ばつが悪そうな表情を浮かべる

 

「もうすぐ2時ですから

 空いて当然です

 何が食べたいです?」

 

食べ物屋さんに疎いから

何処が良いのか分からないけど 

 

「大野さんは何が食べたいですか?」

 

「櫻井さん、狡い(笑)」

 

質問を質問で返すのは反則なんだけど ・・・

 

「すみません、いつも俺が決めてるから」

 

「じゃあ、カレーが食べたいです」

 

「カレー!暑い時に食べるカレーも美味しいですよね」

 

「あ ・・・ また汗が大量に ・・・ 

 蕎麦とかの方が良いのかなあ」

 

「いえ、カレーは大好物です

 あまり辛くなければ大丈夫」

 

「この近くに美味しいお店有りますかねぇ?」

 

この辺りは来たことが無いから

携帯で検索すればありそうかな?

 

 

「俺に任せて、美味しいお店の検索は得意なんだ」

 

何となくわかる気がする(笑)

食べる事が大好きな人だから

それを見てるだけで幸せな気持ちになれる

 

「此処なんかどうですか?

 ネパール流のカレーみたいです

 ご飯とナン、どちらかを選べます」

 

「じゃあ、そこにします」

 

他力本願で申し訳ないけど

食べ物屋さんをあまり知らない

 

「最寄り駅の反対側にあるます

 行きましょう」

 

「地図を見るのも得意なんですね?」

 

携帯の地図って凄く分かりにくい ・・・

以前、携帯の道案内頼りに歩いてたら

どんどん、反対の方向に歩いて行って

携帯表示の矢印がグルグル回った事が有る

 

「地図 ・・・ 苦手ですか?」

 

「ええ、すごく ・・・

 道順に沿って歩いても全然違う所に(笑)」

 

「俺は意外に得意かな

 カーナビとか見馴れてるからかも

 あれも、慣れです」

 

車に乗る人は見慣れてるからなんだ

 

「慣れですか ・・・ 俺は慣れないかも」

 

「慣れなくて良いです

 俺が案内しますから」

 

満面の笑みを浮かべる

食い気味に答える櫻井さん(笑)

 

「はい ・・・ じゃあ、お願いします」

 

外食は櫻井さんと一緒が殆どだから

お任せした方が安心

 

「では、ご案内します

 このお店の外観、商店街のレトロカフェに似てるかも?」

 

「丸ちゃんの所の?」

 

「ええ、昭和の中頃に建てられたみたいです

 レトロカフェの方がお爺ちゃんですね」

 

「ふふ ・・・ あそこは昭和初期です ・・・」

 

「レトロに縁が有るのかも(笑)」

 

古い物が好きだという訳ではないけど

懐かしい感じがする

空気感も今より穏やかな気がするから

 

僕の歩幅に合ってるのかも

櫻井さんはその歩幅に合わせるように歩いてくれる

それが何だか嬉しい

 

お店は最寄り駅から5分くらい歩いたところにあった

レトロというよりはお洒落な外観

室内の方がレトロな感じ

 

ネパールと言うよりは昭和のお洒落な食堂

色褪せたカウンターに椅子 ・・・ 

タイル張りの壁に古びたランプ 

テーブル席が二つとカウンター席が8の小さなカレー屋さん

ランチ時が過ぎているので待たずに中に入れた

 

 

カレーが二種類選べるランチカレーを注文した

 

「ノスタルジックな感じ

 映画に出てきそうですね」

 

櫻井さんは楽しそうに店内を見回してる

小説とかの舞台になりそうなのかな?

 

「タイル壁がお祖母ちゃんの家の台所って感じがする」

 

「タイル張りのお風呂もありますよね」

 

この人といると、どんどん話題が広がっていく

 

「大野さんはどんな子どもでしたか?」

 

「僕は ・・・ やんちゃでした」

 

大人しい子どもだったと思われがちだけど

意外にケガばかりしてた

 

「やんちゃ?大野さんが?」

 

驚いた顔をする

大概の人が同じ表情を浮かべる(笑)

 

「ええ、ケガばかりしてました

 駄目だよ!って言われると

 それをしたくなっちゃう」

 

「例えば?」

 

「缶詰の蓋とか握っちゃう」

 

あんぐりとした顔で見つめられて

 

「それって、こうやって掴むとか」

 

掌で缶詰の蓋を掴む仕草をする

 

「ええ、それで指と掌をざっくり(笑)」

 

それを聞いて、すごく痛そうな顔をする

 

「それって ・・・ 縫ったりしたんですか?」

 

「近所の外科に直行です(笑)

 痛みに強かったらしくて

 あまり泣かなかったらしいです」

 

「意外だった ・・・ 大人しい人かと思ってたから

 でも、やんちゃではなく

 好奇心が旺盛なんですね

 何でもチャレンジしたくなるって事でしょ?」

 

「自分で確かめてみたくなちゃう

 困った子どもですよね

 今でも偶にありますよ」

 

「ダメですよ、危ない事はしないで下さいね

 心配で眠れなくなる」

 

「ふふ ・・・ わかりました」

 

余程、頼りなく見えるのか

それとも、子どもに想われてるのか

どっちでも良い ・・・ その方が居心地がいい

だって、櫻井さんは大人だから

 

 

 

 

 

 

<続きます>